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なぜ日本の富裕層はスイスのプライベートバンクを好む?プロ任せの利点と落とし穴=花輪陽子

日本人は特に、スイスのプライベートバンクに非常に良いイメージを持っていると感じます。なぜ富裕層に選ばれるのか?その秘密をサービス内容や日本の金融機関との違いから解説します。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)

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プロフィール:花輪陽子(はなわ ようこ)
外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。

日本人の富裕層はスイスの銀行がお好き?

シンガポールには外資やローカルも含めて何十ものプライベートバンクがあります。日本人は特に、スイスのプライベートバンクに非常に良いイメージを持っていると感じます。

ボストン・コンサルティング・グループの調査によると、超富裕層の人口密度が高いのはカタールなどの中東、スイス、シンガポール、香港などとわかります。

世界の1人あたり名目GDP国別ランキングでも、ルクセンブルクに次いでスイスは2位、米国は7位、シンガポールは8位、香港は16位です。

スイスはとてもお金持ちの国で、のんびりしていると感じます。アメリカ、日本、シンガポールなどでは多くの人がせかせかとしていると感じますが、スイスの企業や人は余裕があると感じることが多いです。

外資金融の世界でも最初は米系で働いて、最後にスイスの銀行で働くのが王道とも言われています。

日本にもプライベートバンクはある

スイスの銀行というとUBSなどを思い浮かべるかもしれません。UBSやクレディ・スイスなどは、日本の銀行に例えると三菱UFJに近いとも言われています。

UBSは投資銀行部門なども抱えています。また、三菱UFJやみずほ銀行などにもプライベートバンク部門もあり、日本の富裕層のお客様で利用している方もいます。

ほとんどの日本人は知らないのですが、ひっそりとあるのです。

富裕層に引っ張りだこ。スイスのプライベートバンクが安心の理由

これに対してスイスの老舗のプライベートバンクは、未だにプライベートバンク業のみで営業をしている銀行が多いです。

ロンバーオーディエ、ピクテなどは老舗のプライベートバンクだと言えます。

お客様から資金を預かり、その資金を保全し、運用をするというビジネスモデルを数百年間継続し続けています。

また、お客様からお預かりする資金は一般に銀行のバランスシートに載っておらず、別の管理となります。

これに対して商業銀行、投資銀行などを抱えた大きな金融機関の場合、別の部署がリスクのある取引をしています。例えば、預金がバランスシート上に掲載され、貸し出しに出されている場合もあるのです。

そうした意味でも、資産の保全にはスイスのモデルの方が安心安全です。預金の保護も日本と同等以上のものがあります。

Next: 富裕層はどう活用?レバレッジをかけないスイススタイルとは



レバレッジはかけない。スイス「プライベートバンク」の流儀とは

また、創業家などが無限責任のパートナーシップで事業を継続している場合もあります。

例えば、スイスのボルディエバンクのシンガポールのオフィスにはファミリーツリーがあって、創業者の子息が事業継承をして引き継ぎ続けています。

最後にポートフォリオが保守的です。スイスのプライベートバンクの中にはレバレッジをかけたポートフォリオを嫌う銀行も多いです。

もちろん現在のような低金利の環境下ではお客様の希望によりレバレッジをかけて配当をふくらませる場合もあります。

しかし、顧客の資金が少ないのに無理をさせて資金を拡大させるという案内はしません。不必要にリスクを取ってまでリターンを追求する必要はないと考えるからです。

レバレッジをかけると、市場がクラッシュした際にマージンコールがかかり、期日前に追加で担保を差し入れないと強制決済がかかるリスクもあります。

スイススタイルは、一般にレバレッジをかけずにインカムとキャピタルのバランスを追求します。

顧客の希望によって配当や利息で生活をしたいという場合は配当が多い世界のテレコム系の株を選択したり、債券で固定利息を追求するなども考えられます。

富裕層たちはどう活用している?

日本の証券会社を利用する場合、毎月分配型投資信託をおすすめされる場合も多いようです。

しかし数年で顧客の資産の時価が3/4などに目減りしているケースも見たことがあります。元本を削って利息を出しているファンドも多いからです。

シンガポールのプライベートバンクの場合、15年程度運用している人で元本は少し増えた状況で、レバレッジをかけて配当が10%以上出続けているという人もいます。

例えば、2億円の資金が少し増えて、配当は2,000万円程度を継続して出し続けているなどです。運用だけで生活をしているという富裕層もたくさんいます。

スイスだともう少し保守的にレバレッジをかけずに7~8%を目指すスタイルです。顧客の希望によってはレバレッジをかけることも可能です。

Next: プロに運用を任せるときにハマる落とし穴とは?



プロに運用を任せるときにハマる落とし穴

さて、金融機関に運用をお願いする場合、次の落とし穴があります。

まずは隠れたコストです。仕組債、保険など手数料が表立って見えないものの、手数料が内蔵されている金融商品も多いです。

また、債券など相対取引の場合、プライスに乗せられたスプレッドという手数料のようなものが見えにくくなります。

さらにインハウスの商品を推奨する金融機関も多いです。同じ会社、もしくは系列会社が運用している投資信託、もしくはタイアップ商品を推奨するなどです。

落とし穴はほかにもあります。次に――

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・担当者の力量を判断する方法
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image by:Samuel Borges Photography / Shutterstock.com

花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』(2021年2月26日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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