【イスラム国と距離をとる世界】「明日は我が身」となる国民が支える「テロに屈しない日本」

高城剛© akiyoko - Fotolia.com
 

日本はもう戦争に突入した

『高城未来研究所「Future Report」』第188号より一部抜粋

最近のニュースからもわかるように、イスラエルの現首相ネタニヤフが米国議会に招かれているのに(議会は現在共和党が握っています)、オバマ大統領は会わないと公式に発言していることからも、明らかにイスラエルとの距離をとっているのが理解でき、世界情勢は、米国共和党のネオコン軍産複合体+イスラエル(サウジアラビア)+日本の自民党および経団連VS米国民主党+欧州のほとんどの国(イスラエルと敵対するパレスチナを国家として容認)+(BRICS)に近づいているように見えます(実際は、もっと複雑な多様化に向かっていると思います)。

ドイツはサウジアラビアへ武器の輸出を停止しました(これも日本とは正反対です)。なぜなら、サウジアラビア経由で武器がISISに流れ込むからです。どちらにしろ、米国共和党のネオコン軍産複合体にしてみれば、仮想敵イスラム国が必要で、イスラム国にしても仮想敵が必要となり、この二者は「表面上はつながりを持たない共犯関係」となっています。

事実、米国オバマ大統領は、一般教書演説で「テロとの戦いは終わった」と明言しており、イスラム国に関して、今後深く関わるつもりはないと話し、この発言は米国内ではとても大きな支持を得ています(無人機などの空爆程度まで)。これだと、米国の軍産複合体のビジネスは旨味がありません。もっと、イスラム国に暴れてもらわなくて困るわけで、今後も多くの事件が起こることが予想されます。

現在、日本は「開戦準備」に着々と向かっています。今回のイスラム国の人質は、感情論で考えるのではなく、「明日は我が身」であることが公になった事象です。東京のど真ん中で、今日テロがあってもおかしくなく、どこかの出版社が襲撃される可能性すらあります。そして、これを良い悪いではなく、そのような政権を選んだのは日本国民であり、しかし、それをいくつもの見方で報道ぜす、選択がないようにしたテレビの問題はとても大きいと個人的に思い、何度も発言を続けている次第です(大手新聞社の多くも共和党と極めて近しい関係にあります)。

今後、もうひとつ、ふたつの事件があった後、ことは急速に進みます。もはや、自分の身は自分で守るしかありません。見方によれば、日本はもう戦争に突入した、とも言い換えられます。なぜなら、気がつくと「テロには関わらない国家」から、「テロに屈しない国家」へと変わったからです。それが、経済問題以上に突如として大きく突きつけられた、今のすべての日本人の課題なのです。

 

『高城未来研究所「Future Report」』第188号より一部抜粋

著者/高城剛
1964年生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。
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