中国の高速鉄道、インチキに気づいた各国が相次いでキャンセル

 

6月22日には、フィリピンの次期大統領に就任するドゥテルテ氏が、中国からフィリピン国内の鉄道建設に協力したいという申し入れがあったことを明らかにしました。ドゥテルテ氏によると、中国の駐フィリピン大使は、マニラとクラークを結ぶ鉄道について「中国がやれば2年間で建設できる」と、例によって大風呂敷を広げたそうです。

中国がフィリピンで鉄道建設?「中国なら2年で完成」=駐フィリピン大使―中国メディア

しかし、これも以前のメルマガで述べましたが、中国はかつてフィリピンでの鉄道建設計画を放棄した過去があります。2004年頃から中国はフィリピン政府に対して、マニラ首都圏の鉄道整備への無償資金協力による支援を提案し、フィリピン政府はこの案を受け入れましたが、工事の中断が相次ぎ、支援計画にも不備や不法な疑いがあるため、アキノ前大統領が凍結したのです。そしてその事業を引き継いだのは日本でした。

日本はフィリピンの鉄道整備を支援、中国の事後処理か

そのような過去があるにもかかわらず、再びフィリピンに「鉄道を中国が作ってあげる」などと持ちかけるのですから、その厚顔無恥ぶりには呆れるばかりですが、やはりなりふり構っていられないのでしょう。加えて、前回の計画を凍結したアキノ氏から大統領が変わったことで、話を持ちかけやすくなったという背景もあります。

ドゥテルテ氏は中国大使の話に対して、「マニラとバタンガスを結ぶ鉄道も作りたい」と応じたそうですが、フィリピンが再び同じ失敗を繰り返すのか、あるいは「フィリピンのトランプ」と呼ばれるドゥテルテ氏が騙されたふりをして習近平主席に一杯食わせるのか、これは見ものでしょう。

いずれにせよ、中国の海外投資はことごとく失敗しているというのが現状です。2013年の中国鉱業聯合会の報告では、鉱山開発など資源関連の投資については、8割が失敗に終わっています。投資国の政情不安などもありますが、やはりずさんな計画が原因でしょう。

中国企業:国際化の道のりは「遠い」、資源投資で8割が失敗

アフリカでの鉱山開発では、労働者を連れて行って雇用を生まない中国のやり方に現地の反感が高まり、中国人襲撃事件も多数起きています。また、ミャンマーで建設を計画していたダムも環境問題で地元の反対が多くて凍結状態となっています。

インフラ輸出は、相手国の将来を左右するほどの大きいプロジェクトです。それだけに、習近平政権の手柄にするためだけに大風呂敷を広げたところで必ず失敗し、相手国の反中感情を高めます

世界は中国のインフラ輸出のインチキぶりにようやく気が付きはじめました。後がない習近平政権は、ますます苦境に追い込まれていくと思います。

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黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』より一部抜粋

著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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