教室がざわついたとき、思わず「うるさい!」と叫んでしまった経験のある先生は多いのではないでしょうか。その一言は、騒いでいる子だけでなく、静かにしていた子にも同じ圧力をかけてしまいます。一見平等に見えて、実は理不尽な「全体攻撃」は、真面目な子が損をする教室をつくる原因になりかねません。今回のメルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では、著者で現役小学校教師の松尾英明さんが、全体攻撃が起きるメカニズムと、教師が本当に目指すべき教室のあり方を語ります。
全体攻撃という悪手
教室がざわついたとき、つい大きな声で「うるさい」と言ってしまう。正直に言えば、過去に何度もある。
でも、あるとき気づいた。あれは、教育における「全体攻撃」だ。騒いでいる子に向けた言葉のはずなのに、静かにしている子にも同じ圧がかかる。
平等に言っているようで、実は公平ではない。静かにしている子が、理不尽に巻き込まれる。これが、いちばんいけない。
なぜ全体攻撃をしてしまうのか。理由は単純だ。誰が騒いでいるのか分からなくなるから。
5人、6人と増えると、もう「雰囲気」になる。なんだかうるさい、という感覚になる。そして、少し焦る。少しイライラする。場を一気に止めたくなる。
その瞬間、強い声が出る。
でもそれは、子どものためというより、自分の不安を止めるための声かもしれない。ここが怖いところだ。
真面目が損をする瞬間が、崩壊の分岐点
教室が崩れる分岐点は、騒ぎそのものではない。「真面目が損をする瞬間」だ。
ちゃんとやっている子が、巻き添えを食う。その状態が続くと、努力は意味を持たなくなる。静かにすることが、価値を失う。
だから私は、改めてここを軸に置きたい。
真面目な人が損をしない。全体に重力を落とすのではなく、必要なところに境界を引く。
できれば、子ども同士がそっと戻し合える文化を育てる。教師が制圧しなくても、場が整う教室。自治の教室。
そこを常に目指したい。
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