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クレカを凌駕する勢い「ブランドデビットカード」の侮れない魅力まとめ=岩田昭男

現金以外の支払いツールで、大きなシェアを占めていたのがクレジットカードです。この状態に一石を投じたのが「ブランド・デビット」と呼ばれるデビットカード。メリットやクレジットカードとの違いなど、デビットカードの魅力を紹介しましょう。(『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』岩田昭男)

※本記事は、『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』2017年11月1日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:岩田昭男(いわたあきお)
消費生活評論家。1952年生まれ。早稲田大学卒業。月刊誌記者などを経て独立。クレジットカード研究歴30年。電子マネー、デビットカード、共通ポイントなどにも詳しい。著書に「Suica一人勝ちの秘密」「信用力格差社会」「O2Oの衝撃」など。
岩田昭男の上級カード道場:http://iwataworks.jp/archives/12912

審査不要ほかメリット多数!デビットカードの魅力と使い分け方法

デビットカードは「即時払いのカード」

デビットカードとは、いわゆる「即時払いのカード」です。スーパーやネットショッピングの買い物などに利用すると、銀行の預金口座からすぐに代金が引き落とされます

名前の「デビット(Debit)」とは、「引き落とし」という意味があります。デビットという名前を聞いて、J・Debit(ジェイ・デビット)を思い出した人がいるかもしれません。これは2000年にスタートした金融機関のキャッシュカードで全国の加盟店の店で直接支払いができる即時決済サービスです。銀行などの金融機関が発行したキャッシュカードがそのまま使え、新たにカードを作る必要はありませんから便利です。

しかし、利用できる加盟店数が少ないこと、システムの仕様上24時間いつでも利用できるわけではないこと、ポイントやキャッシュバックといった特典もついていないなどの理由もあり、利用している人は少ないようです。

ここで取り上げるデビットカードは、J・Debitではなく、「ブランド・デビット」という国際ブランドがついたデビットカードです。

「Visaデビット」と「JCBデビット」の2種類がある

この「ブランド・デビット」と呼ばれるデビットカードには、VisaデビットJCBデビットの2つの種類があります。

違いは、VisaデビットはVisaの加盟店で利用でき、JCBデビットはJCBの加盟店で利用できるという点です。金融機関では、VisaデビットとJCBデビットのいずれかを出しているところもあれば、両方の国際ブランドのデビットカードを出しているところもあります。

特典についても違いがあります。たとえば、Visaデビットは利用額の0.2%または0.25%などを決済口座にキャッシュバックしたり、あるいは提携する共通ポイントがもらえたりします。

一方、JCBデビットは1000円につき1P、JCBの「ОkiDokiポイント」をつけるところが多いですが、なかには100円で1Pの独自のグループポイントをつけているところなどがあり、それぞれ特色を出しているのが実情です。

ちなみに、三菱東京UFJ銀行は「三菱東京UFJ・Visaデビット」を出していますが、11月12日より「三菱東京UFJ・JCBデビット」の取り扱いも開始しました。申込みはインターネットからになりますが、2018年1月5日からは本支店窓口でも取り扱う予定です。

Next: 審査不要ほか、クレカにはないデビットカードのメリットとは



キャッシュバックやポイントがもらえる

デビットカードのメリットは、15歳以上(金融機関によっては16歳)なら誰でも持てることです。クレジットカードは持ちたくない人、あるいは持つことができない人などにとっては便利です。

また、利用できる金額が銀行の自分の普通預金口座の範囲内なので、使い過ぎる心配がありません。会計時にお財布からお金を取り出したり、お釣りで小銭をもらうこともないので、お財布が小銭で膨らむことがなく決済をスムーズに手早く済ませることができます。

利用金額に応じてポイントがついたり、キャッシュバックといった特典がついていることも魅力の1つでしょう。

そして、何といっても特徴的なのがVisaやJCBといった国際ブランドがついていることです。これらの国際ブランドがついていることで、スーパーやコンビニをはじめ、レストランや百貨店、ネットショッピングや海外などでも使うことができます

デメリットは、一般的にクレジットカードと比べてポイントの還元率や付帯保険などの面でサービスが劣ることぐらいです。

クレジットカードのような入会審査がない

それでは、デビットカードと、それ以外の支払いツールとなるクレジットカードやプリペイドカードと何が違うのか見ていきましょう。

ちなみに、プリペイドカードとは、事前にチャージしておけば、チャージした範囲内で利用できる前払いのカードのことです。最近ではデビットカードのように国際ブランドがついたものが出ており、「ブランド・プリペイド」と呼ばれています。ここで比較するプリペイドカードは、「ブランド・プリペイド」を指しています。

まず、入会審査については、クレジットカードはありますが、デビットカードやプリペイドカードについては基本的にありません

利用できるところは、いずれも国際ブランドがついているので、それぞれの国際ブランド加盟店などで使うことができます。

支払い方法は、クレジットカードは後払いです。カードによって引き落とし日が異なりますが、いくつかの引き落とし日から選択できる場合もあります。プリペイドカードは前払いです。一方、デビットカードは、買い物などに利用すると、原則、すぐに自分の預金口座から引き落とされる即時払いとなります。買い物したい、あるいは食事がしたいけどお財布の中の現金は心もとない。近くにATMはなく、あっても無料で利用できる時間外なので引き出し手数料がかかってしまうというときなどは便利といえます。

自分の口座から引き落とされるので手数料もかからず、クレジットカードのように後から引き落とされることもないので、家計管理も簡単にできそうです。

利用できる限度額は、クレジットカードの場合は、カード会社が決めた金額です。プリペイドカードは自分が入金した金額の範囲内です。そしてデビットカードは自分の預金口座の残高まで使うことができます。

気になるポイントやキャッシュバック率については、クレジットカードやプリペイドカードは0.5%からで、デビットカードは0.25%からとなります。

Next: クレカ、プリペイド、デビット…この3枚を有効に使い分けるには?



スーパーやコンビニなど比較的、少額決済向き

もし、お財布にこの3枚のカードが入っていたら、どのように使い分ければいいのでしょうか。

プリペイドカードはあらかじめチャージした金額の範囲内となるので、子どものお小遣いがわりに持たせるというのもいいでしょう。あるいは夫の小遣いとしても利用できるでしょう。基本的に少額決済向きです。

クレジットカードは、百貨店や家電量販店などでの比較的高額な買い物に向いています。というのも、分割払いなどができるので、高額な買い物でも計画的な返済ができるからです。

【関連】カード嫌いの日本人はなぜレジで行列中も「現金払い」に固執するのか?=岩田昭男

デビットカードは、自分の預金口座の範囲内で利用できるので、クレジットカードを持ちたくない人、あるいは持てない人などに向いています。たとえば、高齢者や専業主婦、学生などがコンビニやスーパーなどで使うと便利そうです。コンビニなどで利用するとなると、比較的少額決済になるので、お釣りをもらう手間なども省けるので支払いを簡単に済ませることができます。

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ネットとコンビニで二股かけて得できるカードはどれ?

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達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』(2017年11月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場

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世の中すっかりカード社会になりましたが、知っているようで知らないのがクレジットカードの世界。とくにゴールドカードやプラチナカードなどの情報はベールに包まれたままですから、なかなかリーチできません。また、最近は電子マネーや共通ポイントも勢いがあり、それらが複雑に絡み合いますから、こちらの知識も必要になってきました。私は30年にわたってクレジットカードの動向をウォッチしてきました。その体験と知識を総動員して、このメルマガで読者の疑問、質問に答えていこうと思います。ポイントの三重取り、プラチナカード入会の近道、いま一番旬のカードを教えて、などカードに関する疑問にできるだけお答えします。

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