安眠を妨げ、健康に悪影響を与えるとも言われる「いびき」。とは言えいびきをかいている本人にとっては、なかなか自覚しにくいというのも事実です。そんな方への独自なアプローチが奏功し人気となっているのが、「スージーAS快眠枕」。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』ではMBAホルダーの青山烈士さんが、そんな枕を開発したメーカーの戦略・戦術を詳細に分析しています。
自分事にしてもらう
今号は、人気の「まくら」を分析します。
● 株式会社アメイズプラスが展開している「スージーAS快眠枕」
自分や家族のいびきで悩んでいる方をターゲットに「独自の形状や生地」に支えられた「いびきを防止できる」「どんな寝方でも快適」等の強みで差別化しています。
効果ありという購入者の声や販売実績を示すことに加え、頭の「スイートルーム」といった快適さを訴求する売り文句が、購入検討者の背中を後押ししています。
■分析のポイント
「いびき」してますか?
この質問に迷いなく答えられる方は多くはないでしょう。恐らく「しているらしい」「多分していないと思う」というすこしあいまいな回答になると思います。寝ている間の出来事ですから当然と言えば当然です。
「しているらしい」と回答した方は、自分で「いびき」をしていることを認識することは難しいので、家族から指摘されて気づいた方や睡眠アプリで気づいた方もいるでしょう。そして、家族から指摘されたとしても、自分がどんな「いびき」をかいているかは録音でもしないとわからないです。
なので、「いびき」の音に関して悩んでいるのはしている本人ではなく、そばで寝ている方がになるわけですが、している本人は、どのくらい迷惑をかけているかもわからないので、自ら進んで「いびき」を防止しようと行動に移しにくいです。「いびき」で迷惑をかけられている方にとってはすぐにでも行動に移してほしいわけですが、本人はことの重大さに気づかないという、歯がゆい感じですね。
そこでポイントになるのが、アプローチを変えて自分事にしてもらうということです。具体的には、「いびき」が健康に悪影響を与えるということを伝えるということです。
「いびき」→睡眠の質が低下→睡眠不足→疲労がたまる
といった形で、「いびき」の本人への影響を伝えると自分事として考えてもらいやすくなります。「もしかして、寝ても疲れがとれないのは、いびきが原因だったのかもしれない」「睡眠の質をあげるには、いびきを防止すればいいんだ」といった感じですね。
最近は睡眠の質が話題になることも多いですから、本人に響きやすいと思いますし、やはり、自分事にならないと、多くの場合、人は行動に移しません。
家族に「いびき」が気になるから「まくら」を変えたらと言われてもピンと来ないので、先送りされる可能性が高いと思いますが、自分の健康のために、この枕が必要だと思ってもらえれば行動に移してもらえる可能性がぐんと高まるでしょう。
また、「スージーAS快眠枕」を展開しているアメイズプラスはNelture(ネルチャー)という国内最大級の快眠グッス゛動画通販サイトを運営していますが、睡眠に何かしらの悩みをもって、このサイトに訪れた方は「いびき」が睡眠に悪影響を及ぼすことを知り、そういえば「いびき」をしていると言われたことがある、といった形で、自身の睡眠不足の原因の一つが「いびき」かもしれないと気づく。このような流れで、「スージーAS快眠枕」にたどり着いた消費者は、この「まくら」の魅力に惹かれるというわけです。消費者の心の流れをつかんでいる好事例と言えるでしょう。
今後、「スージーAS快眠枕」がどのように進化していくのか注目していきたいです。