プロのバレエダンサーに必要な条件は「技術」「音感」、あと1つは?

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美しい体のシルエット、鍛え抜かれたカラダ、しなやかな足腰…。その演技についつい魅了されて、虜になってしまう人も多い「バレエダンサー」。プロのバレエ講師・石島みどりさんが、メルマガ『バレエ教師力アップ講座』でプロを目指すための3条件をご紹介!なんと「技術」は二の次だった…!?

バレエ向きの体型を得るために

去年8月末に、ある男子生徒のオーディションに付き添いました。ヨーロッパにあるバレエ学校に入学するためのものです。

結果は不合格でした。

この男子生徒は、オーディション担当教師(超有名バレエ団元プリンシパル)に直談判しました。

「僕は将来プロになれますか?」

そばにいらした日本人女性が講師の奥様だったので、通訳をしてくださいました。

答えは、
「分からない。だが、プロになるために必要な3条件を教えましょう」

それは、

1.体型
2.音感
3.技術

「この順番はとても大事。テクニックは一番最後だよ。」

それぞれについても解説してくださいました。

1.体型のためには、良質な食事の摂取・睡眠が大事。
2.音感は絶対に必要。トレーニングで強化できる(海外の国立バレエ学校では、音感強化のためのカリキュラムがあります)。
3.とにかく正しい技術を身に付けること。1の体型と2の音感さえあれば、技術は、良い教師につけばあとからいくらでも手にすることが出来る。

良い体型でも音感がなければプロになれない。
音感が良くても体型が悪ければプロになれない。
テクニックは前の二つに比べれば重要じゃない

日本では、学校帰りにレッスンをするため、帰宅が夜遅くなりがちです。

本講座Vol.040で、低身長が不利だということをお伝えしましたが、夜遅くに就寝すると、成長ホルモンが減少して身長が伸びにくくなり、疲労の回復も十分に行われず、筋肉の成長にも悪影響を及ぼし、ターンアウトがしにくくになります。

一方、海外国立バレエ学校では、成長期の子供に夜遅くまでレッスンさせることはありません。ですので、彼らは理想的な体型を得やすい環境にいると言えるでしょう。

生徒を海外に留学させようとする場合、音感とテクニックを現地での教育に任せるとすると、日本で出来ることは、

「体型作り」

に他なりません。

日本のバレエ環境で、良い体型を手にするために何をすればよいのか?

良質な食事は家庭に任せます。必要であれば、指導をしたほうが良いでしょう。

結局、最終的に、教師が出来ることは

「レッスン時間の管理」

これのみです。

生徒が夜遅く就寝しないよう、レッスン終了時間を早める必要があるのです。

そのための工夫をすることが教師の役目として重要なものとなります。

ひょっとして、あなたは、技術の指導を最優先させてはいませんか?

image by:Shutterstock

 

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『バレエ教師力アップ講座』より一部抜粋

著者/石島みどり
幼少期よりモダン・バレエを始め、中村友武バレエ・スタジオにて長年にわたりクラシック・バレエ、キャラクテール、ジャズ・ダンスを学ぶ。2000年より解剖学的アプローチのバレエ教育を実践に移すべくDancingFUNを主宰し現在に至る。
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