公明の連立離脱で「大量の創価学会票」を失った高市早苗“第2次麻生政権”が、易々と「解散総選挙」に打って出られぬ理由

ay20251020
 

日本維新の会との連立も決まり、憲政史上初の「女性宰相」となる公算大の高市早苗氏。しかしその足元にはすでに不安材料が山積しているのが現状です。今回のメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』では著者で衆院議員の有田芳生さんが、総裁選後に展開された政党間の駆け引きの内幕を紹介。さらに「高市政権」が短命に終わると判断する根拠と理由を解説しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:高市早苗「第2次麻生政権」は短命に終わる

砂上の楼閣そのもの。短命に終わる高市早苗「第2次麻生政権」

自民党の新総裁に高市早苗議員が選出され、国会の首班指名が10月21日に行われる。もし高市早苗政権になれば、憲政史上初めての女性宰相が生まれることになる。だが、その先には暗雲が待ち構えている。

まず高市自民党は国民民主党を連立政権に組み込もうとした。総裁に選出された翌日の10月5日に高市総裁は玉木雄一郎代表と秘密接触。さらに翌6日には麻生太郎副総裁が榛葉賀津也幹事長と接触した。この会談では麻生議員から「脅しのように」連立入りを求められたという。

一連の会談は公明党には知らされていなかった。しかも麻生議員は「公明党は(連立から)出ていけばいい」とも発言。公明党執行部は激怒し「なめんなよ」の声もあがったという。

「秘密接触」というものの情報は意図的に流された。野党は立憲民主党が主導して「玉木雄一郎首班」をめざすものの、国民民主党が表向きは安保や原発での政策の不一致を声高に主張しつつ、本音では感情的な対立が根強いため、結局幻に終わってしまった。

麻生太郎副総裁、萩生田光一幹事長代理は、密かに維新執行部と接触、政策協議の一致を前提に閣内協力を提示した。

13日、大阪・関西万博の会場で、維新創設者の松井一郎・前大阪市長は藤田氏に声をかけた。「安売りするなよ」

それからわずか2日後。高市、吉村、藤田氏は国会内で会談し、連立協議開始で一致した。

と『朝日新聞』。維新が政策協議で出したメモは12項目。憲法9条改定、国会議員の定数1割削減、スパイ防止法制定などを求めている。

吉村洋文代表は定数削減を臨時国会で実現することは譲れないと発言した。自民党が飲めるはずもなく、大阪などでは維新と自民の衆議院選挙区も競合する。維新内の反発も強く合意は流動的だ。

臨時国会で物価高対策の補正予算を通して解散・総選挙という観測がある。『週刊ポスト』(10月31日号)などは

テレビでは絶対に報じない衝撃予測 電撃解散総選挙で高市自民240議席超え劇勝!

と書いた。根拠は各選挙区の調査を行なったものではなく、昨年の総選挙で自民党票が参政党などに流れたが、高市政権で「保守票」が戻ってくるという感覚的な「予測」だ。一方で『週刊現代』は近く発売される号で公明党票がなくなれば自民党は惨敗するという記事を掲載するようだ。

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