マネーボイス メニュー

世界同時不況の再来は確実。その時、日本人は無差別リストラで貧困層に落ちる=鈴木傾城

どこかの会社の正社員でいる人たちは今、その地位をいつか失うかもしれないと漠然と思い、不安を抱きながら生きている。当然だ。企業は冷徹になっている。次の業績悪化や経済ショックが、まさに自分の人生の転落になるかもしれない。どんな企業でも永遠に順風満帆というわけではない上に、経済的ショックも近づいてきているので、数年来のうちに「正社員」の誰もが人生の危機に陥っていく。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

【関連】税務署員は皆やっている!「扶養控除」で税金を裏技的に安くする方法=大村大次郎

※有料メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』好評配信中!ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

正社員もばっさり切り捨て。底なしのリストラ地獄が始まっている

遠からず大きな経済ショックが来る

日本はいつまで経ってもデフレから抜け出せない状態になっているのだが、そんなところに日本政府は消費税を引き上げるような政策をしたのだから、内需はますます停滞し、企業は生き残るために商品を薄利で売るしかなくなる。

グローバル化も止まらないのだが、グローバル化もまた世界で最も安く商品を作って流通させるものなので、企業は競争力を維持するために薄利で売るしかない。

そうやって日本国内にはデフレは定着し、社会は停滞し、賃金は上がらない状態が続く。

そうした停滞が少子高齢化を悪化させているのだが、この少子高齢化もまた内需を停滞させる強大な「癌」である。

日本は二重にも三重にも経済の停滞要因が重なっている。

こうした中で次の大きな経済ショックが襲いかかったら、日本経済は瀕死の状態になってしまうというのは誰でも想像できることである。

次の経済ショックは「必ず」やってくる。全世界の実質GDP成長率は停滞しているのに金融経済はデリバティブで大きく膨れ上がっているのだから、バブルはいずれ破綻してしまうのは当然のことだ。

好調な米国株もいつかは吹き飛ぶ

アメリカの株価は、バフェット指数を見てもシラーPEレシオを見ても割高であることが分かるが、割高なものは何がきっかけがあれば吹き飛ぶのが世の中の掟(ルール)なのである。

NYダウ 月足(SBI証券提供)

いつ、それが吹き飛ぶのかは誰にも分からない。仮に実体経済に何らかのエンジンがかかって成長率が爆上げするようなことがあれば危機は回避できるかもしれない。しかし、今のところはそんな兆候はない。

そうであれば、遠からず大きな経済ショックが来るような状況になっているというのは覚悟しておくべきだ。

Next: 他人事じゃない。金融経済の破裂は大量リストラに直結する…



用意も準備も何もないところで路頭に迷う

金融経済が破裂しても実体経済とは関係ないのではないかと思うかも知れないが、その逆だ。

金融経済が破裂すると、あらゆる業種の企業が大損失を受けるのだから、実体経済は「不況」という形で大きく巻き込まれる。

不況がやってくれば、何が起きるのか。

モノがことごとく売れなくなるのだから、企業は収益悪化に耐えきれなくなり、コスト削減を徹底的に行うことになる。

企業にとって常に巨大なコストは「従業員」である。だから、コスト削減はすぐにリストラという形を取る。

金融経済が大きく破裂すると、すぐその後に、底なしのリストラ地獄が社会に襲いかかっていくのだ。次の経済ショックは、かなり大きな確率で「必ず」やってくるが、そうであればリストラ地獄もまた「必ず」やってくるということになる。

多くの人がリストラに巻き込まれる。

キャリアアップのために転職するのではなく、会社が傾いてリストラされる人は用意も準備も何もないところで路頭に迷う。

これだけでもかなりキツい状態だが、世の中が一気に不況になった場合、新しい仕事はなかなか見つからない。見つかっても条件の悪い仕事に安い給料でも妥協するしかなくなる。

それに耐えられなくなって再び転職することになると、さらに条件が悪くなっていく。そうやって、社会の荒波に揉まれて転がり落ちてしまう人が続出することになる。

日本には巨大な「アンダークラス層(貧困層)」が誕生する

そして、日本には巨大な「アンダークラス層」が誕生することになる。

アンダークラス層というのは、『労働者階級の一部ではあるが、労働者階級としての基本的要件すら欠いているために、極端に貧困で、多くの困難をかかえる人々のこと』と早稲田大学人間科学部教授の橋本健二氏が定義している。

デフレが続いている今もアンダークラス層がじわじわと増えているのだが、この層が次の経済ショックで一気に増加する。

Next: もう「安泰」な職業などない。リストラは恒常的に行われていく



リストラが恒常的に行われていく

すでに日本の企業は終身雇用を維持できない経営になっているので、何もない今ですらもリストラは行われている。「お固い職業」と言われていた銀行員ですらも、次々とクビを切られている。

銀行はすでに超低金利時代の今では儲からなくなっている上に、紙や小銭のような手間のかかる「現金」の管理まで押しつけられていて非効率に四苦八苦している。今後も経済が縮小するたびに経営が悪化し、多くの地方銀行から潰れていくことになるだろう。

銀行だけではない。デフレも解決できず、内需の拡大も期待できない日本は、大きな経済ショックがなくても、リストラが恒常的に行われていくことになる。

正社員であっても守られることはない。どんなに抵抗しても、企業が社員のリストラをしやすい環境が整っていく。

つまり、日本社会におけるリストラは、もはや些細な日常になっていくのだ。

ハケンも正社員もばっさり切り捨て

そもそも、非正規雇用の拡大も「リストラしやすいようにするための施策」であった。企業は社員ではなく派遣労働者を中心に取るようになり、その派遣社員は企業の都合によって遠慮容赦なく切られていく社会になった。

マスコミは非正規雇用(派遣労働)を「ハケン」とカタカナで呼び、「新しい働き方」だとか「自分の自由な時間を持てる働き方」だとか言って若者を煽っていたが、マスコミが煽るものに乗ったら裏切られるのはいつものことだ。

これによって派遣を選んだ人々はまっさきに人生に躓いて、生活は不安定化して、どん底にまで転がり落ちていった。「格差」が問題になっていったのもこの頃だ。このとき、社員は「勝ち組」だと言われていた。

しかし、日本人の給料がグローバル経済から俯瞰したら非常に高いものだったので、次の標的は「社員のリストラ」になるのは目に見えていたのだ。

派遣切りでも間に合わないのであれば、次にリストラされるのは社員だ。だから今、社員が次々と会社からリストラされて叩き出されているのである。

Next: 「決断できる経営者は有能」という風潮。底なしのリストラ地獄が始まる…



次の業績悪化や経済ショックで転落する

今後、企業が傾くたびに、そして少しでも業績が落ちるたびに、会社は社員を放り出すことになる。投資家も、株主も、経営者も、みんなリストラという名の人件費削減を支持している。

そして、それができる経営者を「決断力がある」と捉えている。

こういった流れを見て分かる通り、すでに「正社員」という立場であっても未来はない。会社が何とか利益を出している時や好況の時は平穏かもしれないが、いったん赤字になったり不況が来たりすると、経営者はいそいで社員を会社から放り出す。

その間、残っている人間を猛烈に働かせるので、会社はどんどんブラック企業化していき、それでも人手が足りなければ、新しい社員を入れるのではなく非正規雇用者を取る。

どこかの会社の正社員でいる人たちは今、その地位をいつか失うかもしれないと漠然と思い、不安を抱きながら生きている。当然だ。企業は冷徹になっている。次の業績悪化や経済ショックが、まさに自分の人生の転落になるかもしれない。

どんな企業でも永遠に順風満帆というわけではない上に、経済的ショックも近づいてきているので、数年来のうちに「正社員」の誰もが人生の危機に陥っていく。

そうなった時、どんなに優秀であっても、その会社に貢献していたとしても、あっさりと正社員の地位を失う。それによって生活を崩壊させる人が増えて、日本ではアンダークラス層が拡大していく。

「底なしのリストラ地獄など起きるわけがない」とか「自分には関係ない」と思ってはいけない。環境の悪化はじりじりと忍び寄ってきている今、誰もが無事でいられるわけではない。社会が悪化すれば誰もが巻き込まれるものだ。

状況は危険になっている。

有料メルマガ好評配信中! 初月無料です

【関連】消費増税に怒れる日本人は買ってはいけない。消費をやめれば政治家・官僚・財界が青ざめる=鈴木傾城

<初月無料購読ですぐ読める! 1月配信済みバックナンバー>

※2020年1月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

2020年1月配信分
  • 国民年金だけでは65歳以後は乗り切れないということを早く自覚して行動すべきだ(1/19)
  • 私がやりたいのは「株式市場での火事場泥棒」。社会が混乱している時に盗む(1/12)
  • イランの反米司令官が爆殺されて肉片となったので米国株式を増やすことに決めた(1/5)
  • 【新年特別号】令和すなわち地獄。終わりの始まりを迎えた日本で経済的にサヴァイヴする方法(1/1)

いますぐ初月無料購読!

【関連】偽装結婚が増加中。日本人が知らない中国人女性の恐ろしさと潔い手口=鈴木傾城

【関連】ソフトバンクが死ぬ日~孫正義氏、投資で大失敗。次のリーマン級危機が起きたら崩壊へ=鈴木傾城

【関連】なぜ生活保護は助けない?所持金600円の母子家庭を追い返し、不正受給4万4,466件の闇=鈴木傾城

【関連】キヤノンもニコンも業績悪化、iPhone11ほか最新技術が現状維持しか考えない日本企業を潰す=鈴木傾城

【関連】なぜAmazonは中国製の粗悪品だらけになった?日本人を狙い撃ちする中国留学生マニュアル=鈴木傾城

【関連】日本で急増する「住所を喪失」した人たち?車上生活、漂流女子、8050問題が行き着く地獄=鈴木傾城

image by:graphbottles / ShutterStock.com

※有料メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』好評配信中!ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込540円)。

2019年12月配信分
  • 私が「2020年代が自分の人生で最もキツい年代になる」と覚悟している理由とは?(12/29)
  • 「捨て石」の概念を見直せ。これが前もって成功に辿り着く確率を上げる方法(12/22)
  • 読者のみなさまへ、バックナンバーのご案内(12/17)
  • 2019年の総括と、2020年のこと。相場の動きは読まない。何か起きたら対応する(12/15)
  • 社会が重要な岐路にあるとき、次の方向性を知るためには何を見ればいいのか?(12/12)
  • 日本人は全員で消費税を引き上げた政治家・官僚・財界の馬鹿どもに復讐せよ(12/8)
  • 【まぐまぐ】年賀状キャンペーン期間延長のお知らせ(12/1)
  • 株式の割高・割安を見る3つの指標と、これから起きそうな予兆についての考察(12/1)

2019年12月のバックナンバーを購入する

2019年11月配信分
  • 社会は大きな「ゆがみ」を生み出すのだが、それを見つけて埋めるとカネが入る(11/24)
  • 「楽して手っ取り早くカネを増やしたい。思惑が外れたらサヨウナラ」の気持ち(11/17)
  • 鈴木傾城が今の投資について思っていること(2)世界を買うか、米国を買うか?(11/10)
  • 鈴木傾城が今の投資について思っていること(1)相場は上がっているが……(11/3)

2019年11月のバックナンバーを購入する

2019年10月配信分
  • 次のリーマンショック級の経済ショックが起きたら、ソフトバンクは死ぬ(10/27)
  • 人生も壮大な賭け。投資から人生まで「賭け方」で知っておくべき4つのタイプ(10/20)
  • 投資の前に貯金や収入を何とかしなければならないのであれば、どうすべきか?(10/13)
  • 「一生現役」は、政府が日本国民を死ぬまで働かせるためのキーワードである(10/6)

2019年10月のバックナンバーを購入する

2019年9月配信分
  • 圧倒的な弱者であっても、絶滅するどころかしたたかに生き残っている事実(9/29)
  • 資本主義では資本が生み出す不労所得を手に入れることが最も大きな「旨み」だ(9/22)
  • 今までの資本主義は「株式保有」が生き残るための武器だったが次はなにか?(9/15)
  • 重い借金を抱えて地獄を見て生きている人は、借金のない人が幸せに見える(9/8)
  • 消費税10%を乗り切れ。ダメージを受ける人は、その分をサイドジョブで吸収せよ(9/1)

2019年9月のバックナンバーを購入する

2019年8月配信分
  • 下らないマウントが横行するネットの世界で自分のスタイルを守るには?(8/25)
  • 最先端のバイオ・ゲノム企業に投資するのが難しい理由と乗り越える方法(8/18)
  • 中国発の株式市場への巨大な悪影響は、いつか必ず私たちに襲いかかってくる(8/11)
  • 8月1日に巨大損失を被ったのであれば、それは健全な投資をしていない証拠(8/4)

2019年8月のバックナンバーを購入する

2019年7月配信分
  • アメリカに投資していないのであれば、本当の意味の恩恵を受けていない(7/28)
  • カネのあるところから無理やり自分にトリクルダウンさせる仕組みがある?(7/21)
  • アメリカの株式市場が史上最高値更新。しかし、有頂天になる局面なのか?(7/14)
  • アーリーリタイアは「夢のまた夢」なのか「何とかできる」ものなのか?(7/7)

2019年7月のバックナンバーを購入する

2019年6月配信分
  • 定期定額積立投資しながら暴落待ち。私が次の暴落に投資したいのはこれだ(6/30)
  • 率直に言うと、日本の株式市場に長期投資するというのは人生最悪の選択(6/23)
  • 米中新冷戦は長引くが、これによってアメリカに賭ける戦略は終わるのか?(6/16)
  • 第一線を離れてからも要領良く資産を増や続けるビル・ゲイツを観察せよ(6/9)
  • 起業して10年後に生き残れるのは6%。起業に人生を賭けない生き方も悪くない(6/2)

2019年6月のバックナンバーを購入する
さらに以前のバックナンバーはこちら

【関連】少子高齢化で日本は生涯現役「強制」社会へ、死ぬまで働く私達が幸せになる唯一の方法は?=鈴木傾城

【関連】なぜ年収数億円の有名人が破産する?私たち庶民にも参考になるたった1つの防衛策=鈴木傾城

【関連】日本発地獄行き。「念願のマイホームを買う」という幸せゲームの末路=鈴木傾城

【関連】フィリピン妻は結婚できない中年男を幸せにするか? 奇跡の婚活、夢の果てに=鈴木傾城

本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2020年1月24日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編

[月額660円(税込) 毎週日曜日]
日本で最も「危険を感じさせる」と言われているブログ「ダークネス」。アジアの闇をテーマにした「ブラックアジア」。この2つのブログで月間約150万ビュー以上を叩き出している鈴木傾城のメルマガです。様々な事件や事象を取り上げて、ブログ「ダークネス」にも書き切れないホンネを書いていきたいと思います。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。