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「ウマい投資話にダマされる人」5つの特徴。詐欺師の手口いろいろ=俣野成敏

他人をダマす人のことを詐欺師といいますが、詐欺師とは「総じていい人」だからこそ、容易にダマされてしまうのです。そうはいっても、よく見ればやはりダマす人間に共通して見られる特徴というものはあります。ここではダマす人、ダマされる人双方の特徴をつかんでおくことにしましょう。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任する。2012年の独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、マネープランの実現にコミットしたマネースクールを共催。自らの経験を書にした『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、『トップ1%の人だけが知っている』(日本経済新聞出版社)のシリーズが10万部超えに。著作累計は44万部。ビジネス誌の掲載実績多数。『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも数多く寄稿。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』を3年連続で受賞している。

※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2016年12月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

投資詐欺を見破れ!ダマす人・ダマされる人それぞれの特徴とは?

ダマす人の特徴

投資とは、一般に運用者、資金の管理者、販売者がいて、場合によってはさらに紹介者が間に入ります。詐欺は全員がグルの場合もあれば、誰かが詐欺を働き、他の人はそれに気づいていない場合など、いくつかのパターンがあります。

自分自身もダマされていると知らずに、他人に紹介してしまう場合を除き、詐欺案件だとわかっていながら商品を他人に紹介する人間には、だいたい以下のような特徴が見られます。

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(1)多くの人が持つ欲求を刺激するような文言で誘いかける
「簡単に儲かります」「これで人生が変わりました」「次はあなたの番です」といったような誘い文句で相手の注意を引きます。

(2)数量や期限を区切って購買意欲を刺激する
相手に考えさせずに「今、申し込まなきゃ」と思わせる手口です。

(3)札束の写真を掲載したり、成功事例を誇示する
羽振りのいい様子を見せて、投資家を募る手法です。

(4)良心的な業者を装う
多くの人が、紹介者の人柄を見て「こんないい人がダマすはずがない」「この人なら信じられる」と思い込んでダマされます。

(5)曖昧で実態のない話をする
多くの場合、裏付けの話はせずに、「これだけ儲かります」「何%の利回りが期待できます」といった話に終始します。

…いかがでしょうか? こうした特徴に共通していえることとして、詐欺師は多くの人が抱いている「どこかに起死回生の策があって、それを見つければ自分も成功できるのではないか」という幻想を焚きつけているということです。相手はこちらの深層心理をうまく突いてきます。

ダマされる人の特徴

続いて、概ねダマされる人に見られる特徴を挙げておきます。決して「ここに当てはまらなければ大丈夫」というわけでもありませんが、ご覧の通り、おそらく誰でも1個や2個は当てはまるのではないでしょうか。つまり「自分もいつ詐欺に遭うかわからない」という心構えが必要ということです。

(1)ゆとりがない
時間的、心理的に余裕がない人は、深く考えることができずにダマされやすくなります。

(2)寂しさや不安を抱えている
「何かで心の隙間を埋めたい」「安心したい」という思いを、詐欺師に突かれてダマされます。

(3)「ダマされた」という事実を認めたがらない
このタイプの人は、ダマされた分を取り返そうとして、余計傷口を広げてしまいがちです。

(4)「自分はダマされない」という思い込みがある
他の分野で成功している人は、その成功法則を投資の世界にも持ち込んでしまい、ダマされてしまうことが多々あります。

(5)「今回はたまたまニセモノに引っかかってしまったが、ホンモノは他にある」と信じている
「一発逆転」願望の強い人の多くが持っている考え方です。

…いかがでしょうか? ダマされるパターンとは、大抵が「知人や知人を介しての紹介」という案件です。「自分が信頼している人からの紹介」となると、どうしても仲介してくれた人の信用を基準に話を聞いてしまうのです。けれど実際には、知人もダマされているパターンが多いことは、先にもお伝えした通りです。

Next: 複雑そうに見えてシンプル。投資詐欺の手口は基本的に2種類しかない



投資詐欺の手口は基本的に2種類しかない

投資は通常、「ファンド」形式で行われます。ファンドとは、ある目的に沿って複数の人がお金を出し合うことをいいます。

投資金の募集方法には、主に「公募(こうぼ)」と「私募(しぼ)」の2つがあります。詳しくは、Vol.7「ちょっと待った!投資信託」などをご覧いただければと思いますが、簡単にいいますと、公募とは広く世間に投資家を募ることであり、私募とは50人未満の投資家を対象とした案件の募集方法のことを指します。

私募は一定の要件を満たすと金融庁への届け出が免除されるため、コストが安く済むという利点がある反面、チェックが入らないために詐欺の温床となりやすい一面があります。

一般に、投資詐欺とは法の網をかいくぐって犯行が行われるものですが、どんなに複雑に見える案件であっても、結局のところ、大別すると2種類だけになります。

「最初からダマすつもり」のパターン

投資詐欺のひとつ目とは、相手が「最初からダマす気で勧誘してくる」パターンのことです。この場合、案件を組成すらしておらず、「もとから実体がない」ということになります。俗にいう「ポンジ・スキーム」と呼ばれるもので、その内情は「自転車操業」であり、破綻することが前提になっています。

このパターンの典型は、2008年にアメリカで起こったバーナード・メイドフ詐欺事件です。
https://www.mag2.com/p/money/15180/2

最初からお金を投資に回すことなく、お金を集めるだけ集めて高飛びすることが真の目的です。集めたお金は、より多くのお金を集めるための宣伝広告費や、投資家からもっと多くを引き出すための、配当金として使用されます。

投資がスタートしたばかりの頃というのは、誰もが用心して少額から始めるのが普通です。最初のうちは恐る恐るやっていても、ある程度の期間、きちんと配当があると、投資家は安心して「これだけリターンが入るなら」と増額しますが、詐欺師はそこを狙っているのです。

このパターンは、最初からダマすつもりでいるため、詐欺師も規制の厳しい分野には、はなから手を出しません。ですから、彼らが利用するのは「私募」「規制の緩いオフショア等の海外」などであり、最近、ターゲットとなっているのが「仮想通貨」です。まだ、こういった法整備のされていないものであれば、民事裁判に訴えても違法だということを立証できなかったり、時には逮捕要員まで準備するといった周到さです。

Next: もうひとつの投資詐欺「最初は真面目にやるつもりだった」パターン



一応、「最初は真面目にやるつもりだった」パターン

もうひとつの投資詐欺とは、「ダメ案件」ということです。この場合だと、最初はきちんと投資を運用する気でいたけれど、途中でやる気をなくしてしまったり、商品の設計ミスで行き詰まったり、トラブルや身内に裏切り者がいたことなどが原因で破綻するなど、原因は多岐に渡ります。

いずれにしても自分たちの失敗をおおい隠すためにウソにウソを重ねた挙句、最終的に破綻に至るパターンです。

こちらの典型が、今年になって発覚したワイン投資詐欺です。
https://www.mag2.com/p/money/15180/3

これは、一概に故意とはいえない場合もありますが、やはり巻き込まれたくはないものです。こうしたダメ案件を見分けるひとつの方法としては、「運営者が過去にどういうビジネスをしていたのか?」を調べることが挙げられます。

もし、運用者がマルチにビジネスをしているのであれば、「他のビジネスが成功しているのか?」を確認してみるのも参考になります。本業がうまくいっていないのに、投資だけがうまくいくというのもおかしな話ですから。また、運用者全員が片手間にやっているような案件は、失敗しやすい傾向があります。投資対象に詳しい専門家がチームにいないような案件も危険です。
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【2016年12月15日号 Vol.29『ブラックファイナンス』目次】

〔1〕イントロ:
「あなたは、どのリスクを取りますか?」

〔2〕本文:
ブラックファイナンスって何?
~投資をする上で避けて通れない騙しの手口~

1、ブラックファイナンスとは何か?
◎「ブラックファイナンス」に込めた意味
◎人は「避け方を知らない限り、いずれどこかで事故に遭う」

2、ダマす人/ダマされる人の特徴とは?
◎ダマす人の特徴
◎ダマされる人の特徴

3、投資詐欺は基本的に2種類しかない
◎「最初からダマすつもり」のパターン
◎一応、「最初は真面目にやるつもりだった」パターン

4、詐欺を避けるには、どうすればいいのか?
◎「信用リスク」は多方面にわたる
◎事業リスクとは「投資対象の成功確率」

5、契約する際に注意すべき点とは?
◎契約書や契約形態の確認
◎事業実体の確認
◎過去の運用実績等の確認

6、ブラックファイナンス実例編
◎海外では「銀行=手堅い」とは限らない
◎「手厚い保障」が詐欺をカモフラージュ

7、「投資」とは人生に通ずるもの

★本日のワンポイントアドバイス☆★
誰でも簡単にその場でできる詐欺を見分ける方法3項目

〔3〕次回予告(予定):
持つべきものはやっぱり資格?!
~絶対に損しない資格取得の方法とは~

〔4〕書籍のご紹介:
もし、部下と顧客がやりあっている現場を見つけたら?!

〔5〕今週のQ&Aコーナー:
ダマされた投資金ってどうやって回収すればいいの?

〔6〕今週の気になるトピックス:
1、「ネット時代の先導者」のはずが…
2、これで日本はギャンブル中毒が続出する?!

〔7〕編集後記:
【年始スペシャル企画】年明けにMBさんと対談します!


※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2016年12月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』(2016年12月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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