【欧米の欺瞞】イスラム国が善の勢力?今さら聞けない「イスラム国の正体」

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アルカイダ系イスラム国を結果的に支援していたアメリカ

先の記事は、こう解説しています。

シリアの反体制各派は、安定的な兵器の供給を受けて支配地域を拡大し「政府軍に匹敵する」ともされる残忍さを示すISISに怒りを募らせており、ここ数か月、反体制派がその大半を支配下に置いているシリア北部を中心に反体制各派とISISの間で緊張が高まっていた。(同前)

「イラク・レバントのイスラム国」(ISIS)は、政府軍(つまりアサド派)と同じくらい残忍だというのです。

しかし、戦いはメッポウ強い。

反体制各派とFSAにとって、ISISとアルカイダ系イスラム武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」は以前からジレンマの原因になっていた。

実戦の中でISISとアルヌスラ戦線が政府軍に対する有効な戦力であることは証明されていた。(同前)

シリア国民連合の内部にアルカイダがいるにも関わらず、アメリカ、イギリス、フランスは、支持を表明した。

理屈は、「われわれが支援するのは『自由シリア軍』で、アルカイダじゃない」です。

これに関して、二つ問題があります。

一つは、米英仏が「自由シリア軍」に武器を与えた。しかし「自由シリア軍」と「アルカイダ系」は、同じ「シリア国民連合」に属している。

アルカイダ系が自由シリア軍に、「俺たちにも武器を流せ! 俺たちは仲間だろ!」と要求すれば、自由シリア軍はそれを拒否することができるのか? 「反アサド勢力」の分裂を恐れれば、そうもいかないでしょう。

つまり、米英仏は、「間接的にアルカイダに武器を供与する」ことになる。

もう一つは、もしシリア国民連合が、アサド政権を打倒したとしましょう。そうなれば、シリア国民連合は、新政府を組織する。

その時、大活躍したアルカイダ系勢力を、新政府から排除することができるだろうか? 常識的に考えれば、難しいでしょう。

そうなれば、アメリカは、「9.11を起こした犯人たちが新シリア政府をつくるのを、全面的に支援した」結果になります。

「アメリカは、アルカイダ系もメンバーに含まれている『シリア国民連合』を支援している」というのは、到底アメリカ国民の理解を得られません。それで、アメリカでは、「アサドはひどい奴だ!」という報道ばかりだった。

「反アサド派にはアルカイダがいる」という事実は、ほとんど(意図的に)無視されていたのです。

「アメリカ政府は、9.11を起こし、3000人以上の民間人を殺したアルカイダを支援している!」・・・このことをアメリカ国民がひろく知れば、どうなるか?

結局、オバマは、「シリア戦争」を「ドタキャン」しました。

オバマ大統領、慎重ながら外交的解決に傾く─シリア問題で演説

[ワシントン]オバマ米大統領は10日夜、シリア問題についてテレビ演説し、外交手段を通じて問題を解決することに慎重ながらも楽観的な考えを示した。(ウォール・ストリート・ジャーナル9月11日(水)配信)

これは、いったいなんだったのか?

もうおわかりですね。

確かに、アサドは独裁者で、ひょっとしたら化学兵器を使ったかもしれない。

しかし、「反アサド派」は、到底「人権重視」の「民主主義者」ではない。彼らは、「化学兵器」を使った可能性が高く、「人肉」を食う非人道的な連中である。

そして何よりも、アメリカで同時多発テロを起こした、「アルカイダ」である。

この事実が、拡散されたのです。

もちろん、ほとんどの日本人も、アメリカ人も、この衝撃的事実を知りません。しかし、将来さらにこのことが拡散されて、イラク戦争のウソ同様、バレる可能性がある。

だから、オバマは戦争ができなかったのです。

ちなみに、「反アサド派」」でアルカイダ系の「イラク・レバントのイスラム国」(ISIS)は、現在「イスラム国」と名をかえています。

そして2014年10月現在、「イスラム国」は、イラク現政権(アメリカの傀儡)と激しく対立している。
アメリカは、自分で樹立したイラク政権を守るために、自ら支援して育てた「イスラム国」に空爆を繰り返すという「マヌケな」結果になっている。
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どうですか、これ?

まことに「事実は小説より奇なり」です。

1、アルカイダは、「9.11」を起こしたとされ、アメリカの敵NO1である。
2、欧米は、そのアルカイダ系イスラム国を、アサド政権打倒のために支援し育てた
3、強力になったイスラム国は、欧米に反旗を翻した
4、欧米は、自分で育てたイスラム国を空爆している
5、そんなイスラム国は、日本人・湯川さんと後藤さんを捕まえ殺した

と、なんとも複雑な話なのです。

こういう欧米の欺瞞を知ると、「日本はイスラム国との戦いに関わるな!」と叫びたくなるでしょう?
information:
『ロシア政治経済ジャーナル』
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