商品やサービスの説明に熱が入り接客が長くなってしまった場合、重要となってくるのがクロージング時のまとめですが、なかなか上手くいかないという声も多く聞かれます。具体的に何を意識すれば「まとめる力」がつくのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、「情報をまとめやすくするため数を決めてしまう」という方法を紹介しています。
まとめる力
長い時間接客をしていると、どうしても情報量が多くなってしまい、販売員としても、接客を受けているお客様としても、何が決定打なのかがよく分からなくなりがちです。
そういう時、そのまま無理に決定を迫ろうとしても、まず間違いなく衝動買いに近い買い方になるため、購買までに至ることは少ないですし、たとえ買ってくれても、お客様の後の満足度は下がります。
ですから、長い時間の接客の時には、接客の内容をまとめて、お客様が判断しやすくすることが非常に大事になってきます。しかしこれがなかなか難しいのです。
例えば、接客中には、
- 商品の特徴
- 素材
- 売りとなるポイント
のような商品的な話や、
- お客様の目的
- 選ぶ基準
- 予算
- どんな場面が想像できるか
などの、お客様のニーズの話などいろんな要素が出てきます。これらを「じゃあまとめますね」と整理しようと思っても、「商品の特徴はこうですよね。そしてここがポイントになりますよね。お客様の目的はこれで、選ぶ基準がこれで、予算がこのくらいですから、この情報で判断してみましょう」みたいな話になってしまって、結局情報量は多いままになってしまい、判断できない状態が継続します。まとめているつもりが、単なる復唱になってしまっていて、上手くまとまっていないことが多いわけです。
だから、まとめる力というものが結構重要になってくるのですが、そんな力を持ち合わせていないよという人でも、割と簡単にできることがあります。
それは、数を決めてしまうことです。
情報をまとめる時に、最も大事な情報を3つまでにまとめてしまうとか、数を絞り込んでしまうのですね。そうするだけで、一気に情報がまとめやすくなります。
接客をしながら、お客様が判断基準にしていそうな部分を抽出して、「じゃあ3つほどまとめてみますね。第一にお客様の目的はこういうことでした。第二に選ぶ基準はこういうことでした。第三に予算がこのくらいでした」というような感じでしょうか(実際にはだいぶ言い方は変わりますが)。
全ての情報を盛り込もうとするよりも、あえて他の情報は一旦切り捨ててまとめてしまうことで、情報整理が俄然楽になります。もちろん、他の情報が必要なら、それはまた別で引っ張ってくればいいことで、いきなり全部をひっくるめようとしないことが大事だということです。そうしてまとめる力がついてくれば、自然と、より多くの情報でも、まとめられるようになっていきます。
ですが、最初から全部をまとめようとしても失敗しがちなので、最初のうちは、意識して数を絞るやり方をとってみると、整理しやすいはずです。クロージングの際などには、非常に重要な接客の仕方になってくるので、ぜひ色々と練習をしてみてください。
今日の質問です。
- 直近のロング接客を思い返してみましょう
- その接客の内容を大きく3つにまとめるとしたら、どんなまとめ方ができますか?
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