全米最多発部数の邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人にしてプロインタビュアーの高橋克明さんは、「いちばんオーラがあったのは誰?」という質問にはかならず「X JapanのYOSHIKIさん」と答えるそう。今でもレコーダーの音声が消せないからだそうです。その理由は…、さすがYOSHIKI!
インタビューの舞台裏 -Bout.1- YOSHIKI-X Japan
『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』 創刊号より一部抜粋
インタビューを生業(なりわい)として過去400人もしていると、よく聞かれる質問があります。
「誰がいちばんオーラがありましたか」あるいは「誰がいちばん印象に残ってますか」
もちろん、すべての人にそれぞれのオーラがあり、時系列に従って、最新の方をいちばん覚えています(笑)。なので、答えようもないのですが、
それでも、しつこく聞いてくる方には、必ず「X JapanのYOSHIKIさん」と答えるようにしています。
なぜなら、唯一、取材時のレコーダーの音声を消せないインタビューだったからです。今でも。
過去3回インタビューさせて頂きましたが、もっとも印象に残っているのが一回目のいまから4年前の単独インタビューの時でした。
前日、たった14時間前に4000人のニューヨーカーを熱狂させたコンサートを目の当たりにして臨んだインタビュー。日本音楽史上最大のカリスマとの取材に緊張するなという方が無理でした。
そんな僕をよそにYOSHIKIさんはとてもやさしく、丁寧に、すべての質問に答えてくれました。
インタビューが終盤に差し掛かかった際、僕は当初、聞こうか、聞くまいか迷っていたことを思いきって聞いてみました。
甲状腺肥大ならびに甲状腺機能亢進症―。
日本中のニュースにもなったYOSHIKIさんの体調のこと。今回、一般人向けのメディアだけでなく、かなり近しい関係者にまで本当に命がけの演奏になるとの情報が入ったこと。
そのことを思い切って聞くと、彼はかぶせるようにこう答えました。
「明日死んでもいいと思って、ステージに立ってますから。」
(あ。この人、、、、。 本気で言ってる。)
この仕事をして多くのアーティストたちにインタビューをしてきました。彼らはそんな類(たぐ)いの言葉をよく口にします。
もちろん嘘ではないと思いますが、一時的なテンションの高ぶりから云われる方も、またプロモーション的な意味合いで云われる方もいらっしゃったと思います。
それならば受け流せる。むしろ、インタビュー的には「おいしい」ところ。
ただ、今、目の前にいるこの男は、間違いなく、文字通り、言葉通り、本気で言っているということが伝わってきました。なぜ、そう感じたか、は説明できませんが、今でもかなり鮮明にその表情を音声を覚えています。
伝わってきたからこそ、僕は唖然として、上手く返せず、今、レコーダーを聞き直しても、そのときの僕の返答ぶりは相当マヌケに聞こえます(笑)
「あ、、そうですか、、、あ。そっか。 、、、、、そうですよね。、、、はぁ」
インタビュアーとしては失格だけど、そのあと、何を云っても安っぽい台詞に聞こえる気がしました。
死んでもいい。そう本気で云ってる男のその台詞を、やっぱり僕はまだ消せないでいます。
『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』 創刊号より一部抜粋
【創刊号の目次】
1.今日のニューヨーク vol.1 「この街にいる理由」
─最前線で日々NYを取材している筆者の感じた、今日の摩天楼、今日出会ったニューヨーカーetc. 思うままに綴るコラム。
2.最新ニューヨーク事情 第1回 「カウントダウン@タイムズスクエア」
─世界の中心では今何が起っているのか。日々、新しいムーブメントの起こるこの街から、有益な最新情報をお届けします。
3.インタビューの舞台裏 -Bout.1- YOSHIKI-X Japan
―過去400人の著名人に取材した際の舞台裏。本記事に書けなかった「あの人」の裏話。
4.NYの雑種犬、みりんの大冒険 -第1章-
―フェイスブックやブログ上では筆者以上の人気を誇る、うちの雑種犬“みりん”のNY冒険綺譚。
5.NEW YORK の一枚 Vol.1
―弊紙カメラマンが撮った今日のニューヨーク
6.Q&A
『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』
著者/高橋克明
全米No.1邦字紙「WEEKLY Biz」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ400人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる
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