ついにトランプ批判まで始めた共和党候補。テキサス州
6.テキサス州:タラリコ(民)対パクストン(共)
予測:事実上イーブンの情勢
ここでの共和党予備選は今回最大の波乱となりました。3月3日の第1回投票では、現職のジョン・コーニン氏が約42%、州司法長官のケン・パクストン氏が約41%、ウェスリー・ハント下院議員が約14%で、上位2人による決選となりました。その後トランプ氏が、議事妨害の撤廃に積極的なパクストン氏支持を表明します。
5月26日の決選ではパクストン氏が約63%対37%で圧勝し、同州で現職上院議員が公認を失うのは1970年以来となりました。パクストン氏は汚職疑惑で州議会から弾劾された(のち無罪)過去や離婚訴訟を抱えており、コーニン氏は決選でそれを徹底的に攻撃していました。
民主党側では、元教師で州下院議員のジェームズ・タラリコ氏が、全国的な知名度を持つジャスミン・クロケット下院議員を約53%対46%で破りました。タラリコ氏はキリスト教の信仰を前面に出す語り口で知られ、37歳という若さも武器にして、若年層や穏健層に浸透しています。
争点は生活費で、世論調査でも有権者が最重視する課題に挙げています。そのほか医療費、年金、移民、州内で急増するデータセンターも争点です。共和党側は、タラリコ氏が2022年に母親の住所で有権者登録していた問題を「居住要件違反」として攻撃し、「リベラルすぎる」というイメージ付けも進めています。FOXニュースの調査では、「タラリコ氏はリベラルすぎる」と懸念する人が53%、「パクストン氏はトランプ氏に近すぎる」と懸念する人が51%と、どちらの弱点も拮抗しています。
討論会は実現していません。タラリコ氏は何度も討論を申し入れてきましたが、パクストン陣営は応じていません。10月7日にはトランプ氏がサンアントニオで応援集会を開き、翌日には「タラリコは討論の場に出てこい」と投稿しました。タラリコ氏がすぐに応諾したため、ボールはパクストン氏側にあります。
世論調査ではタラリコ氏が先行しています。ニューヨーク・タイムズ/シエナ大学(9月下旬~10月初め)とユーガブはともに6ポイント差(ユーガブは50%対44%)、フォックス・ニュースは51%対49%です。ユーガブでは18~29歳の69%がタラリコ氏を支持し、世代間の差が際立ちます。
ただしテキサスでは直近の大統領選で、世論調査が共和党の得票を4~6ポイント過小評価してきました。平均約5ポイントのリードからこの偏りを差し引くと、実質的には五分です。それでも、資金力と好感度でタラリコ氏が上回り、パクストン氏のスキャンダル疑惑が穏健層の離反を招いている点を重く見ると、タラリコ氏がわずかに優位。パクストン氏はついにトランプ批判まで始めていました。
ところが、9月末に、その優位なはずのタラリコ氏は突如選挙戦から「消え」ました。様々な憶測がされましたが、インフルに罹患していたようで今月中旬になって復活しています。この間の「不在」が影響しており、現時点では全く情勢が読めなくなりました。いずれにしても、2028年の大統領選への影響も含めて、今回の最大の注目選挙区だと思います。
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