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日本株のバーゲンセールに乗り遅れるな。FRBが躊躇しても「民間版テーパリング」で祭りの予感=藤井まり子

夏から秋にかけてのグローバル株式市場では、「一大波乱」が予想されます。10%前後の大幅調整かそれ以上の「波乱」になるでしょう。日本株のバーゲンセールが始まっています。秋には、内外ともに「大バーゲンセール」が始まることでしょう。ビックチャンスが到来すると予想します。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

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※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2021年7月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

夏から秋にかけて、内外の株式市場は「大波乱」へ

夏から秋にかけて「波乱」が予想されます。アメリカ株式市場およびグローバルな株式市場では、10%前後か、それ以上の大幅調整が予想されます。

それでも、私は「30%以上の下落をするバブル崩壊」は起こらないと見ています。そして、秋には、内外ともに「大バーゲンセール」が始まることでしょう。ビックチャンスが到来すると予想します。

すでにアメリカではインフレが火を噴き始めています。FRBは早急に手を打たなければならない場面です。

7月28日~29日のFOMCでは、おそらくパウエルFRBは市場期待を裏切って、「テーパリング発表」を「前倒し」してくることでしょう。もしくは、どんなに遅くても「8月末日のジャクソンホールまでにテーパリングを発表する」ことでしょう。

7月末日、アメリカ株式市場では再び「一時的な混乱(2~3%程度の調整?)」が巻き起こって、日本の日経平均はさらに「翻弄される」可能性があります。

ところが、今のパウエルFRBは、「ピークを打つ成長率」と「いっそう燃えさかるインフレ」との間で「難しい選択」を迫られています。もしかすると、パウエルFRBは、「高めのインフレは一過性」の「デタラメなマントラ」を唱え続けて、目先の市場期待に応えて、「燃えさかるインフレ」を放置、この夏のテーパリングをためらうかも知れません。

もし、この夏、パウエルFRBがためらうようならば、「FRBのテーパリング」に取って代わって、この夏、「民間版のテーパリング」が巻き起こることでしょう。

そうなれば、マーケットは大波乱となることでしょう。

この夏、「FRBが市場期待を裏切ってでも早期テーパリング」の前倒しを発表するのか?それとも、この夏、FRBに取って代わって「民間版テーパリング」が巻き起きるのか?

夏から秋にかけてのグローバル株式市場では、「一大波乱」が予想されます。10%前後の大幅調整かそれ以上の「波乱」になるでしょう。

日本株のバーゲンセールがはじまる?

山っ気のある人は、この夏、日経平均が2万7,500円あたりまで下落してPERが14.0倍を切るたびに、すなわち日経平均がバーゲンセールになるたびに、日経平均を買い支えるのもアリかもしれません。それでも、この夏は、日経平均を長く保有してはいけないかもしれません。

日本の政治経済は、先進国では無くなって、「元先進国」に落ちぶれつつあります。TOPIXはもしかするとひょっとすると長期保有には向かなくなっているかも知れません。

次のグローバル規模での「リスクオン局面」が訪れた時は、ドル円は1ドル120円に向かって穏やかに上昇してゆくものと予想されます。このとき日本経済は「最後の輝き(?)」を放つことでしょう。

内外のマーケットが勢いよく上昇に転じるのは、すなわち「FRB内部に豚積みされた巨大マネー」が勢いよく再び市場に流れ出るのは、おそらく11月以降(?)でしょう。

2021年末の株価目標は、以下と予想します。

S&P500:2,500ポイント
ダウ平均:3万5,000~3万6,000ドル
日経平均:3万円

この根拠について、詳しく解説いきます。

Next: この夏、FRBは市場期待を裏切ってテーパリングを開始できるか?



FRBは市場期待を裏切ってテーパリングを開始できるか?

「楽観シナリオ」に狂いが生じ始めています。

夏から秋にかけて「波乱」が予想されます。アメリカ株式市場およびグローバルな株式市場では、10%前後か、それ以上の大幅調整が予想されます。

リスク許容度の低い人は、当メルマガでも以前からお伝えしたように、10%くらいポジションを圧縮しておくのがよいかもしれません。ただし、「ゼロポジション」にはしないほうがよいかもしれないと考えています。市場はものすごい勢いで乱高下します。次の上昇局面に乗り遅れたならば、目も当てられません。

調整を予想していますが、それは30%以上の下落をするバブル崩壊「ではない」と見ています(目下のところイールドカーブは健全で異常なし)。秋には、内外ともに大バーゲンセールが始まることでしょう。ビックチャンスが来るのではないでしょうか。

7月13日発表の「アメリカの6月の消費者物価指数」は、総合では前月比プラス0.9%、前年同月比プラス5.4%、コアでは前月比0.9%、前年同月比4.5%と、マーケット予想を大きく上回る上昇でした。

さらにさらに、翌日7月14日発表の「アメリカの6月の生産者物価指数」では、総合では前月比プラス1.0%、前年同月比プラス7.3%、コアでは前月比1.0%、前年同月比5.6%と、市場予想を大きく上回る、もっと驚くべき上昇率でした。生産者物価指数は一歩遅れて翌月の消費者物価指数に繁栄されます。

8月半ばに発表される「7月の消費者物価指数」は、おそらく前年同月比では総合で6~7%、コアで5%以上の上昇を示すことでしょう。アメリカではインフレが火を噴き始めているのです。

特に、アメリカでは住宅価格が前回のサブプライムバブル期を上回るバブル状態。この住宅価格の急騰を受けて、賃貸住宅の家賃価格が上昇、低所得者の暮らしが圧迫されています。家賃は一回値上げされると向こう1~2年は変更されることはありません。

FRBは早急に手を打たなければならない場面に来ています。

これほどの物価上昇を受けたならば、FRBはいつ君子豹変してもおかしくありません。いや、君子豹変しなければなりません。

7月28日~29日のFOMCでは、パウエルFRBは「少なくともMBA(住宅ローン債権)」についてはテーパリングを想定外に「前倒し」することを発表してくる可能性があります。あるいは、この日、「どんなに遅くても8月末日のジャクソンホールまでにテーパリングを発表する」ことを予告してくるかもです。

このとき、アメリカ株式市場では再び「一時的な混乱(2~3%程度の調整)」が巻き起きて、日本の日経平均はさらに「翻弄される」可能性があります。

楽観シナリオに変化

さて、アメリカは「集団免疫の形成」には失敗し始めた模様です。ここにきてアメリカでは、ワクチン摂取率が55%あたりで天井を打ち始めています。

「アフターコロナ」時代は当面訪れず、人類は向こう2~3年は「数々のコロナウィルス変異種と人類とのイタチごっこ」のような「ウィズコロナ」時代に甘んじることになるかもしれません。

アメリカ経済は力強い拡大基調にあるものの、その成長率は第2四半期(4−6月期)に頂点を付けています。今後の「ウィズコロナ」時代では、その成長率は穏やかにスローダウンしてゆくことが見込まれています。

アメリカの実質GDP成長率は、2021年の7.0%から2022年には3.3%へと減速して行くものと予想されています。

今のパウエルFRBは、「ピークを打つ成長率」と「いっそう燃えさかるインフレ」との間で「難しい選択」を迫られています。

もしかすると、パウエルFRBは、「高めのインフレは一過性」の「デタラメなマントラ」を唱え続けて、「目先の市場期待」に応えるかのように、「燃えさかるインフレ」を放置して、7月末日FOMCでのテーパリング発表や予告をためらうかも知れません。

「燃えさかるインフレ」を放置することは、兼ねてからお伝えしておりますように、いま現在進行形の株式ブームを短命化するリスクをはらみます。なぜならば、近い将来FRBは利上げに次ぐ利上げの「急ブレーキ」を踏まざるを得なくなり、株式ブームを弾けさせてしまうかもしれないからです。

Next: FRBに取って代わって「民間版テーパリング」が起こる?



FRBに取って代わって「民間版テーパリング」が起こる?

もし、この夏、パウエルFRBが7月末日のテーパリング発表をためらうようならば、「パウエルFRBのテーパリング」に取って代わって、この夏、「民間版のテーパリング」が巻き起こることでしょう。

「民間版のテーパリング」が起こるのか?折しも、FRBは6月FOMCで「リバースレポ・ファシリティー」に0.05%の付利を決定。すると、このファシリティーに、今では1兆ドル規模の短期マネーが短期金融市場から待避、FRB内部に豚積みされ始めています。

利にさとい金融のプロフェッショナルたちが、確実だとは言え、リスクテイクを控えて、わずか0.05%の付利を目当てに、毎日1兆ドル規模もの短期マネーをせっせと行ったり来たりさせてい
るという現実は、本当に驚愕すべきことです。

本来ならば、パウエルFRBは、市場期待を裏切ってでも7月28~29日のFOMCで唐突にテーパリングを発表しなければなりません。遅くても8月末日のジャクソンホールでテーパリングを発表すると予告しなければなりません。

しかしながら、もし、パウエルFRBが来たるべき7月末のFOMCでテーパリング発表をためらうようならば、ためらうパウエルFRBに代わって、民間部門がさっさと行動に打って出ることでしょう。

すなわち、民間部門がためらうことなくその「短期マネー」をさらにFRB内部へ待避、「豚積み」を積み増すことでしょう。

民間のじゃぶじゃぶマネーが「FRBのテーパリング」に代わって、市場メカニズムを通じて短期金融市場の金利を押し上げるわけです。かくして、この夏、「FRBのテーパリング」に取って代わって「民間版のテーパリング」と言うべき現象が起きそうなのです。

夏から秋にチャンス到来?日本市場に波乱が起こる

この夏、「FRBによる早期テーパリング」が始まるのか、「民間版のテーパリング」が起きるのか?夏から秋にかけてのグローバル株式市場では、「波乱」が巻き起こりそうです。

この夏から秋にかけて、10%前後の大幅調整かそれ以上の「波乱」は、近いでしょう。

繰り返しになりますが、山っ気のある人は、この夏、日経平均が2万7,500円あたりに下落してPERが14.0倍を切るたびに、すなわち日経平均がバーゲンセールになるたびに、日経平均を買い支えてもOKかもしれません。しかし、この夏は、日経平均を長く保有してはいけないかもです。

日本では、「国内政治の安定性」や「菅政権の求心力」が疑われています。日本の政治経済は「先進国のそれ」ではなくなりつつあります。日本は「元先進国」に落ちぶれつつあります。

この「認めがたい現実」に否応なく直面させてくれたのが、「求心力をすっかり失った菅政権」でしょう。

この夏から秋にかけて、日本株式市場は当面は「グローバルな市場の波乱」に翻弄され続けることでしょう。

救いは、与野党間で「バラまき合戦」が始まりそうなことです。自民党も野党に対抗して「30兆ドル以上の景気刺激策(ヘリマネ)」を準備している模様です。しかしながら、求心力を失った菅政権は老獪な日本財務省の反対を押し切って「30兆円規模のバラマキ」を実現させる実力が残っているのでしょうか?

Next: 2021年末、日本経済は「最後の最後の輝き」を放つ?



2021年末、日本経済は「最後の最後の輝き」を放つ?

次の大幅調整局面では、TOPIXは買い増すくらいならば、当面はその分だけVTを買いました方が良いかもしれません。しかしながら、次のグローバル規模での「リスクオン局面」が訪れた時は、ドル円は1ドル120円に向けて穏やかに上昇してゆくことでしょう。

このとき日本経済は「最後の最後の輝き(?)」を放つことでしょう。

ですから、次の大幅調整局面でTOPIXを買いますのか、それともVTを買いますのかについては、とてもとても迷うところ。

内外のマーケットが勢いよく上昇に転じるのは、すなわち「FRB内部に豚積みされた巨大マネー」が勢いよく再び市場に流れ出るのは、おそらく11月以降(?)でしょう。

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【要注意】資産形成および投資は、必ず「自己責任」でお願いします。この記事は藤井まり子の個人的見解を述べたもので、当メルマガ及び記事を読むことで何らかの経済的及び精神的被害を被ったとしても、当方は一切責任を負いません。

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2021年7月配信分
  • この夏「FRBのテイパリング」か?それともFRBに代わって「民間版テイパリング」が起こるのか?(7/16)
  • 夏から秋にかけて内外の株式市場は荒れ模様!~ばらまかれたヘリマネがFRB内部で豚積みされ始めた!~(7/13)
  • アメリカではばらまかれた巨大ヘリマネがFRB内部に豚積みされ始めた!~狂い始めた「楽観シナリオ」~(7/9)
  • 都議選で自公が想定外に苦戦!!!~秋の衆議院選では「大規模なばらまき戦」が始まってくれるのか♪?~(7/6)
  • 7月13日の「ミニ・テイパリングショック」には要注意!~今年9月~10月の市場は「大荒れ」?(7/2)

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image by:SFIO CRACHO / Shutterstock.com

藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』(2021年7月16日号)より一部抜粋、再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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