ついに開かれた「第3次世界大戦」の扉。ポーランドの戦闘機供与が引き金に

2023.03.31
PARIS, FRANCE - MAY 29, 2017 : Vladimir Putin, the President of Russian Federation in press conference at the Palace of Versailles in the Battles gallery after a working visit with french President.PARIS, FRANCE - MAY 29, 2017 : Vladimir Putin, the President of Russian Federation in press conference at the Palace of Versailles in the Battles gallery after a working visit with french President.
 

西側諸国からウクライナへ供与され続ける大量の兵器。しかし先日ポーランドとスロバキアが相次いで発表した戦闘機の供与は、これまでとはフェーズの異なる「危険な援助」と言っても過言ではないようです。外務省や国連機関とも繋がりを持ち、国際政治を熟知するアッズーリ氏は今回、戦闘機の供与が第3次世界大戦のトリガーとなりうる理由を解説。さらにその戦火が東アジアに飛び火する可能性についても言及しています。

このまま第3次世界大戦へ突入か?ウクライナを巡る最悪シナリオ

ウクライナでの戦況は一層に改善の兆しが見えない。今日、ウクライナ東部の要衝バフムトなどで戦闘が続いているが、そこでの戦闘に参加しているロシア民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏は3月半ば、最前線の戦闘に参加する傭兵を5月中旬までにおよそ3万人新たに採用する計画を明らかにした。

ワグネルはロシア各地40都市あまりで若者の採用を行っており、採用は順調に行われているという。これまでのウクライナでの戦闘で送り込まれたワグネルの傭兵は5万人に上り、これまでに3万人が死傷したとされる。プーチン大統領は昨年秋に予備兵などを想定した部分的動員を発表したが、ワグネルによる採用もあり、ロシア市民の事実上の動員はいっそう進んでいる。

「ミグ29」の供与でいっそう混沌となるウクライナ戦争

一方、欧米によるウクライナ軍事支援も、最近ではフェーズが変わってきている。ポーランドのドゥダ大統領は3月半ば、ウクライナに対して旧ソ連製の戦闘機「ミグ29」4機を供与すると明らかにした。これまで米国など西側諸国はウクライナへ軍事支援を続けてきたが、戦闘機の供与はNATO諸国でポーランドが初めてとなった。また、スロバキアのヘゲル首相もウクライナへ「ミグ29」13機を引き渡すことを政府として承認したと発表した。

欧米諸国はこれまで武器を中心にウクライナへ供与を続けてきたが、最近は米国の主力戦車M1エイブラムスやドイツのレオパルト2、英国のチャレンジャー2など最新鋭の戦車300以上が供与されることが決定するなど、ウクライナ戦争は欧米とロシアの代理戦争の様相を呈してきている。しかし、米国は戦闘機F16のウクライナへの供与には否定的な立場を崩していない。

だが、戦闘機の供与を巡ってウクライナ戦争はよりいっそう混沌とし、敷いては第3次世界大戦の繋がりかねない様相だ。大量の戦闘機をウクライナが保持するようになれば、今後大量のワグネル傭兵たちが犠牲となるシナリオは想像に難くない。ワグネルが3万人も追加募集するということは、それだけロシア側の劣勢が顕著になっていることの裏返しであり、さらなるロシア側も劣勢によってプーチン大統領がこれまで以上に挑発的な行動に出る可能性がある。

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