あらゆる販売員がその知恵を絞る、お客様へのオススメ商品の提示。「あくまでしつこくなく、しかし効果的に」が肝となってきますが、その条件を軽くクリアするアプローチがありました。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、その手法を紹介しています。
試着室に準備
あるアパレルショップに立ち寄った際に、とても良いなと思うことがありました。試着室の中のことなのですが、商品を持って、試着室に入ると、その時にお店がオススメしている商品が試着室内にかかっているのです。ハンガーにかけて、試着室内のハンガーを掛けるところに、すでにかけられているということですね。
これを見た時、めっちゃ頭いいなぁと思いました。
お客様は、試着室に入る際には、ご自分の着たいと思うものを持って入ります。ただ難しいのが、試着室内は、スタッフが関与できる状況ではないため、お客様が持って入られた商品以外の提案がとても難しくなります。当然、着ていただいた際に、他の商品をご用意するなどの接客行動が必要ですが、結構難しいものです。
しかし、最初から、オススメ商品が試着室に存在していると、その時点で、お客様に新たなご提案をすることができます。私もまんまとその策にはまってしまって、かけられていた商品を触ってしまったのですが、スタッフがいない状況のため、思う存分、その商品を見ることができます(もちろん着ることも)。なので、とても選びやすい状況なわけです。
これの何がすごいかというと、お客様に心理的な負担をかけずに、勧めたい商品が勧められるということでしょう。スタッフがオススメしようとしても、まだお客様が接客を受けたいと思えていない場合は、なかなかオススメができません。しかし、プライベートな空間である場所で、「これ良いですよ」と準備されていれば、お客様は、勧められるという負担なく、気軽に触れることができます。
実はその店以外でもやっているのを見かけたことはありますが、まだまだこういうことをしているお店は少ないのが現状だと思います。
オススメの商品を勧めていくというのは、販売員の役目の一つです。しかし、必ずしもその勧め方は、接客を通してである必要もありません。お客様が選びやすい、見やすい状況が作れるなら、こういう方法を使うのも1つの手です。そこから、気になってもらえたら、新たな接客のきっかけが生まれるかもしれません。
ぜひ、参考にしてみてもらいたい事例でした。
今日の質問です。
- お客様が、オススメの商品を自分で触れるような工夫をするとしたら、自店ではどんなことができそうですか?
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