ねぇ知ってる? 客は良い商品を勧めるだけの店員など求めてない

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リピーターを増やすためにはどんな接客をすればよいのか、販売員の悩みどころですよね。今回、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが紹介するのは、その場限りで売ろうとしない、「戻ってきてもらうための接客」方法です。

戻ってきてもらう接客

先日初めて研修に入ったお店で、店頭でのOJT研修をやっていた時の話です。店内にあるお客様がいらっしゃいました。親子連れのお客様で、息子さんがすでに商品を決めて、レジでお会計をされている最中に、お母様が靴を見てらっしゃったんですね。お店のスタッフの方は、他のお客様を接客していたので、せっかくならと、手の空いている私が声をかけました。

5分程度の接客の中で、ある程度ご説明をしましたが、結局、そのお客様はその場では購入されませんでした。しかし、私の中ではある確信があって、その内に「必ず戻って来られる」と感じたのです。

その後、研修を終えてお店を後にしようとすると、買った荷物を車に置いてきたにも関わらず、わざわざ戻ってきてくれました。結果として、また接客に入って、お買い上げいただき、最後には、「今日来て良かったです」とまで言ってもらい、お互いに名前まで覚え合う状況になりました。

個人的にもとても嬉しかったのですが、本題はそこではありません。なぜ戻って来てもらえたのか? という点です。

実を言うと、その接客の中で私は、2つのことを意図的にやっていました。1つは、無理にお勧めをしないこと。そしてもう1つは、プロであることを認識してもらうことです。

まず、無理にお勧めをしないという点。これは、接客の中で、無理に買ってもらおうとしないということです。

私は意図的に、商品をご試着いただいた後などにも、商品の良さは最大限にアピールしつつ、

今日はご紹介できて良かったです
試してみてもらえて嬉しいです

のような言葉を使っていたんですね。あえて、「お勧めですよ」なんて言わずに、商品の魅力だけが純粋に伝わるようにしていました。

そして、自分がプロであることを認識してもらうために、どういう販売員であるかを明かしていたのです。

こういう理由で靴に詳しいんですよ」
「せっかくなら今後、靴を買うときに覚えておいてもらうと良いことをお伝えしておきますね」
「これだけ詳しく説明する販売員って今までいましたか?」

みたいなことを、所々お伝えして、信頼しても良い販売員だと思ってもらえるようにしていたんですね。

これらが確実にできた実感があったので、今日売れなくても「戻ってきてもらえる」と思えたのです。まさか、当日に戻ってきてもらえるとは思っていませんでしたが、結果としてはその通りになりました。

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