店員が不愛想だったり、頼んだ飲み物がなかなか来なかったり、刺身が水っぽかったり…。たとえそこが「安いお店」だったとしても、もう一度行きたいと思うでしょうか。今回の無料メルマガ『飲食店経営塾』では著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんが、「客単価2,000円の店でも4,000円の接客サービスを目指すべき理由」を解説しています。
「そこまでやる必要ありますかね…?」この考えが店をダメにする!
僕は居酒屋業態をコンサルする機会が多いのですが、以前、客単価2,000円前後の居酒屋のコンサルティングをしている時がありました。今後、接客をどうしていくか、どう高めていくかと話し合っていた時に、ミーティングに参加していたマネージャーがどうも乗り気でないようでした。そして、彼がこう発言しました。
「うちの店で、そこまでやる必要ありますかね…?」
どんな接客をするのか?どこまで接客を行うか?気遣いは必要か?などなどを話し合っていたのですが、「安い金額でやっているんだから、そんなことまでやる必要がない。それにお客様も求めていないのでは?」というのがマネージャーの考えでした。
でも、客単価2,000円の居酒屋で、
- スタッフがみんなすごく笑顔で、元気があって、活気があったり
- 普通にドリンクがなくなったら、お替りを積極的に聴いてくれたり
- 取り皿が汚れていたら、すぐに変えてくれたり
- ジャケットを椅子に掛けていたら、ハンバーにかけてくれたり
- たばこがないとなると、すぐに、近くのコンビニに買いに行ってくれたり
などなど、客単価でいうと4,000円ぐらいの店がやるような接客サービスをやったって何も問題はないでしょう。むしろ、それぐらいの接客サービスをやるからこそ、お客様は喜んでくれるのではないでしょうか?
よく言われることですが、人はなぜ「感動する」のかというと、期待以上のことをされたときに「感動する」と。であれば、店として、お客様の“期待以上のこと”がお店でできれば、きっとお客様は喜ぶでしょうし、感動するでしょう!これが、飲食店では大切ではないでしょうか?
- 立ち飲み居酒屋だから、そこそこの料理と接客でいい
- うちは、安い金額の店だから、そこそこの接客でいい
- ラーメン屋だから、そんなに接客に気を遣う必要がない
などなど、“自分たちで勝手”に「ここまでやればいい」「そこまでやる必要がない」と決めていないでしょうか?「そこまで人件費をかけられない…」なんて声がでてきそうですが、人件費は、売上が上げることで比率を下げるという考え方もできます。実際に、僕のご支援先ではより「人」を投入することでさらに売上を上げていった店があります。
- 立ち飲みの店なのに、すごく料理も美味しいし、接客もすごい!
- 低価格の店なのに、どこよりも元気で活気で、細かい気配りまでしてくれる!
- ラーメン屋なのに、ジャケットに気を配ってくれたり、お見送りまでしてくれる!
こんな店の方が、お客様は喜んでくれるし、繁盛店になると思いませんか?お客様は、「そこまでやってくれるの?」と思うからこそ、何度も足を運ぶわけですし、お客様がお客様を紹介してくれるのです。「これぐらいでいいだろう?」と、できない理由、やらない理由を探すのではなく、「どうやればもっとお客様は驚くだろうか?」と、どうやればお客様が「感動」してくれるのかを考えてみてはどうでしょう?
そう、あなたの固定概念を外してみませんか?
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