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1ドル140円到達は近い。イエレン米財務長官の訪日ではっきりした為替介入など一切やらないという事実=今市太郎

イエレン米財務長官が来日し、黒田東彦日銀総裁・鈴木俊一財務相とそれぞれ会談を行いました。結果的には、安定の「為替介入否定」発言が出たことから、いよいよドル円が上方向にぶちあがるタイミングが近づいたようです。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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イエレン米財務長官が訪日、鈴木俊一財務相と会談

7月11日、予定を1日早めて前乗りし、安倍元首相の葬儀にも参列したイエレン財務長官は、12日に財務省内でおよそ1時間半に渡って鈴木俊一財務相と会談しています。

事前には日米で円安についてなんらかの制圧コメントが出るのではないか?という、まったく見当違いの期待も出回っていたようです。

結果的には、安定の「為替介入否定」発言が出たことから、いよいよドル円が上方向にぶちあがるタイミングが近づいたようです。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

はなからイエレンは日米協調介入する意思などまったくないし、単独介入も許さない

もともとクリントン政権以来、日本の自民党政権大嫌いの伝統が培われている米国の民主党。バイデン政権でも、それに対するブレはまったくないようです。

会談後の声明では、為替に関しては「ロシアの侵略による経済的な影響が為替相場の変動を高め、経済と金融の安定に悪影響を与えうる」という内容が日本側のたっての希望でようやく織り込まれました。しかし実際には、会談で為替介入に関する議論はまったくなかったようです。

ロイター通信などの報道によるとイエレンは会談後、記者団に対し、為替介入について「まれで例外的な状況でしか正当化されない」ときっぱり言い切って、まったく日本の当局がつけ入る隙を与えていません。協調介入はおろか、日本だけが単独介入することも、よほどのことがないかぎり認めない姿勢を改めて鮮明にしています。

黒田日銀総裁とも会談。緩和継続を要請か

報道ではこの両財務相会談がクローズアップされていますが、実はイエレンは、この会談に先立ち、日銀の黒田総裁とも会談を行っています。

その内容は見事なほどに開示されていませんが、米国バイデン政権が11月に中間選挙を控えているなかで、インフレ対策はまったくうまくいっておらず、ドル高は選挙まで重要な対策として維持しておきたいのが正直なところでしょう。

日銀が主要国ではただ一行継続している金融緩和についても、世界の金融市場の流動性を確保するためにはそのまま続けることが望ましいと考えているようで、イエレンはその旨を黒田総裁に要請した可能性が高まるところです。

そもそもこの日銀の緩和継続は、米国政府からの強い依頼があってやめることができない……といった見方も出ていたくらいですから、黒田総裁が確信犯的に緩和を継続する姿勢が強まっているのも、こうした米国の支えがあるからなのかも知れません。

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21日「日銀政策決定会合」の結果発表を受けてドル円は140円必達か

こうなるとドル円はさらに140円に向けての発射台が完全に準備された状況で、いよいよ21日の日銀政策に注目が集まることになります。

恐らくこの状況下では日銀は一切政策を変更することはなさそうで、YCC(イールドカーブ・コントロール)の上限金利すら動かす可能性はないものと思われます。

政策変更なしの発表後、黒田総裁がまた会見に現れて「何かあれば躊躇なく追加緩和実施」などとダメ押し発言をすれば、すかさずドル円は上昇することとなり、今度こそ1ドル=140円を突き抜ける可能性が極めて高くなりそうです。

21日までにはまだ7営業日ほどありますが、その間に相場が調整下落するようなことがあれば、下値でしっかり拾っておくことが重要です。

恐らくこれが7月の最大上昇タイミングになるものと思われ、その後はFOMCを経て8月のさらなる調整相場に突入することが予想されます。

このシナリオが現実になるならば、今月のドル円では最高の利益にありつけるチャンスになるかも知れません。

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  • イエレン・鈴木財務相の会談ではっきりした為替介入など一切やらないという事実(7/14)
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  • 8月26日ロンドンタイムショートコメント(7/4)
  • 7月1日ロンドンタイムショートコメント(7/1)
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今市太郎の戦略的FX投資』(2022年7月14日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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