著名な投資家ジム・ロジャーズもレイ・ダリオも、今は債券に投資すべきではないと言っています。そんな中、日本人の金融資産の半分以上は預貯金で、30%弱が年金・保険になっています。資産の80%で間接的に日本の国債を保有しているとしたら、とんでもない利回りの低い商品に多くの割合を割いていると言っても過言ではありません。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)
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外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。
レイ・ダリオ「なぜこんな状況で債券を保有する?」
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。
もし今日、100ドルを投資し、日本の国債を買った場合、その100ドルが戻ってくるまでに何年待たなければならないでしょうか。
さて、皆さんは450年も待たなければならないうえに、ほとんど利息がつかなければ、その投資をしようと思うでしょうか。
アメリカのヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業に携わったレイ・ダリオ氏のリンクトインの投稿が話題になっています。
※参考:Why in the World Would You Own Bonds When…(2021年3月15日配信)
「このような状況で、なぜ債券を保有するのでしょうか?」
「今日、100ドルを投資した場合、100ドルが戻ってくるまで何年待たなければならないのでしょうか。米国債、欧州債、日本債、中国債の場合、投資家はお金が戻ってくるまで、それぞれ約42年、450年、150年、25年待たなければならず、その間、名目上のリターンは限りなくゼロになります。」
日本人の金融資産、半分以上が「預貯金」。間接的に日本国債を大量保有
しかし、日本人の金融資産の内訳を見ると、半分以上が預貯金、30%弱が年金・保険という形になっています。
※参考:日米の家計を比較!アメリカが圧勝なのは、なぜ? | 投資信託コラム | 投資信託 | オリックス銀行(2020年10月27日配信)
預貯金、年金・保険がポートフォリオの80%で間接的に日本の国債を保有しているとしたら、とんでもない利回りの低い商品に多くの割合を割いていると言っても過言ではありません。
「安全だと思っていた物が実はそんなに安全ではなかった」そのようなことはよくあるものです。
現に今年の為替レートを見ると、円は様々な通貨に対して弱くなっています。円で保有したままだと世界で買える物がどんどん少なくなるということです。
金利上昇等によって債券価格が大幅に下落するようなことがあれば、債券保有者は大きな損失を被る可能性があります。そして売られ始めたら、売りが売りを呼ぶということは承知の通りでしょう。
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