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新型肺炎パンデミック発生で日本円はどうなる? 生命も金融市場も壊滅的危機へ=今市太郎

中国は1月24日から春節(旧正月)の休みに入り、新型コロナウイルス肺炎の感染者が日本にも大量に入国してくる可能性が高まっています。世界的流行となれば、日本円はどうなるでしょうか?(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2020年1月22日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバッグナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

ブラックスワンに発展する?生命も危険だが、金融市場も危ない…

旧正月で新型肺炎が世界に拡散?

中国はいよいよ1月24日から春節、つまり旧正月の休みに入り、大量の人が移動することになります。

国内で故郷に帰り、正月を迎える人がほとんどですが、富裕層はこの時期にまとまった休みを利用して海外旅行に出かけることも多く、日本にも中国で発生しているコロナウイルスの保菌者が大量に入国してくる可能性が高まっています。

時間を追うごとに報道に登場する患者数は増え続けており、米系メディアの報道ではアジア圏での罹患者数は300を超えており、そのうちすでに6人が亡くなっているという、かなり厳しい内容も登場しはじめています。

現在のところ中国・武漢市では新型コロナウイルスによると見られる肺炎患者数はこれまに45名確認されたとしていますが、研究チームは今月12日の時点での推計として、実際の患者数は1,700人あまりに達している可能性があると発表しており、さらにほかの都市にも広がっている可能性がかなり高くなりつつあります。

人口12億、実は16億以上いて正確な数もよくわからない中国ですから、この手のパンデミックの患者数がいくらいるかなど正確な数字が示されるとは到底思えません。

今年はこの時期に4億1,500万人が旅行に出かけるとの予想が出ており、さらに海外旅行に出かける向きは700万人以上とのこと。

中国国内でのパンデミックの拡大とともに、もっとも多くの旅行者が押しかける日本やタイで感染者が広がるリスクはかなり高くなりそうです。

日本上陸で大騒ぎに

今年も日本では、中国人によるインバウンド消費がかなり期待されているようです。

しかし、実はお病気を大量に持ち込んできてパニックになるリスクのほうも、相当に気をつけなくてはならない状況になってきています。

ただ、SARSやMERSと比べて、重症度は高くないという指摘もあります。

その一方で、根本的な治療法が確立されているわけではないこともまた事実で、できるだけ大騒ぎはしないようにしたいものですが、一定以上のリスクが確実に存在していることも見逃してはならないものがあります。

Next: 新型コロナウイルス肺炎が広がると、いったい日本円はどうなるのか?



新型コロナウイルス肺炎が広がると、いったい為替はどうなるのか?

この種のパンデミックが広範に広がった場合には、各国の経済に与える影響も大きいわけですが、もっとも重要なのは感染者の生命の危険が解消されるのかどうかの問題で、金融市場がどうなるなどという話をしている場合ではないことは事実です。

しかし、実際にこうしたパンデミックが発生した場合、為替はどのようになってしまうのかも非常に気になるところ。

すでに中国や日本の株式市場には影響が出始めているのもまた事実です。

我々個人投資家が日本でFX投資を行ってからというもの、このようなパンデミックの危険にされされた経験はないわけですが、遠い過去には14世紀にペストが大流行したといったケースがあります。

20世紀以降でいいますと、1918年に一種のインフルエンザであるスペイン風邪が広範囲に大流行し、世界で4000万人以上、国内でも39万人以上の死者が出たという大惨事になっています。

日本では大正7年の話ですから、海外を行き来する人間がそれほど多くなかった時でも39万人の死者がでていることを考えると、今回の新型肺炎パンデミックが国内でも広がりを見せた場合、かなりの数の罹患者が発生することになりそうで、非常に危惧される状況です。

世界的な流行なら円高に?

当該の肺炎が日本だけで発生した場合、為替で考えれば当然、円が売られることになるのは言うまでもありません。

世界的な流行になった場合には、いわゆるリスクオフの状態になることが考えられ、逃避通貨である円やスイスフランなどが買われる可能性はかなり高まりそうな状況です。

すでに21日のNYタイムでは、シアトルでコロナウイルス起因の肺炎の罹患者が見つかったとの報道でドル円は売られています。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

今のところパンデミックで為替がどうなるかなどを口にする人は誰もいませんが、特に今回は春節を起因として日本で大流行するところから世界的に広まるといったプロセスが展開することも十分想定てきるだけに、まさかの事態になった場合のこともよく想定しておいたほうがよさそうです。

Next: ブラックスワンに発展する? アルゴリズムの動きにも要注意



ブラックスワンに発展する?

なんとも気分の悪い話題ではありますが、とにかくこれがブラックスワン・イベントに発展しないことを願いたいばかりです。

この件は事態が悪化することにより、驚くほどリスクオフに動く危険性は相当高そうで、報道に連動するアルゴリズムの動きも伴って、予想以上の反応が相場に出るリスクを十分に意識しておきたいところです。

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image by:Yaoinlove / ShutterStock.com

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今市太郎の戦略的FX投資』(2020年1月22日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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