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消費増税、やっぱり大失敗? 安倍政権が決して認めぬマイナス成長でデフレ再熱へ=今市太郎

政府は消費増税の影響を除けば、10月は0.2%の物価上昇だったとしています。しかし実態はマイナス成長に落ちた可能性が高く、デフレが進行したと見られます。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年11月29日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバッグナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

今回も税収はむしろ減るのか? 1997年の消費増税で起きた悲劇

デフレが始まっている?

総務省は11月22日、10月の全国消費者物価指数を発表しています。

それによると、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が102.0となり、前年同月比0.4%上昇したという内容になっています。

同省の試算では、増税の影響を除いた消費者物価の上昇率は0.2%にとどまるという見方が出ています。

しかし、今回の2%の消費税増税は一部軽減税率や無償化項目などが出たことから、実際にはこの増税だけで少なくとも0.5%の上昇が見込まれていたはず。

それが、すでに一部の経済アナリストが指摘をはじめているように、9月からの増加幅がたったの0.1ポイントに限定されているというのは、早い話がデフレが再度進行しはじめたのではないかという見方もできるわけです。

増税の影響を除けば「マイナス成長」の可能性が高い

つまり、増税の影響を除いた消費者物価の上昇率は、0.2%の上昇ではなく、マイナス0.1%以上になっている可能性が極めて高いわけです。

実際、2014年の消費増税前後では、1.3%から3.2%へとその上昇率が拡大しています。

ですから、明らかに今回の消費増税の結果はおかしいことになります。

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消費税増税がまた税収低下をもたらすかどうかに注目

消費増税後にろくなことにならなかった事例としていつも飛び出すのが、1997年の消費増税です。

消費税を上げた後で大きく税収が落ち込んでしまい、完全なデフレに突入してしまったケースが常にビジネスケースとして挙げられます。

とはいえ、「消費税率の引き上げが経済混乱を引き起こし、税収低下になった」とする説に異を唱える学者やアナリストが多いこともまた事実です。

この時期は山一証券北海道拓殖銀行の破たんなどもあり、小渕政権が大型の減税を行ったことも税収の減少に寄与しているとの分析もあります。

したがって単純に97年と足元の状況を比較するわけにはいかないのですが、ひとつだけはっきりしていることがあります。

それは、増税後は何もいいことは起きておらず、何が直接的原因かはわからないものの、この増税をきっかけにして日本は激しいデフレに突入していったことだけは、事実として残っている状況です。

やはりデフレを再燃させてしまった可能性大

足元では政権も日銀も、常に「景気は緩やかに回復途上にある」と馬鹿のひとつ覚えのようなことを言い放っていますが、どうもそうではない可能性がかなり高くなってきています。

今回の増税では、外食を中心とした食料品、鉄道運賃、宿泊料などが消費者物価の上昇に寄与したとされています。

それでも全体としては本当はマイナスであるとした場合には、相当深刻な状況であり、やはり消費増税をこの時期に行ったのは大間違いであったことが後になってからはっきりしてくるのではないでしょうか。

デフレはひとたびその状況に陥ってしまいますと、本当に逃げ場のないものになってしまうのは当メルマガで皆さまにご案内の通りです。

過去この国は30年近くデフレに苦しまされてきたわけで、散々カネを使って6年も継続して行った日銀の金融緩和の果てが「またしてもデフレになりましたとさ」では、笑うに笑えないものが
あります。

Next: また日本人はデフレに苦しむのか? 成果が見えないアベノミクス



成果が見えないアベノミクス

「アベノミクスにほとんど成果なし」というのは、今週の当メルマガにも書きました。

さらに今回の消費増税は、大失敗であった可能性が極めて高くなってきている点に注目していきたいところです。

桜を見る会に反社会勢力もお呼びしていた話や、招待状が転売されていた話。前夜祭のホテルイベントの主催が誰なのか、いくらカネがかかったのかが判らない。そもそも「招待客のリストはシュレッダーにかけたからありません」というのも、目を疑いたくなるものがあります。

経済政策という本質的な部分だけを見ますと、忖度するはずの役人にいいように操られて、まんまと消費税だけ上昇させてしまったのではないかと強く危惧するところです。

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今市太郎の戦略的FX投資』(2019年11月29日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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