中国人「爆去り」でラオックスが赤字転落。観光客頼みの痛すぎる代償

 

爆買い客の需要を掴み2015年には過去最高益を記録したラオックスですが、ここに来て息切れを見せ始めています。原因はどこにあるのでしょうか。メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』ではその理由を探るとともに、そこから学べる「インバウンド需要の取り込み方」を分析しています。

ラオックスの苦戦に学ぶ顧客獲得戦略

インバウンド需要で名をはせたラオックスが苦戦している。2014年度に14年ぶりとなる黒字化を達成し、さらに2015年度には、過去最高純利益となる80億円を達成したことも記憶に新しい。

しかし、「2016年12月期の中間期(1~6月)の売上高は350億円と前年同期比2割強の減少。純利益に至っては、店舗整理損などもあり、4.6億円の赤字に転落した」(東洋経済オンラインの記事より)。

長年の赤字を黒字に転換させ、順調だったラオックスの業績は、なぜ、このように失速したのだろうか?

「爆買い」などと呼ばれたインバウンド需要から考えてみたい。観光庁の試算では、訪日客数は2020年に2,000万人になるのこと。現在約1,500万人と言われているので、増加傾向にあるといえる。この数字から見ても、訪日客がショッピングをする、という潜在需要、すなわち、市場そのものはありそうだ

では、ラオックスがここまでとってきた戦略を振り返ってみたい。プロダクト(製品やサービス)について、自社の最大の強みである「免税に特化したことは基本的な戦略として正しい。さらに、増加するインバウンド需要に対して、ターゲットを、アジア系観光客を中心に絞り込んだ点も正しいと言えそうだ。ここまではセオリーから、外れてはいない。

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