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中国「恒大集団」破綻危機はリーマンショック級の大問題。習近平が見捨てれば日米株価に激震走る=今市太郎

中国の不動産開発大手「恒大集団」が破綻危機にあり、リーマン・ショック級の大問題となる可能性が出てきました。しかし、なぜか金融市場ではあまり話題になっていないことが不思議でなりません。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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バイデン政権で中国リスクは落ち着いた?

数年前チャイナショックで元安が進んだ時には、金融市場は大騒ぎで、とくに為替はこの影響を受けて大きくドル円が下落するなどの動きに直面したものです。

またトランプが大統領に就任してからは連日、中国と貿易交渉を巡ってやり合う姿や発言のツイートが登場し、その都度、アルゴリズムが反応して連日相場の乱高下の材料になったものでした。

しかし、バイデン政権になってからは、それなりに中国と渡り合う姿が見られたものの、トランプ政権時代と比べれば圧倒的に情報が少なく、相場もそれにならされるように中国ネタで動くことは極めて少なくなりつつあります。

そんな中で今、中国国内で大問題になろうとしているのが、大手不動産ディベロッパーである「恒大集団」の破綻危機です。

負債総額30兆円を超える超リスク不動産企業

恒大集団は、1996年に設立された企業で、中国の不動産価格の上昇とともに大きく成長してきました。

日本で言うならば往年のダイエーのように、借金をしては不動産投資を行い、中国各地で高層アパートの販売に勤しみ、それで得られた利益をさらに再投資するという典型的な高度成長依存の借金雪だるま型の経営を行ってきた企業といえます。

この手のバブル系企業は、お決まりの多角経営に乗り出すもの。同社の場合もその枠組みを踏襲しており、テーマパークからプロサッカーチーム、ミネラルウォーター、電気自動車開発まで幅広い領域に手をだしています。

しかし、こういったビジネス収益の基本は、借金をして手に入れた不動産価格の上昇に依存しています。

そのため、マンション価格が大幅に下落する中にあっては、資産も収益もがた減りで、株価はすでにピーク時から85%下落、なんの価値もなくなって暴落する仮想通貨のような状況に陥っています。

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習近平が見捨てればデフォルト一直線、中国版リーマン・ショック発生か

これまで中国の企業、とくに不動産系などについては、破綻が起きても中国国内の問題として済まされてきました。

また、現実にはほとんどの負債を抱えた企業も中国政府が融資をしたり救済したりすることで、決定的なデフォルトを回避するような動きが見られたものです。

しかし、どうも足もとでの民間企業の粛清は、これまでにないほど厳しそうな状況。

そうでなくても、IT系企業は驚くべき規制をかけられるようになっていますから、もはや小手先の計画的な経済成長など、どうでもいいような動きが加速していることが非常に気になるところです。

中国経済のことですから詳細はわかりませんが、恒大集団が完全にデフォルトとなれば、海外から投資してきた向きにも、相当な被害が出ることは間違いなさそうです。

ジョージ・ソロスも中国経済に危機感

果たして米国を中心とした西側の市場に、どれだけの影響を与えるのか。非常に注目される状況になりつつあります。

直近では、ジョージ・ソロスも中国の状況を危惧するようなコメントを出し始めています。

このまま問題がより顕在化すると、いきなりアルゴリズムやAIが材料視することで、相場下落の大きな材料になることも考えられます。

それだけに、ここからの恒大集団の動向はつぶさにチェックしておく必要がありそうです。

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今市太郎の戦略的FX投資』(2021年9月8日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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