靖国参拝を“封印”し独裁者ともリベラル指導者とも良好な関係を築く。高市首相が見習うべき「習近平の野望」から日本を守った安倍晋三氏の外交手腕

ky20251022-1
 

「日本初の女性首相」の座を射止めた高市早苗氏。これまでの発言や姿勢から、こと外交面に関する不安を指摘する声も少なくありません。今回のメルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係アナリストの北野幸伯さんが、高市氏に対する「右より過ぎる」という批判を一蹴し、その根拠を具体的に解説。さらに新首相が師と仰ぐ安倍晋三氏の外交政策を継承すべき理由を論じています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:高市さんが〇〇外交を継承するなら問題は起こらない

高市さんが〇〇外交を継承するなら問題は起こらない

日本で初めての女性総理が誕生して一日。

世界のメディアを見ていると、高市さんについて「保守」「強硬派」「右翼」「安倍の後継者」といった評価が多いです。中国と韓国は、特に懸念している。一方、台湾やインドは、逆に喜んでいるといった感じです。アメリカでは、トランプさん、「シンゾーの愛弟子が首相になってうれしい」という感じでしょう。

高市さんが安倍外交を継承すれば、問題は起こらない

思い返せば、安倍さんも、2012年総理に返り咲いたときはさんざんに言われていました。「ソフトファシスト」「右翼」「歴史修正主義者」などなど。

2012年11月、中国は、ロシアと韓国に、【反日統一共同戦線】構築を呼びかけた。

【必読証拠】反日統一共同戦線を呼びかける中国

中国はこの戦略に沿って、

  • 日本は右傾化している
  • 日本は軍国主義化している
  • 日本で歴史修正主義が強まっている

というプロパガンダを世界中で拡散していきました。中国が「右傾化」「軍国主義化」「歴史修正主義」の証拠として挙げたのは、

  • 靖国参拝
  • 憲法改正
  • 歴史の見直し要求

でした。中国は、大金をかけて反日プロパガンダをし、韓国の朴槿恵は「告げ口外交」で「反日統一共同戦線戦略」に協力しました。

2013年12月、安倍総理は靖国を参拝。結果、中国の思惑通りに、世界中で大バッシングされたのです。当時どんな反応があったのか、振り返ってみましょう。

  • 2013年12月26日、安倍総理の靖国参拝について、アメリカ大使館が「失望した」と声明を発表
  • アメリカ国務省も「失望した」と、同様の声明を発表
  • 英「ファイナンシャル・タイムズ」(電子版)は、安倍総理が「右翼の大義実現」に動き出したとの見方を示す
  • 欧州連合(EU)のアシュトン外相は、(参拝について)「日本と近隣諸国との緊張緩和に建設的ではない」と批判
  • ロシア外務省は、「このような行動には、遺憾の意を抱かざるを得ない」「国際世論と異なる偏った第二次大戦の評価を日本社会に押し付ける一部勢力の試みが強まっている」と声明

★ 台湾外交部は、「歴史を忘れず、日本政府と政治家は史実を正視して歴史の教訓を心に刻み、近隣国や国民感情を傷つけるような行為をしてはならない」と厳しく批判

  • 12月27日、米「ニューヨーク・タイムズ」、社説「日本の危険なナショナリズム」を掲載
  • 12月28日、米「ワシントン・ポスト」は、「挑発的な行為であり、安倍首相の国際的な立場と日本の安全をさらに弱める」と批判
  • 同日、オーストラリア有力紙「オーストラリアン」は、社説で「日本のオウンゴール」「自ら招いた外交的失点」と指摘
  • 12月30日、米「ウォール・ストリート・ジャーナル」、「安倍首相の靖国参拝は日本の軍国主義復活という幻影を自国の軍事力拡張の口実に使ってきた中国指導部への贈り物だ」

※ つまり、「日本で軍国主義が復活している」という、中国の主張の信憑性を裏付けた

  • 同日、ロシアのラブロフ外相は、「ロシアの立場は中国と完全に一致する」「誤った歴史観を正すよう促す」と語る
print
いま読まれてます

  • 靖国参拝を“封印”し独裁者ともリベラル指導者とも良好な関係を築く。高市首相が見習うべき「習近平の野望」から日本を守った安倍晋三氏の外交手腕
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け