解散命令が確定した旧統一教会。その霊感商法の手口は、実は特殊詐欺のスキームと驚くほど似ているといいます。末端の実行者ばかりが逮捕され、指示を出した上位者は決して捕まらない——。証拠を隠滅し、「指示していません」「知りません」と言い逃れる構図は、両者に共通するものでした。『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では、著者でジャーナリストの多田文明さんが、教団が築き上げた「上位者が捕まらないスキーム」の実態に鋭く迫ります。
「旧統一教会の行った霊感商法が、特殊詐欺のスキームとほぼ同じとみる理由」上位者が捕まらないスキームを構築
現在「旧統一教会の行った霊感商法が、特殊詐欺のスキームとほぼ同じとみる理由」をシリーズで書いています。
後半で書こうと思っていたのですが、解散命令が確定したので「上位者が捕まらないスキームを構築」の話をしたいと思います。
旧統一教会は、オウム真理教事件のように、刑事罰を伴う法令違反を教団幹部らは受けていない。解散事由の「法令に違反」には、民法における不法行為は含まないとして、宗教法人の解散命令に対して抗う主張をしてきました。しかしそれは、最高裁の判断により、地裁、高裁に続き、一蹴されています。
ここに特殊詐欺のスキームとそっくりの構図があるといえます。
特殊詐欺では、末端の「受け子」などの実行犯ばかりが逮捕されますが、その上位者にはたどりつかず、逮捕には至りません。それは捜査の手が行かないような組織体制を、上位者らが取っているためです。
指示役は、受け子に対してスマホを使い、犯罪行為の指示をしますが、文面を消せる秘匿性の高いアプリを使い、証拠を隠滅しようとします。
旧統一教会も、過去に「文の日」などを定めて、当時FAXで送られてきた、教団本部からの不都合な指示書類などを信者らにシュレッダーにかけさせて、証拠隠滅を図ってきました。
そして信者らには、霊感商法などは組織の上位者の指示で行ったということは口外させず、教団幹部も「末端の信者らが作った団体などが勝手にした」との主張を繰り返してきました。
被害を生み出した事実を突きつけても「指示していません」「知りません」を貫く
特殊詐欺では上位者が逮捕されず、不法行為をした末端の実行者が逮捕されますが、旧統一教会でも同じです。
2009年に起きた新世事件では、信者である「新世」の社長や販売員らが、先祖の霊の恐怖を煽り、被害者に印鑑を販売したとして特定商取引法違反の疑いで警視庁に逮捕され、東京地裁で有罪判決を受けています。
元信者の立場からいえば、教団本部からのお金集めの組織的指示のなかで、この団体が生まれて、信者らは霊感商法を行っています。それにもかかわらず、上位者である、韓国、日本の教団幹部らは、捜査の手を逃れています。
このように「上位者が捕まらないスキーム」を構築していること自体が、特殊詐欺の組織によく似ているわけです。
犯罪グループの詐欺や強盗の主導役や指示役の多くは、被害を生み出した事実を突きつけられても「指示していません」「知りません」を貫き通します。
同じような主張を霊感商法や高額献金の勧誘の被害に対しても教団の幹部はしています。
しかし、どんなに教団が否定しても、教義に基づいて指示がなされた事実は、否定しきれるものではありません。
最高裁も教団の組織的な関与により多数の財産的被害が起きたとしており、その点が宗教法人としての解散となった一因になっています。
旧統一教会は目標達成のノルマを、韓国本部から日本の本部、そして各地の信者組織に与えました。そのノルマの厳しさゆえに、信者らは睡眠時間を削り、ほぼ一日中お金集めや布教活動に奔走したのです。どれだけの多くの信者がそれにより疲弊して、苦しんだことでしょうか。
その苦しみ、嘆きの怨嗟の延長線上に、安倍晋三元首相の銃撃事件が起きたといってもいいと思います。
しかし今も教団はその事実に向き合わず、被害者や社会に対しての謝罪もせずにいます。これでは、とても社会に受け入れられる教団となる道は開かれるはずもありません。(メルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2026年6月28日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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