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まさかのウクライナ侵攻で日銀「物価目標2%」達成へ。黒田総裁は利上げに踏み切るか?=今市太郎

ロシアのまさかのウクライナ侵攻で、原油価格を筆頭に物価が確実に上昇しています。このままだと日銀の目標達成が見えてきて、逃げ切り体制だった黒田総裁も出口戦略について市場に語らないといけない状況になりそうです。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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ウクライナ侵攻で原油高騰、日銀「実質インフレ率2%」達成が見えてきた

ロシアのまさかのウクライナ侵攻、そして西側諸国の厳しい制裁が決定され、原油価格は確実に上昇軌道を描いています。WTIの先物はすでに100ドルを超える状況で、さらに上昇が常態化する恐れも出始めています。

ゴールドマンサックスはここから1か月以内に1バレル115ドルになるとも予想しており、100ドルが節目で上限になる気配はまったくありません。

こうなると気になるのが、日銀が8年近く緩和措置の大義名分として掲げている実質インフレ率2%達成の問題です。

この目標達成、当初は掲げてから2年以内に達成できなければ辞任するなどという勇ましいことを口にした副総裁もいました。しかし結局、達成できていなくても誰も責任を取っていません。

そしてとうとう「黒田総裁の在任期間いっぱい」これを目標としてズルズルと量的緩和を継続して逃げ切りをはかるように見えました。

しかし、思わぬロシアのウクライナ侵攻と、その後の様々なロシアへの制裁は、結果的にますます原油と天然ガスの価格を上昇させる大きな要因となっています。

すっとぼけて緩和継続か、終了か

この間、黒田総裁はすでに回顧録も執筆しはじめており、辞める気満々。本来なら、この2%目標が達成してしまう前に、前倒しで辞任してしまいたいのではないか?と思う次第です。

しかし残念ながら、今回のロシアの暴挙の結果、原油価格が大幅上昇。念願(?)の実質インフレ率2%を達成してしまいそうな気配が強まっています。

とはいえ、これを瞬間的に達成してしまった場合には、「年間での達成が目標」といった方便も飛び出して当面無視するのかも知れません。

しかしながら常態的に2%を超えることとなった場合には、シカトだなどと無視しているわけにはいかない状況に追い込まれそうです。

Next: 市場で飛び交う緩和終了の憶測。日銀は答えるべき時期が来た



市場で飛び交う憶測に日銀は答えるべき時期が来た

市場では、すでに日銀が2023年3月までに利上げを行い、マイナス金利が解消するのではないかという憶測が飛び交い、実際、国債金利は上昇を始めています。

一部の米系金融機関は今年10月にもマイナス金利解消ではないかといった、かなり前倒し感のある見通しを出し始めていますが、果たしてどうなるのか?

市場は俄然、注目しそうな状況です。

財務省・金融庁・日本銀行は28日午前、国際的な金融市場の動向について意見交換する3者会合を財務省内で開いた様子。

実質インフレ率が恒常的に2%を超えたときに、8年続けてきた日銀の量的緩和と金融抑圧政策と財政ファイナンスを、どう終焉させるのか。

いよいよ世間にも知らしめなくてはならないタイミングが近づいているのではないでしょうか。

日銀が利上げの素振りを見せれば為替ではドル円が一方的に上昇する時間が終焉を迎えることになり、きわめて重要なアクティビティになります。

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  • 3月1日ロンドンタイムショートコメント(3/1)
  • 原油価格暴騰で国内実質インフレ率2%を超えると日銀は緩和措置を終了するのか(3/1)

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image by:Asian Development Bank Wikimedia Commons [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

今市太郎の戦略的FX投資』(2022年3月1日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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