【キャラ弁】自分を犠牲にして雑菌山盛りのお弁当を作る日本人の心理

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キャラ弁自慢の背景にある心理とは?

キャラ弁を作っているお母さん方にとっては、お弁当を作ることが愛情の表現なのかもしれません。また、女性はキャリアを作りにくいので、その怒りや悔しさ、空虚な気持ちを、過剰な家事、つまりキャラ弁作りに注いでいるのかもしれません。

本当の子供にとっての愛情は、子供に経済的な負担をかけないために自らが経済的に自立すること、自分の人生を生きること、健康を害しないために家事は手抜きすること、夫や子供にも自活する能力を与えること、ではないでしょうか。

何でもお母さんがやってしまうのでは、夫も子供も自立して行きて行くことはできません。お昼作り、洗濯、掃除、アイロン掛けなどは、体が動くのであれば誰だって可能です。夫や子供はお母さんが病気になったり死んでしまったら路頭に迷います。

キャラ弁は単なる趣味だという人もいる様ですが、趣味を人様と競う必要はあるでしょうか?なぜキャラ弁を幼稚園が禁止する羽目になったのでしょうか。それは親同士が競争しているからでしょう。なぜ自作のキャラ弁当をネットでイチイチ自慢をするのでしょうか?

ワタクシは、ネットでキャラ弁の過剰な装飾や、クックパッドに大量に上がっている素人のレシピ自慢をみて、その背景にある心理を考えるのです。それは自分の時間や休息を犠牲にしてまで過剰に入れこむ自己承認要求活動です。熱心に仕事をしていたり、趣味の活動に忙しかったり、投資が忙しかったら、いちいち奇麗に料理をして、ネットで映える様に工夫して写真を撮り、アップする暇はありません。そんなことをしても一円にもならないのですから。本当に子供や家族を大事にしているなら、そんな趣味に大量に時間をかけないで、話をしたり、一緒に絵本を読んだりしているはずです。

イギリスやイタリアやフランスだと、素人が自分のお弁当や料理をネットで自慢する活動はあまり見かけません。あまりというよりもほとんど見かけません。ないわけではないですが、その粒度が日本よりうんと薄いのです。

ワタクシは日本のお母さん達はもうちょっと休息するべきだと思います。そして、自分の人生とは何か、考えるべきだと思います。

 

『谷本真由美(@May_Roma)の「週刊めいろま」』 036号より一部抜粋

著者/谷本真由美(@May_Roma)
神奈川県生まれ。ITベンチャー、国連専門機関情報通信官、外資系金融会社などを経てロンドン在住。趣味はハードロック/ヘビメタ鑑賞。著書多数。
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