中国接近の裏にある“計算”。ドイツ首相の「訪中」から見えるEUのジレンマ

Rome,,Italy,-,January,23,,2026:,Friedrich,Merz,During,His
 

近年、欧米首脳による中国訪問が相次ぎ、欧州各国が対中関係を再調整する動きが目立っています。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、今回のメルツ首相の訪問について詳しく語っています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです

ドイツ首相の訪中に込められた中国とEUの微妙な立ち位置

経済一色の訪問でした──。

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が二日間の日程で中国を訪問した。

このメルマガでも伝えてきたように、今年に入り中国を訪れる西側先進国のトップが引きも切らない。カナダのマーク・カーニー首相やフィンランドのペッテリ・オルポ首相、イギリスのキア・スターマー首相。そして今回のドイツのメルツ首相だ。

年初には韓国の李在明大統領も中国を訪問している。昨年末に北京を訪れたフランスのエマニュエル・マクロン大統領と併せて「北京詣で」とか、「中国ピボット」という言葉が欧米メディアで見かける機会が増えている。

ただ、言うまでもなく中国と距離を詰めるといっても、それは手放しで喜べることばかりではない。

冒頭の言葉は、メルツ訪中を締めくくったドイツのテレビZDFのキャスターが訪問の成果を表現した言葉だ。

この裏には、両国の間には未だに大きな溝が存在していることを示している。

象徴的だったのは、首相に密着したZDF記者の以下の報告だ。

「中国はドイツにとって最も重要な貿易パートナーであり、同時にロシアのプーチン大統領と最も親しくしている国の一つです。そしてドイツは今回、これまでの中国に対する対立姿勢を少し緩める方針を採りました」

メルツ首相も融和一辺倒ではないことを強調する意味なのか、会見では「私は今日、ロシアのウクライナに対する戦争を終結させるよう、影響力を行使してほしいと(中国に)頼みました。中国政府のシグナルはロシア政府も真剣に受け止めます」と語っている。

これに対する中国の態度は素っ気なく、習近平国家主席が「重要なことは対話で問題の解決を求めることだ」と答えただけだった。

この記事の著者・富坂聰さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 中国接近の裏にある“計算”。ドイツ首相の「訪中」から見えるEUのジレンマ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け