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まさかの北朝鮮も? 海外不動産のプロが狙う「次のフロンティア」新興国投資(完)=俣野成敏

今回は「新興国投資」特集の最終回をお送りします。これまで2回に渡って、日本からも熱い視線を送られているフィリピン・ダバオの事例をもとに、新興国投資の成功法則や考え方現地に根を下ろして情報を掴む方法などについてお話してきました。今回はそれを総括しつつ「ポストダバオ」を考えたいと思います。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任する。2012年の独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、マネープランの実現にコミットしたマネースクールを共催。自らの経験を書にした『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、『トップ1%の人だけが知っている』(日本経済新聞出版社)のシリーズが10万部超えに。著作累計は44万部。ビジネス誌の掲載実績多数。『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも数多く寄稿。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』を3年連続で受賞している。

※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2017年11月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

フィリピンの次を狙え。ハイリターンを実現する新興国投資(完)

「アジアのトランプ」ドゥテルテ大統領の意外な一面?

ドゥテルテ氏の今回の訪日では、天皇・皇后両陛下との会見が実現しています。前回の来日時は、天皇家に不幸があったため、直前に取りやめとなっていました。「剛腕」ドゥテルテ氏が、天皇との対面当初には緊張した面持ちも見られたようです。会談は終始、和やかな雰囲気の中で行われ、日本の占領時代のことに話が及ぶと、氏は「両国は川の流れのように過去を乗り越え、今日の協力関係を築いてきました」と述べたということです。

もっぱら「暴言」のイメージが強いドゥテルテ氏ですが、その一方で、懐の広い一面も持ち合わせているように思います。昨年11月には、20年以上にわたってフィリピンの独裁者として君臨した元大統領・マルコス氏の遺体が、遺族の希望に沿って英雄墓地に葬られています。

マルコス氏は、1965年に同国の大統領に就任後、経済開発やアメリカとの同盟関係を強化する一方、全土に戒厳令を敷き、多くの反対派を弾圧しています。86年、市民革命で失脚後はハワイに亡命、当地で客死しました。遺族は再三、遺体を英雄墓地に埋葬するよう要請してきましたが、歴代大統領は拒否。マルコス氏に弾圧された市民やその家族からの反対を恐れてのことです。

ドゥテルテ氏は、まだ大統領選の最中から、マルコス氏の遺体を英雄墓地に葬る方針を表明。「人は誰もが間違いを犯す。我々は和解する時ではないか」と国民に呼びかけました。「これで憎しみを1つ減らせる」と。ドゥテルテ氏は葬った理由を「父親がマルコス政権時代に閣僚として働いていたことがあるから」だとしています。

これらのエピソードからは、「暴言を吐く一方で義理堅い」「検察官出身でありながら、超法規的手段を取ることも辞さない」「犯罪には厳格に対峙するが、過ぎたことは水に流す」という、ドゥテルテ氏の相反する複雑な性質が見て取れるのではないでしょうか。

ドゥテルテ氏 直筆の石碑

今回は「新興国投資」特集の最終回をお送りします。これまで2回に渡って、日本からも熱い視線を送られているフィリピン・ダバオを事例に、新興国投資の成功法則や考え方現地に根を下ろして情報を掴む方法などについてお話してきました。今回は、新興国投資の総括に入りたいと思います。

私が運営しているマネースクールでは、この地で日本人の不動産業者として、もっとも早くダバオ入りしたチームへのインタビューに成功しました。この特集は、現地での取材をもとに執筆しています。

※本特集はインタビュー形式にてお届けします(ダバオチーム:DTと表記)

1. これからの新興国投資

まずは最初に、東南アジアのこれまでの歩みをざっと見てから、将来的に「ポストダバオはどこになるのか?」についてお伺いすることにしましょう。

Next: 海外不動産投資の第一人者が明かす「伸びる新興国」の条件



【先進国が停滞する中で、新興国は成長し続けられるのか?】

俣野:それでは、今週もよろしくお願いします。皆さんにご協力いただいたおかげで、読者の方に良い内容をお届けすることができ、大変感謝しています。

ここまでの2週で、著しく成長しているフィリピンの現状や可能性などをお話してきました。その一方で、日本や先進国の現状を見てみますと、景気自体は悪くないにもかかわらず、賃金が増えずに手詰まり感があるような気もします。
※参考:好景気でも増えぬ賃金 先進国、広がる停滞 – 日本経済新聞

かつて、日本の成長期はちょうど世界も成長していた時期に当たっており、今とは状況が違うようにも思います。そうした環境が、新興国に与える影響についてどう思われますか? 世界が停滞している中でも、新興国は成長し続けられるものなのでしょうか?

DT:確かに、日本経済の成長期は、第二次世界大戦後の復興期と重なっていました。だからと言って、世界中がいつでも好景気に湧いていたのかと言えば、そういうワケではなかったと思いますよ。大戦終結直後から、冷戦という名の新たな戦争が始まり、オイルショック金本位制の崩壊中東戦争など、世界は常に混乱と収束を繰り返してきました。

戦前の東南アジアでは、長い植民地時代が続き、戦後はベトナムとインドネシアで独立戦争が勃発しました。資本主義陣営と社会主義陣営との戦いがここでも繰り広げられ、1976年にはベトナム社会主義共和国が誕生、カンボジアとラオスがこれに続きました。そうならなかった国でも、多様性に富んだ東南アジアではさまざまな問題が噴出し、混乱が続きました。

フィリピンに関して言うと、16世紀から始まったスペインの支配が400年近くも続いたため、大土地所有の風習が今も残っており、強固な既得層を形成しています。前出のマルコス氏の時代には権力の集中が行われ、強力なリーダーシップのもとに、既得権の切り崩しと国内の工業化が図られましたがうまくいかず、逆に氏の力にすがる新たな既得層が形成されました。

やがて独裁による弊害が強くなり、エドゥサ革命によってマルコス氏は退陣しました。しかし、コラソン・アキノ氏に始まる民主化もなかなか軌道に乗らず、国力は停滞を続けました。もともと、フィリピンは群島国家のため、植民地になる前は主たる統一国家を持たず、国としてまとまる機運に欠けていたところがありました。

長年にわたって、フィリピンでは国益の多くが国民に行き渡らず、汚職や腐敗が蔓延し、貧富の格差が犯罪を助長してきました。しかしここへきて、ようやく経済力向上のための努力が実を結びつつあります

俣野:混乱と収束を繰り返しながらも、「歩みを止めない限り前進できる」ということですね。

DT:現状では、強権的なドゥテルテ氏を「マルコス氏の再来」と牽制する見方も少なくはありません。依然、未知数の部分があるのも確かです。けれど、一市長に過ぎなかったドゥテルテ氏が、並み居るベテラン議員を破って大統領に当選したのは、「硬直化したフィリピン社会を変えて欲しい」という、国民の願いが託された結果だとも言えるのではないでしょうか。

Next: 「北朝鮮」という次のフロンティア。ポストダバオを求めて



【次なる「ポストダバオ」の地はどこか?】

俣野:続いて、気になる「第二の“ポストダバオ”はどこか?」ということをお伺いしたいのですが、いかがでしょうか?

DT:私の考えでは、北朝鮮ですね。私がダバオに注目するようになった経緯は、メルマガVol.74でお話した通りです。ダバオに匹敵するキャピタルゲインを狙うのであれば、やはり北朝鮮だと思います。ただし、超ハイリスク投資になるのは間違いありませんので、自分が実際に投資するのかどうかは、また別の話になりますが。

戦後の世界を大まかに言うと、「著しい成長を遂げた国」と「伸び悩んだ国」とに分かれました。同じアジアの中でも、比較的早く政治的方向がまとまり、経済成長を目指した国は復興も早まりましたが、社会主義国では資本主義陣営との戦いや国内での権力闘争、間違った政策などによって、復興の遅れや停滞が目立ちました。

それは、資本主義の制度が優れていたから、というよりは、社会主義国自体がある種の実験国家だったからでしょう。歴史の流れから言うのであれば、以後、おそらく北朝鮮は韓国と統一される日がくるのではないかと思います。もちろん、それがいつになるのかはわかりませんが。

俣野フィリピンは、ダバオ以外はダメなのでしょうか?

DT:場所にもよりますが、良いところもあるとは思いますよ。逆に「ダバオだったらどこでもいいのか?」と言えば、それもまた違います。同じダバオであっても、価格が上がる土地と上がらない土地があり、上がるにしても、緩やかな上昇をしていく土地もあれば、急激に上昇する土地もあります。

何がその違いを生むのかと言えば、やはり――

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海外投資でダマされないためのテクニック

【海外投資でもうダマされない!万能の質問とは?】

【ダマされないためには、相手よりも賢くなるしかない】

3. 「投資家とは、1つの職業である」

新興国への投資を検討してみよう~今週の宿題


※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2017年11月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文もすぐ読めます。

【関連】第一人者が明かす「フィリピン不動産投資」の成功法則と暴君ドゥテルテの真実~新興国投資(上)=俣野成敏

【関連】日本人が現地で恨まれず騙されず「フィリピン不動産」で儲けるための条件~新興国投資(中)=俣野成敏

【Vol.74】「新興国投資(下)」(11/2)目次】

〔1〕イントロ:
「アジアのトランプ」ドゥテルテ大統領の意外な一面?

〔2〕本文:
「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(下)
~失敗しない新興国投資とは?~

1. これからの新興国投資
 ◎先進国が停滞する中で、新興国は成長し続けられるのか?
 ◎次なる「ポストダバオ」の地はどこか?

2. 海外投資でダマされないためのテクニック
 ◎海外投資でもうダマされない!万能の質問とは?
 ◎ダマされないためには、相手よりも賢くなるしかない

3. 「投資家とは、1つの職業である」

★本日のワンポイントアドバイス☆★

☆今週の宿題★☆
新興国への投資を検討してみよう

〔3〕次回予告(予定):
「情報化社会でとびきりの情報を手に入れる!」
~情報の波に流されない方法とは?~

〔4〕ニュースのビジネス的着眼点:
いよいよAI台頭か? 銀行が「3万3000人リストラ検討中」と公表!

〔5〕編集後記:
「自社でもこれを取り入れられないか?」と考えるクセをつけよう!

〔6〕今後の特集スケジュール:
2017年11月予定

次回予告

来週の特集(予定)は、「情報化社会でとびきりの情報を手に入れる!」~情報の波に流されない方法とは?~です。ご期待ください!

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【Vol.74】『新興国投資(中)』目次(10/26)
イントロ:フィリピン経済を理解する上で外せない2つのキーワード
「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(中)~失敗しない新興国投資とは?~
1. 新興国投資の光と影
 ◎現地価格で土地を仕入れる究極の方法とは
 ◎現地の生情報を仕入れるのにもっとも適した商売から始める
2. 投資に「近道はない」
 ◎幸運は、“目の前にある”だけではつかめない
 ◎「ダバオの奇跡の成長」は、今始まったばかり
3. 日本人をもっともダマしているのは“日本人”
今週の宿題:自分は投資をする覚悟ができているかどうか?
今週のQ&Aコーナー:投資はやっぱり運次第?!
編集後記:マネースクール 全国展開に向けて始動!

【Vol.73】『新興国投資(上)』目次(10/19)
イントロ:好調な新興国に忍び寄るテロの脅威
「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(上)~失敗しない新興国投資とは?~
1. 新興国の投資神話は実在するのか?
 ◎ダバオの今の繁栄は、現大統領のコネのおかげ?
 ◎新興国で20倍の儲けが出た“究極の投資術”とは?
2. 新興国投資の現実を知る
 ◎「土地が上がる」筋書きはあらかじめ用意されている?!
 ◎やはり投資初心者に海外投資は高嶺の花?
3. どんなに長い戦争も、やがて終わる
今週の宿題:自分の理想とする投資を考えてみよう
ニュースのビジネス的着眼点:ドラッカー博士は「副業・兼業時代がくる」ことを予言していた!
編集後記:ミンダナオ島より最新ニュース!

【Vol.72】『リタイヤ論(下)』目次(10/12)
イントロ:キヨサキ氏の言う「速くお金持ちになる方法」とは?
「人類未曾有の超高齢化社会の行く末とは?」(下)~少子高齢化時代の「リタイヤ」を考える
1. 日本の未来を見据える
 ◎年金を当てにしてはいけない理由
 ◎考えられる日本の「現実的な未来」
2. 既定の未来を変える方法
 ◎老後破産を防ぐための4ステップ
 ◎具体的な一歩を踏み出す
3. 選ぶのは「あなた自身」
今週の宿題:自分の老後について思いを巡らせてみよう
今週のQ&Aコーナー:今さらだけど、「投資で成功する方法」って?
ニュースのビジネス的着眼点:ついに仮想通貨取引所が正式認可!
編集後記:私が考える「究極の老後対策」

【Vol.71】『リタイヤ論(中)』目次(10/5)
イントロ:「念願叶ってリタイヤした後」の先にあるものとは?
「人類未曾有の超高齢化社会の行く末とは?」(中)~少子高齢化時代の「リタイヤ」を考える
1. リタイヤは「バラ色の世界ではない」
 ◎理想のリタイヤをするには、「計画と実行」が不可欠
 ◎ハメを外しすぎたツケは後に回ってくる
2. それでも早期リタイヤをしたい人は
 ◎まずは「可処分時間を意識する」ことから始めよう
 ◎目的のないリタイヤでは「路頭に迷う」
3. 早期リタイヤの近道とは「サラリーマンをやり尽くす」こと
今週の宿題:「自分の老後はいつなのか?」を考えてみよう
今週のQ&Aコーナー:投資のリスクを回避する方法って?
ニュースのビジネス的着眼点:変わりつつある「日本の常識」
編集後記:当マネースクールにも通ずる古典の名作がアンリミテッドで読み放題!

【関連】ビットコイン版「バブルの物語」いつか死ぬまで踊り続ける覚悟はあるか?=鈴木傾城

【関連】「海外銀行口座」開設への道~いま日本人であること、国外に資産を置くということ=俣野成敏

【関連】マレーシア第2の都市・ジョホールバルが「廃墟化」するこれだけの理由=午堂登紀雄

俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』(2017年11月2日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
image by:lebedev / Shutterstock.com

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