8月6日に開幕した夏の甲子園。主役はもちろん球児たちですが、試合を裁く審判員もまた「陰の主役」と言えるのではないでしょうか。それはプロ野球でも同じ。そんな審判員の実態を、元プロ野球名物審判が無料メルマガ『こっそり覚える野球審判』の中で明かしています。
10年で一人前だと言われる訳
プロの審判になって、最初に言われた事は、審判は10年しないと一人前と言われないという事でした。
それは正しかったですね。
年間の試合数が、公式戦約120試合、オープン戦・練習試合・2軍の試合・教育リーグ約50試合、その他の紅白戦も含めれば、年間200試合以上はするわけですね。
10年経験すれば、2,000試合です。そのぐらい経験して初めてプロの審判と言われるようになるのですよ。
皆さんはどの程度審判されているか分かりませんが、プロの審判員の話すことは常に理論ではなく実践からの経験論です。「机上論」を超越した「ノウハウ」なのです。
どうやれば上手く審判できるのか? 簡単じゃないのです。
自分で痛い目にあって初めて気が付くことも多いのですが、それは本当に自分で痛い目に合わなければ、実感するのは無理なのですよ。
それじゃ遅いから、ノウハウを知りたいと思う事は理解できますが、「経験しなければ分からない事」も教えて欲しいと言われてもそれは無理。
自分で経験されてください。痛い目に合ってください。それを恐れる人は、審判しないでください。恐れない方だけ「前に向いて」求める審判像を求め続けてください。
「前に向いて進む」のは、困難が立ちはだかります。それは周囲の状況かもしれませんし、自分自身のジャッジに関してかも知れません。
どちらにしても、その困難に立ち向かう意思をも持ち続ける事が大事なのですよね。上辺だけの「規則解釈」は何の意味もありません。それは「実践」じゃないからです。「机上」だからですよ。
もちろん「規則解釈」は重要ですが、解釈のための解釈はいけませんね。素直に読んで、そして「実践」することです。
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