楽天モバイルが「楽天経済圏」を生かしたサービスを投入
3年間で1000万契約を目指す楽天モバイルが、ようやく個性を発揮し始めた。
楽天モバイルへの申し込みでポイントを還元。さらに利用料金に応じてもポイントを付与するようになる。さらにポイントでの料金支払いが可能となる。
また、春の新規加入者向けキャンペーンとして、楽天モバイルの契約をすれば2倍、プラチナ・ダイヤモンド会員なら3倍、楽天カードでの支払いであれば4倍にもポイントがアップするという。
単に楽天モバイルだけではなく、楽天トラベルも対象になるなど、徹底した「楽天経済圏の活用」により、他のMVNOとの差別化を強化してきた。
ポイントの活用と言えば、期待されるのが先週、発表のあったカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)とフリービットとの業務提携だ。新たに「トーンモバイル」という会社を設立し、技術開発はフリービット、販売面はCCCのリソースを使っていくとした。
もちろん、CCCがいると言うことは、Tカードの活用が期待される。詳細は発表となっていないが、料金支払いでTポイントが貯まり、Tポイントで支払いができることになりそうだ。
これまで、MVNOは「いかに料金が安いか」という点で競争しているが、それも限界に近づきつつある。接続料が改定され、さらに値下げさせる余地もありそうだが、やはり「格安料金」だけの競争では、意味が無い。MVNO市場は楽天モバイルやトーンモバイルのように、「ポイント活用」でお得感を訴求するという、新たなステージに入ってきた感がある。
面白いのは、楽天モバイル、トーンモバイル共に二子玉川に今春にできる商業施設「二子玉川ライズ」にショップを出店する計画があるという点だ。
トーンモバイルは、CCCが運営する「蔦谷家電」が出店するため、その中にショップを出すと言うことが明らかになっている。また、楽天モバイルは、楽天の本社がこの二子玉川のオフィスビルに引っ越してくるということもあり、商業施設にショップを出すとのことだ。
奇しくも、二子玉川が「ポイントMVNOの聖地」 になろうとしているのだ。
今回、楽天モバイルは二子玉川だけでなく、仙台にも出店する計画を明らかにしている。当然、仙台と言うことは東北楽天イーグルスの本拠地であり、おそらく、イーグルスのグッズショップなどに出店するのだろう。
MVNOとしても、単にネットだけで売るのには、ユーザー獲得に限界がある。やはり、いかにリアル店舗にリソースを割けるかが重要になってきそうだ。
著者/石川 温(ケータイ/スマートフォンジャーナリスト)
日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。
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《vol.120号目次》
1.KDDIが「丸型Firefoxデバイス」企業に出資を表明
2.楽天モバイルが「楽天経済圏」を生かしたサービスを投入
3. NTTドコモが225Mbpsサービスを3月27日に開始
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記