民主党候補が「僅差で勝利」と予測。アラスカ州
7.アラスカ州:サリバン(共・現職)対ペルトラ(民)
予測:ペルトラの僅差勝利
共和党のダン・サリバン氏は、2014年に民主党現職を破って初当選し、今回3期目を目指しています。挑むのは、先住民として初めて連邦議会入りした元下院議員のメアリー・ペルトラ氏です。同氏は2022年に全州1区の下院議席を得ましたが、2024年に共和党に破れています。知事選出馬も取り沙汰されましたが、上院選を選びました。
アラスカでは政党を問わず全候補が同じ投票用紙で争い、上位4人が本選挙に進む仕組みです。本選挙では順位付き投票が採用されています。8月18日の予備選には16人が立候補し、ペルトラ氏が約49.5%、トランプ氏の支持を受けたサリバン氏が約41.4%で、現職を約8ポイント上回る異例の結果となりました。さらに、現職と同姓同名の元小学校教師「ダン・ジェー・サリバン」氏(共和党)が3位で本選挙に進みました。現職陣営は有権者の混乱を警戒し、「本物のダン・サリバンに投票を」と呼びかけています。
争点は生活費、石油・ガス開発、漁業、そして連邦職員削減などトランプ政権の政策が州に与える影響です。ペルトラ氏は「魚、家族、自由」を合言葉に中道路線を取り、ウィロー油田開発への支持も強調しています。サリバン氏は、ペルトラ氏を在任中に法案を1本も成立させられなかった「無能な議員」と批判し、当選すれば開発に反対する民主党を利するだけだと訴えています。
9月12日にコディアックで開かれた漁業問題の討論会では、一問一答の場面でサリバン氏がペルトラ氏の札を盗み見て同じ回答を出し、会場の失笑を買いました。この映像は全国的に拡散しています。一方ペルトラ氏にも、ニューヨーク・タイムズが報じた部下への高圧的なパワハラ疑惑が浮上しました。サリバン氏についても、在任中の株取引で資産を増やしたとの報道があります。
世論調査ではペルトラ氏が優位です。9月末~10月初めのニューヨーク・タイムズ/シエナ大学の調査は50%対43%と、部下へのパワハラ疑惑の報道後も差を保っています。地元のアラスカ・サーベイ・リサーチは順位付き投票の最終集計で51%対49%、クアンタス・インサイツは46%で同率でした。選挙分析媒体のサバト・クリスタル・ボールは、評価を「民主党やや優位」に変更しました。
アラスカの世論調査は伝統的に共和党を過小評価してきたため、平均約3ポイントのリードは盤石ではありません。ただし予備選で現職に8ポイント差をつけた実績は重く、順位付き投票も幅広い支持を持つペルトラ氏に有利に働くと言われています。現時点では、ペルトラ氏の僅差勝利と予測します。
ということで、現時点では検討した7州に関しては、テキサスがイーブンで、残りの6州は民主党優勢という状況だとお伝えしておきます。更に現状の全体像ということでは、アイオワ、ネブラスカ、カンザスは共和党が議席を守り、51対48で民主党が有利、テキサスは完全にイーブンとしておきましょう。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2026年10月13日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。今週の論点「沖縄女性強殺事件、地位協定の改善は待ったなし」、人気連載「フラッシュバック81」もすぐに読めます。
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