その手もあったか。マンションのトラブルを解決した真逆の成功例

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複数の人の集まりを上手くまとめるのは誰にとっても難しいもの。それが学校や仕事の繋がりではなく、普段は「ご近所さん」レベルの浅い付き合い同士になるとなおさら…。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、機能しない状態までに追い込まれていたマンション管理組合の運営を正常化に導いた、「全く逆の成功例」2つを紹介しています。

正反対の改革で運営を正常化した2つのマンション

こんにちは! 廣田信子です。

正反対の方向の改革で管理組合運営を立て直した2つの大型マンションがあります。どちらも10年間の変化を、直接、間接的にずっと見てきたマンションです。

Aマンションは、役員は1年任期の輪番制でした。基本、管理会社主導のため、様々な問題が継続的に審議されずに積み残されます。総会では、激しい口調で理事会や管理会社を責める何人かの組合員がいて、緊張した雰囲気となります。そんな状況ですから、総会出席者もどんどん少なくなりコミュニティも育ちません

みんな、出来るだけ人と関わらない様に暮らしていて、それでも日常困ることはないから…。という雰囲気が蔓延していました。どうしたら、この状況を変えていけるのか、地域で活動しているある組合員の方は悩んでいました。これでは、災害にも高齢化にも対応できない…と。

転機は、東日本大震災でした。それまで、できるだけ関わらないようにと無関心だった人も、いざというときのために少しは繋がっていないと…と感じるようになりました。その機会に、念願だった自治会を立ち上げました。これまでの役員経験者に声を掛けて何とか設立にこぎ着けたのです。

で、自治会という人が集まって話す機会ができたことで、管理組合運営も何とかしなくちゃ…ということが話題になり、そのためには、継続的に理事を務める体制にしないとどうしようもない…と、自治会の行事に参加したその期の理事に働きかけ、役員候補選任のルールを変えました。立候補、推薦制を取り入れたのです。

その後、継続的に理事を務め、課題解決に取り組む人が出てきて、数年の間に管理組合は大きく変わりました。自立的に運営できるようになったことはもちろんですが、何かとクレームが多かった人にも、「どうぞ、ご意見があるようでしたら理事に立候補してください」と言えるようになり、「いや、理事になるのはいやだ」…という人は、だんだんおとなしくなっていったと言います。クレーマーをおとなしくさせるには、「どうぞ理事に立候補してください」というのが一番だ…と。

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