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「現金はゴミだ、タンス預金はやめろ」ヘッジファンドの大親分レイ・ダリオが日本人に警告

「現金はゴミだ」。世界最大級のヘッジファンド・ブリッジウォーターアソシエイト創設者のレイ・ダリオ氏のこの発言が英語圏でかなり話題になっています。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)

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※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2020年1月29日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

不況突入はもう少し先? 現金だけに固執するとすべてを失う…

ダリオ氏の発言で市場に波紋

知る人ぞ知る、世界トップ・クラスのヘッジファンド「ブリッジウォーター アソシエイツ」創設者のレイ・ダリオ氏が、ダボスの世界経済フォーラム(ダボス会議)でCNBC「Squawk Box」のインタビューで語ったことが英語圏でかなり話題になっています。

今回は現地報道とインタビュー動画を翻訳しながら、ダリオ氏の発言内容について解説します。

「2020年は下手に動かずに傍観者で居るのが良いだろう」

「現金はゴミだ」

「皆が多額の現金をタンス預金で持っている」

「皆がチャンスを逃したので、誰もが何とか食い込みたいと望んでいる」

「株式市場は溶けるはずで、現金ではなく、資産分散が必要だ。というのは、世界中の中央銀行が紙幣の発行を増やしているからだ」

「何千年もの間、価値を内在する金貨(それを掘り出すのにそれだけのコストのかかるもの)が準備資産だった。それを、中央銀行というシステムを創って、信用を担保にして、価値は内在されていない紙幣を準備資産に置いたのだ」

出典:Ray Dalio at Davos: ‘Cash is trash,’ as everybody wants in on the 2020 market(2020年1月21日配信)

不況突入はもう少し先?

2020年が不況突入の年になるのか?と質問されたダリオ氏は、「世界中の中央銀行は、坂道で量的緩和という缶蹴りをしている」と返答した。

「(不況突入は)次の大統領の任期中になる可能性がある。効果的な金融政策はもう無いので、人々がお互いに首を絞める、というような社会情勢になるのではないかと恐れている」

「今の間に現金を手放して、多極分散投資をすべきだ」

「資産バランスを取る事が必要で、或る程度のゴールドを保有すべき。」と述べた。
2019年にも同じように「これからの時代は貴金属をトップに置くべき」と述べている。

出典:Ray Dalio at Davos: ‘Cash is trash,’ as everybody wants in on the 2020 market(2020年1月21日配信)

Next: タンス預金をしてる場合か?仮想通貨もボロクソにこき下ろすダリオ氏の警告



タンス預金している場合ではない

ブリッジウォーターは約160B$の資産を運用している。投資家はタンス預金している場合ではない。

彼は2018年の時点で、「株価が上昇しているので、タンス預金をしているのは馬鹿みたいに感じるだろう」と公言していた。

金投資を勧める一方で、「ビット・コインのような投機は避けよ。あまりにも価値の変動が激しいではないか!」と警告。

「マネーには2つの目的があり、取引の仲介と資産保全である。ビット・コインは、どちらにも向いていない」と語った。

出典:Ray Dalio at Davos: ‘Cash is trash,’ as everybody wants in on the 2020 market(2020年1月21日配信)

ゴールドを保有資産のトップに置くべき

今年は不況突入にはならないと見ており、今後の投資は2020年以降を見据えるべきと考えているようだ。

「(不況突入は)次の大統領の任期中に起きるだろう。効果的な金融政策は無いだろうし、人々はお互いの首を絞めるようになるので、それが心配だ」とも述べた。

連銀はもはや、利下げでは米国経済を刺激できないだろうと見ており、「利下げを続けるだろうし、その上、政治家の意見分裂は大きくなれば、経済は元に戻らないだろう。世界の中央銀行がこの不況を元に戻せないと思えるので、今後の数年間は、ゴールドを保有資産のトップに置くべきだ」と語った。

これは、連銀や他の中央銀行が、物価を上昇させることに力を注いでおり、主要新興国の中央銀行が金利を昔のようなレベルにすることができないからだ。

「マネーの増加発行をすれば、財政赤字が自はドンドン大きくなり、将来、資産保全には何が良いかを投資家達は考え始めるだろう。マイナス金利の国債や目減りする銀行預金となれば、人々の考え方にに大きな枠組みの変化が起きるだろう」。

出典:Ray Dalio at Davos: ‘Cash is trash,’ as everybody wants in on the 2020 market(2020年1月21日配信)

まさに御託宣の通りでしょう。

この低金利で、米国の企業群はこぞって大手銀行から低金利融資を受けています。また、つなぎ融資、借り換え融資で実質的に返済ができていない危ない企業も数多く存在しています。

ここで金利を元の姿に戻せば、利上げをすれば、かなりの企業が倒産になるでしょう。低金利や、特にマイナス金利から抜け出す方法は無いのです。

ダリオ氏は、紙幣の増発で米ドルの値打ちは下がり、現金を保有する利点は無いのだから、今の間にリアル・マネーを保有すべきだと語ったのです。

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image by:Miyuki Satake / Shutterstock.com
いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2020年1月29日号)より一部抜粋、再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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