これまでの戦争の常識を変えてしまうかもしれない兵器が開発されているようです。イスラエルが来年実戦配備するという「レーザー兵器」。まるで映画やフィクションのような話の詳細を無料メルマガ『キムチパワー』で、韓国在住歴30年を超える日本人著者が分析し伝えています。
レーザー兵器・アイアンビーム
イスラエルの話で恐縮だ。でも韓国にも日本にも関係がありそうなので、朝鮮日報の記事をご紹介したい。
空想科学映画でしか見られなかった「レーザー兵器」の時代が目前に迫った。イスラエルが敵のロケットや砲弾、小型無人機(ドローン)を迎撃するレーザー防空兵器システムを来年上半期中に実戦配備することを決めた。
これに先立ってロシアがウクライナ戦争にレーザー兵器を投入して試験使用中だと主張した。米国やドイツ、中国なども多様なレーザー兵器を開発し、性能向上と実戦配置に熱を上げている。
レーザー兵器は一度の発射にかかる費用が既存武器体系に比べて「ほぼゼロ(0)」に近く、数量制限なしに無限大に生産できるため、未来戦争を完全に覆す「ゲームチェンジャー」になれるという期待を集めている。
イスラエル日刊エルサレムポストなどによればイスラエル政府は最近「国営防衛産業業者である『ラファエル』が開発したレーザー防空網『アイアンビーム』の性能検証を終えた」として「量産開発が終わる来年上半期中に実戦配置する方針」と明らかにした。
アイアンビームはミサイルの代わりに100kWの高エネルギーレーザービーム(HEL)を敵のミサイルやロケット、砲弾、無人機(ドローン)などに4~5秒間照射し、高い熱で破壊する兵器だ。
ミサイルのような発射体や弾を発射して命中させる投発型兵器ではなく、目標に向かって光線を追いかけながら照らす方式であるため、「指向性兵器」と呼ばれる。
エルサレムポストは「既存のアイアンドーム(C-RAM)からミサイルをレーザーに代替したもの」とし「近いところから飛んでくる攻撃兵器を迎撃するのに効果的」と説明した。
アイアンドームの場合、4~70キロ以内で捉えられたミサイルやロケットは90%以上を迎撃するが、これより近いところ(近距離)から飛んでくる飛行体に対しては効果性が低いと評価されている。
このような「隙間」を埋めるのがアイアンビームだということだ。イスラエルは現在、長距離はアロー3迎撃ミサイル、中距離はDS(ダビデスリング=David’sSling)ミサイル、中短距離はアイアンドームを利用する「多層ミサイル防空網体系」を運営している。
アイアンビームは4月、近距離で発射されたロケットと迫撃砲弾を数秒で迎撃する実験に成功したとイスラエル国防部は明らかにした。ウクライナ戦争を通じてその威力が立証されたドローン兵器にも効果が立証されたわけだ。