【ギリシャ危機】ロシアと中国、資金支援で影響力拡大を狙う?

吉田繁治© PAK Design - Fotolia.com
 

ギリシャ政権のユーロ離脱という選択肢は?

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ギリシアがユーロを離脱して、旧通貨のドラクマに戻るとすればどうなるか?そのニュースがどこかの経路から流れた瞬間、富裕者の所有が多い1600億ユーロ(22兆円)のギリシアの銀行預金は引き出され、ユーロである間に海外の銀行に流出します。ドラクマになると、すぐに1/3や1/5の価値に減価するからです。

預金流出が起こると、ギリシア国内の金融資産はすっからかんになります。政府はこのキャピタル・フライトを、どうやっても防止しなければならない。

ギリシア国債下落がきっかけで、2013年のキプロスで起こった銀行危機のときは、預金者のマネーのうちロシア人がもつ分は引き出されてビットコインに交換され、通信回線の中の暗号として海外に逃げました。政府には、これが捕捉できない。

政府がドラクマに回帰する意思を示せば、送金の遮断が困難なビットコインが使われるかもしれません。そうなるとビットコインは急に需要が増えて、高騰するでしょう。

選挙後に政権についているのは左派です。このため、ロシアと中国は、ギリシアに資金支援の申し出をしています。チプラス党首は断っていると報じられますが、実態ではどうでしょうか。

EUを主導しているドイツが金融支援をしないとすれば、ギリシア政府は、ロシアや中国からの借入を選ぶでしょう。

ギリシア国民の80%はユーロ離脱に反対しています。政権は離脱につながるデフォルト(債務の支払い不能)は、どんな方法をとっても避けねばならないのです。

 

『ビジネス知識源プレミアム:1ヶ月ビジネス書5冊を超える情報価値をe-Mailで』756号より一部抜粋

著者/吉田繁治
東大フランス哲学専攻。経営と情報システムのコンサルタント。各社の経営顧問を歴任。戦略的システム開発でシステムデザインを担当。毎週届くメルマガの情報量は圧倒的で、その質・量ともにタイトルの「ビジネス書5冊を超える」の言葉に偽りなし。
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