希望という名の絶望。大義なき新党と報道が日本を滅ぼす【宮脇睦】

miyawaki20170927
 

27日午前、結党の記者会見を開き、党綱領を発表した小池百合子氏率いる「希望の党」。所属の国会議員は衆参両院合わせて14名ですが、今後多数の合流が見込まれています。そんな同党に否定的な見方を示すのは、無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』の著者でITジャーナリストの宮脇睦(みやわき・あつし)さん。宮脇さんは彼らが掲げる政策について「耳障りの良い言葉を並べただけで具体策は何もなく、このままでは小池ファーストの党でしかない」とし、同党結党の大義を問わず、そして政策の矛盾点を指摘することのないマスコミの姿勢に対して苦言を呈しています。

希望の党に見つける絶望

いよいよ民進党が消えてなくなる日がやってくるかも知れません。事実上の引導を渡したのは小池百合子都知事。率いる新党「希望の党」が反自民の受け皿となり表を稼げるのではないかと、脱走兵が相次いでいるからです。

この状況をお笑いタレント千原ジュニアが、TBS「ビビット」の2017年9月26日の放送でこう喝破します。

裏で人気タレント司会の番組が始まる。まだ企画書もないけど視聴率を稼ぎそうだから、いまの番組を降板してあっちに移る。

小池百合子人気に便乗しようとする連中だという指摘です。

政治家は選挙に落ちればただの人、といいますが、それ以下でしょう。仕事と地位と名誉と、なによりそれまでの政治実績を否定されるのも同然だからです。

その為、政治家という地位にしがみつきます。

ひとりの人間としてその感情は理解しますし、共感も同情もしますが、それに権力を監視する使命を帯びているはずのマスコミが批判を加えないことは果たして正しいのでしょうか。9月27日に開かれた、所属国会議員による「結党会見」を見る限り、烏合の衆、野合、選挙互助会の印象はより強まりました。

党名に掲げた「希望」が、私には「絶望」に見えてしまいます。

9月16日の朝日新聞から吹き始めた「解散風」で、安倍晋三首相が正式に発表する前から「解散総選挙に大義はあるのか」とネガティブキャンペーンが張られました。

対して「希望の党の結党に大義はあるのか問いただしたマスコミは皆無です。

八代英輝弁護士はレギュラー出演するTBS「ひるおび」のなかで大要こう述べています。

そもそも大義があった解散などない。郵政解散など筋論としておかしい。選挙はこれまでの結果と、これからの政治を任せる人を選ぶためのもの。

私は憲法改正を掲げる安倍首相が打つ解散には、常にそれを実現するという「大義」があると考えますが、八代氏の指摘に概ね同意します。

アンチ自民、安倍降ろし的な論調が目立つ「ひるおび」のなかで、今年の6月までは、番組の方向性に同調する発言が目立った八代氏ですが、7月に衆参両院で開かれた閉会中審査以降、立場を軌道修正し、是々非々のバランスがとれた意見を述べています。

政治やニュースを取り扱う番組とはいえ、番組の方向性はプロデューサーやディレクターが決め、それに添った人選が為されます。だから出演者が好き勝手に話すことは基本的にはできません。

閉会中審査を巡る報道では、獣医学部新設について「歪められていた行政が正された」と証言した加戸守行前愛媛県知事の存在を一切触れなかったことで、ネットを中心に高まった「偏向報道」に対する「言い訳」として、八代英輝弁護士の立ち位置を変えさせたのかも知れません。

話を戻します。

新党結成直前、小池百合子氏は小泉純一郎元首相に会い政策相談などをしたと自ら告白し、ネタを提供します。アンチ自民、反安倍の文脈から指摘された「大義」論で、たびたび取り上げられたのが小泉純一郎氏による「郵政解散」です。

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