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TwitterとFacebookこそが社会混乱の元凶?グローバル企業による検閲と止まらぬ誹謗中傷=鈴木傾城

「人々を結びつける」「人々をつなげる」「人々を混ぜる」ということに対して、実はそれこそが社会を混乱させる大きな要因であるということを主張する人がまだ出てこないというのは異常だ。「下手に結びつくな」「下手につなげるな」「下手に混ぜるな」という解決を誰も言い出さないのは、だれもが「つながり=素晴らしいもの」という洗脳に毒されているからではないのか。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。

トランプ大統領とSNS各社の対立と混乱

「郵便による投票は不正を招く」とトランプ大統領がツイートすると、ツイッター社はこれを「主張が間違っている」という警戒ラベルを添付した。

さらにトランプ大統領が、黒人が白人警官に殺されたことに対する暴力的抗議デモに対して「いかなる困難があろうとも、我々はコントロールする。略奪が始まれば、銃撃が始まる。以上!」とツイートすると、ツイッター社は「暴力を賛美している」として、またもや注意喚起を促した。

トランプ大統領は「言論の自由を奪われた」として大反発し、SNSに対する規制強化に向けた大統領令に署名した。SNSが勝手に投稿を制限したり削除したら、利用者が企業に法的責任を負わせることができるという大統領令だった。

こうした動きを受けて、フェイスブック社のCEOであるマーク・ザッカーバーグは「自分は真実の裁定者にならない」としてトランプ大統領の発言が何であっても削除しないとテレビで述べた。

すると今度は、フェイスブックの従業員が「フェイスブックは削除も警告表示も行わずに放置。多くの従業員がこの判断に抗議する」と声明を出して、マーク・ザッカーバーグの方針を大批判する混乱状態に陥った。

しかし、一方でこれらのSNSの従業員たちは、極左過激暴力集団が保守派を攻撃する発言に関してはまるっきり反応せず「間違った主張」も「暴力的な発言」も放置したままだ。トランプ大統領の言うとおり左側に偏向している。

表現の自由は、それぞれの会社に都合の良いものだけが自由にされていて、自分たちの都合の悪いものだけを弾圧するような流れである。それがますます人々の対立を生み出しているというのは間違いない。

いくら法改正をしても誹謗中傷はなくならない

こうした対立が過激化する中で、SNSの中では誹謗中傷も飛び交っている。芸能人やタレントは格好の攻撃対象とされており、それを苦にして自殺するタレントも出た。

日本政府はこうした誹謗中傷の横行に憂慮して、加害者の身元を特定しやすい法整備を急いで整備している。

しかし、いくら法改正をしても誹謗中傷は絶対になくならない。

意見の対立、批判、嫉妬、憎悪は絶対に人間の心から消えないのだから、それは法スレスレで必ず行われるのである。社会は対立と衝突と矛盾と不正で満ち溢れているのが普通なのである。

システムの改善や、監視や、法の改善で、誹謗中傷が消える日がくるとは思ってはいけないし、夢想しても意味がない。誰かが考えたことは必ずその反対の意見が存在するからである。反対意見が対立すれば、衝突は時間の問題だ。

意見に違いがあるのであれば、「互いに違いを認め合って共存すればいいではないか」と短絡的に考える人もいる。しかし、「自分の考え方は絶対なので共存の余地はない」と強く思う人の前では途端に無力になる。

「違いを認め合って共存する」ということすらも反対意見があって、結局は共存できないのである。

たとえば、「我々の神が唯一絶対」と思っている人は、他の宗教の神は全否定になる。「この領土は我々のもの」と思っている人は「この領土は他者のもの」と主張する人の意見は絶対に受け入れられない。

思っていることが自分のアイデンティティや財産に関わるものであったら、共存は自分自身の存在価値や財産を失うことになるので不可能なのだ。

これが意味することは、「違いを認め合って共存する」というのは、ただのファンタジーであって現実ではないということなのである。

Next: 自由で平等な社会は、私達が生きている間どころか、100年たっても1000年――



「つながり=素晴らしいもの」という洗脳

自由で平等な社会は、私たちが生きている間どころか、100年たっても1000年経っても絶対に実現しない。「人々は異なり、社会は異なり、国は異なる」のである。だから対立と衝突で満ち溢れ、それは是正されることができない。

インターネット時代になって情報が広く拡散される時代になってから、むしろこうした対立構造はますます先鋭化して過激さを増している。それは当然のことだ。

インターネットは個人の発信力を極限まで高め、人々を効率的に結びつけたからだ。「人々が効率的に結びつく」というのは、異なる思想信条、異なる社会、異なる世界に生きている人間が分け隔てなく結びつくということなのだ。

特にフェイスブックやツイッターのようなSNSは、誰でも誰かに絡めるという点で、「結びつき」を極限まで効率化されたシステムであると言える。だから、これらのSNSでは対立と衝突と矛盾と不正が醜悪な形でぶつかり合う場と化した。

対立は簡単に起こり、憎悪は簡単に拡散し、暴力の温床となっていく。

SNSが平和の場などと思っている人は、もうとっくの昔に消え去った。どのSNSも極端な思想信条のプロパガンダを垂れ流す拡声器となっており、主張する人間と反対する人間の罵詈雑言が飛び交う言論暴力の場となっている。

もちろん、健全で有意義なつながりや対話もあるのだが、そういった健全さが吹き飛ぶような誹謗中傷が凄まじく飛び交ってしまっている。

「人々を結びつける」「人々をつなげる」「人々を混ぜる」ということに対して、実はそれこそが社会を混乱させる大きな要因であるということを主張する人がまだ出てこないというのは異常だ。

「下手に結びつくな」「下手につなげるな」「下手に混ぜるな」という解決を誰も言い出さないのは、だれもが「つながり=素晴らしいもの」という洗脳に毒されているからではないのか。

それこそが悪質で非現実的な思考なのである。

「いつでも検閲・排除される」のが現実

フェイスブックやツイッター等のSNS各社は、対立と衝突と誹謗中傷を何とか押さえ込んで、自社サービスを何とか「健全な場」にしようと努力しているのだが、これは想像以上に難しい。

なぜなら、個人の思想信条のどれを「健全」で、どれを「不健全」にするのかという判断には100%正解がないからだ。

私のコンテンツも、様々なプロバイダーから問答無用で「検閲・排除」されてきたし、グーグルでは2度アカウントを失い、ツイッターは1度「凍結」された経験もある。

そのため、最初から社会やインターネットに自由な言論や表現があるとはまったく考えていないし、そんなものが公正に守られるとも思っていない。「日本には表現の自由がある」とか聞いたら苦笑いしか出てこない。

日本でも、「誰か」が都合が悪いと考えた表現は「いつでも検閲・排除される」のが現実なのだ。

Next: 現在の検閲者、つまり絶対権力者はグローバル企業である。グローバルで――



SNSが社会を破壊していく

現在の検閲者、つまり絶対権力者はグローバル企業である。

グローバルである以上はリベラルである。だから、傾向的には「リベラルではない側の意見」が検閲・排除される流れになっていると認識しても、それほど間違いではない。

しかし、SNS各社が「検閲・排除」を行っていることによって、インターネットを支配する企業も「中立ではない」ということに人々は気付くようになっている。

この次に起きるのは何か。

それは、「検閲・排除」される側が、その不公平感に鬱積や不満を持ち、徐々にSNSすべてを信用しなくなる流れだ。検閲や排除された側は、必ず自分たちを排除した側に大きな敵意を抱くようになる。

私はもともと「人々が結びついたら対立と衝突が爆発的に増えていく」と予測していたので、今の動きはまったく意外でも何でもない。「人々を結びつける」「人々をつなげる」「人々を混ぜる」こそが社会を破壊すると思っている。

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image by:Tero Vesalainen / Shutterstock.com

本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2020年6月12日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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