フィンランドの教育事情とは?
このランキングではアジア各国が並ぶ中、フィンランドが2位にランクイン。
フィンランドの教育にはどのような特徴があるのか気になりますね。
具体的に見ていきましょう。
- フィンランドの子どもは7歳まで教育を受ける義務がない
- 他国に比べて10代に入るまでの宿題やテストの数が少ない
- 16歳で初めて受けることになる全国テストの他には、受験必須の試験がない
- 学力の差に関係なく、様々な生徒が同じ教室で授業を受ける
- 教師は1日4時間しか教室で過ごさず、週に2時間は専門的能力の勉強にあてている
- 30%の生徒が最初の9年間の教育で何らかの補修プログラムを受けている
- 65%以上の学生が大学へ進学する
- 生徒の学力の差が世界で最も少ない
- 90%以上の学生が高校を卒業する
- 40%以上の学生が職業訓練学校へ進学する
- フィンランドにはニューヨークの教師と同じ数の教師がいるが、生徒数は圧倒的に少ない
- 教師は卒業生のトップ10%の中から選ばれる(医者や弁護士と同じくらい難関)
フィンランドの教育システムでは、「平等に教育の機会を与えること」が軸となっています。
例えば、1クラスあたりの人数も、教師の目が行き届くように最大でも約20人と小規模な人数で構成されているようです。
その中で、もし授業に追いつかない生徒がいたら、教師は個別に根気よく勉強を教えるのだとか。
基礎教育の段階では全国テストもなく、教師が自分で生徒の学習状況を分析し、独自のカリキュラムを考えるのだそうです。
フィンランド政府も学校教育に大きな投資をしています。
1960年代の後半まで、フィンランドは旧ソ連の影響を受け、多くの子どもたちが小学校以上の教育を受けられない状況にあったようです。
そこで、政府は何よりもまず人を育てるために投資をすることを決め、性別、経済レベル、地域に関わらず、すべての子どもたちに教育が行き渡るように政策を進めてきました。
今でも、この「教育の機会を平等にあたえる」という考え方は、政党に関係なく絶対的なものとして存在しているようです。
また、教育者という立場に対して、社会的な評価が非常に高いのも特徴です。
教師になるためには大学院で修士課程を修めなければならず、大学の教育学部の志願者は5倍という難関でありながらも、教師になりたいという若者はあとを断たないのだとか。
いかがでしょうか。
日本の状況と比べてみると異なる点がたくさんありますね。
世界的にも教育システムのお手本として注目されているフィンランド。
もしかしたら、その一部が日本の教育システムに導入される日も、そう遠くないかもしれません。
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source by Theguardian/ Business Insider/ Smithsonian
文/長塚香織