温泉旅館に置いてある「お茶と菓子」には深い意味があった

 

そしてお茶

お茶を飲むのはこれまでも書いた通り、入浴前の水分補給になるほか、お茶に含まれているビタミンCが湯あたりを防ぐ効果もあるとされている。

宿に到着して部屋に荷を解き、「ヤレヤレ」などとつぶやきながらどっかと座布団に腰を下ろして緑茶を一服。 お菓子を食べながら一息つく。

1日の旅の話などをひとしきり終え、浴衣に着替えていざ温泉へ……というと、お茶を飲んでから少なくとも15分ほどが経っているはずである。

過去の号に書いた通り、入浴前の水分補給は15分から30分前に行うのが望ましい。 その理屈に、見事にこのお着きのお菓子とお茶が一役かっているのである。 よって、お着きの菓子と茶は入浴準備運動、というわけ。

こういうことは、温泉ソムリエになるとみんな教えてくれる。 頭に載せるタオルの意味を知ったとき、この知識を得ただけで十分モトとった!と思ったな。 このお茶とお菓子のこともそうだし、湯上がりビールぐびぐびが全面否定はされていない、というのも温ソムのゆるいところでもある。

むろん、最高のひとくちを飲んだあとにはしっかり水分補給をすべし、となっているのだが、入浴後の夕食前の準備としてのビールの意味まで、きちんと解説されている。 これらもバックナンバーで詳述しているので、ぜひ読んでみてくださいませ。

間違いなく、忘新年会の席であなたは雑学博士の称号を得るに違いない。

 image by: Shutterstock.com

 

『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋

著者/飯塚玲児
温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!
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