屈辱の容認。なぜ中国は北朝鮮をあっさり捨てたのか?

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去る4月6日から7日に行われた、米トランプ大統領と中国・習近平国家主席との米中首脳会談。しかしその期間中、米国はシリアへの軍事攻撃を起こし、さらに北朝鮮への攻撃についても示唆。その軍事行動について、中国は事実上「容認」の態度を示しました。この北朝鮮に対する態度の変容は何を意味するのでしょうか? 4月13日に創刊された有料メルマガ『石平の中国深層ニュース』の著者で、中国出身の評論家・石平(せきへい)さんは、中国の実態に迫る新創刊メルマガの創刊号にて、先日の米中首脳会談から透けて見えた習政権の脆弱さと、中国が「米国による北攻撃」を事実上「容認」した背景について分析しています。

米中首脳会談から見た習近平政権の脆弱さと今後の権力構造・その一

今月6日、7日で行われた米中首脳会談で、中国の習近平国家主席はトランプ大統領に対し、「画期的ともいうべき大きな譲歩を余儀なくされた。それはすなわち、米国が行おうとする北朝鮮に対する軍事攻撃に対し、習主席は実質上、それに対する容認の態度を示したことである。

3月配信の私のメルマガのサンプル号は、「米国が本気で北朝鮮に対する軍事攻撃を考える際、一番心配しているのは中国の出方だ」との見方を示したが、米中首脳会談を通じて、トランプ政権はすでにこの心配事を取り除いた模様である。

首脳会談では、北朝鮮問題は大きなテーマとなったことは多くの報道からも確認されているが、ティラーソン米国務長官は会談終了後の記者会見で、「もし、中国が米国と連携できないのなら、米国は独自に進路を決める、と大統領は習氏に伝えた」と語ったことからすれば、トランプ大統領は明確に、北朝鮮に対する単独の軍事攻撃も辞さない決意を習主席に示したと思われる。しかも、トランプ政権はわざと、米中首脳会談開始の日に、両首脳の夕食会の最中にシリアに対する軍事攻撃を実行したが、それもまた、習主席に対する外交的圧力を強く意識したものであろう。

アメリカ側の働きかけに対し、習主席は一体どう反応したのか。会談が終わって2日後の4月9日、ティラーソン米国務長官は実に重大な意味を持つ発言を行なった。米CBS放送のFace The Nationという番組で、北朝鮮問題と米中首脳会談について語った時、彼は次のような言葉を口にした。

「President Xi clearly understands, and I think agrees, that the situation has intensified and has reached a certain level of threat that action has to be taken.」

それを日本語に直訳すればこうなる。

習主席ははっきりと分かっている。しかも同意していると思う。(北朝鮮)情勢はすでに悪化して、行動をとるべき脅威のレベルに達していると」。

ティラーソン米国務長官がここでいう「とるべき行動」とは当然、今までの経済制裁ではなく、軍事攻撃を含めた新たな「行動」を指していると理解すべきであろう。これに対し、習主席は「はっきりとわかっているし、しかも同意していると思う」とティラーソン米国務長官が明言したのである。つまり彼はここで、米国の行うかもしれない軍事攻撃に対し、中国の習主席はすでに容認したと強く示唆したのである。

そして、ティラーソン長官がそう語ったのと同日、米軍の空母打撃群が朝鮮半島に向かって移動し始めたことが確認された。それは、トランプ政権の本気度を示した行動であると同時に、米軍の行う軍事攻撃に対し中国の習近平政権はもはや邪魔してこないことを、トランプ政権側がすでにある程度の確信を得た、との証拠でもあろう。

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