京都に、昭和からのスタイルをまったく変えない「すき焼き専門店」があることをご存知でしょうか? 無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんは、何もかも昔のままである本物の昭和レトロなすき焼き専門店を紹介しています。
昭和レトロなすき焼き専門店
驚きの価格で、黒毛和牛のすき焼を提供するお店が、京都河原町にあります。
「ロースすき焼1人前3300円」
「並すき焼1人前3100円」
基本メニューは、この2つのみ。
アーケード商店街にあって、古い料亭や旅館の佇まい。まさに昭和そのもの。
『すき焼 キムラ』。
その懐かしき建物は3階建て。
1階は下駄箱、2階は座敷席、3階は宴会場となっており、全部で250席の巨大なお店。
一般客と団体客で、常に賑わっています。
すき焼だけで、この規模のお店を稼働させるには、よほどのアピール力がなければなりません。
このお店の強みは、元精肉店であることを活かした、独自の仕入れルートがあり、国産黒毛和牛を1頭買いしていることです。
黒毛和牛を安く食べられることは、庶民にとっては夢のような話。
行列ができるのも頷けます。
さらに、このお店には人を惹きつける魅力がまだまだあります。
お店の雰囲気です。
店構えのレトロさに加え、店内の昭和感。
まず、店内に入るには靴を脱ぎますが、そこには“下足番(げそくばん)”がいます。
“下足番”とは、脱いだ靴をこの人に預けると、番号札を渡され、帰りに番号札と引き換えに、靴が出される仕組みです。
昭和前期には、こうしたお店が多く見られました。
次に、階段を登って2階に行くのですが、その床には赤い絨毯が敷かれています。
VIP客のように、特別な場所に招かれているようです。
店内の目につくものすべてが昭和であり、タイムスリップしたかのような楽しさがあります。
ピンクの公衆電話も置かれています。
メニューには、「ロースすき焼」「並すき焼」の他に、「肉のお替わり」や「玉子」「だし」「砂糖」の追加などが書かれています。
その横にドリンクメニューがあるのですが、そこには「赤玉ポートワイン」「バヤリスジュース」「三ツ矢サイダー」という、懐かしい飲み物の名前が並んでいます。
会計用の伝票は、印刷された金額にチェックを入れるだけのもので、レトロ感いっぱい。
レジは、お勘定場と言われています。支払いは現金のみ。
すき焼は、写真入りの手引きを見ながら、お客さまが自身で作ります。
鍋に牛脂を塗り、野菜や豆腐、牛肉、砂糖、割下の順に入れます。
関東と関西を合わせたような、独自の作り方をしています。
1928年に創業した当時からの作り方です。
この味に惹かれて、多くのお客さまが足繁く通っているのです。
97年間何も変えず、お店の雰囲気も商売のやり方も昭和のまま。
効率化や合理化などには、まったくの無縁。
昔のスタイルを貫き通すのみ。
素晴らしいことです。
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