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コロナ不況で日本人の大半が貧困層へ。生活をダウングレードしないと生きられない=鈴木傾城

国内のほとんどの企業が景気悪化を想定したのであれば、次に起きるのは非正規雇用者の雇い止めや正社員のリストラである。そこまでいかなくても、従業員に一時休暇を取らせたり、就業時間を短縮させたりする動きも出てくる。こうした動きは最終的には人々の収入減につながっていく。景気が悪化すれば必ず「社会の弱い層」から切り捨てられていくのだが、新型コロナウイルスで起きている社会の不安定化も同じ結果をもたらす。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。

消費税引き上げと新型コロナウイルスのダメージが襲いかかる

2020年は新型コロナウイルスで波乱の幕開けとなったが、日本も政府が中国人観光客の入国制限をしなかったために、国内で新型コロナウイルスの発症者が次々と発生する事態となった。

今の感染者の確認数は低めに抑えられている。今後、検査態勢が整っていくと、感染者はより大量に見つかる。これについては、安倍首相も3月2日の参院予算委員会での答弁で「検査を増やせば、絶対数が増える可能性がある」と述べている通りだ。

検査が増えて感染者が発覚すると、そのたびに隔離や封鎖の強化が為されていくので、実体経済はかなり悪化していくことになる。

すでに、愛知県の老舗温泉旅館が倒産するとか、北海道の食品会社が売上激減で倒産するとか、国内最大級のレストランクルーズ船を運営しているルミナスクルーズが倒産するような事態が起きている。

旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は今期11億円の赤字に転落する。JTBは2019年3月期の連結決算で151億円の巨額赤字を出しているが、今期も厳しい現実に直面することになるだろう。

これは序章でもある。

国連の専門機関であるICAO(国際民間航空機関)は、1月から3月までの3ヶ月間で、日本の観光産業は「およそ1400億円の損失が見込まれる」と述べている。

新型コロナウイルスの問題は3月で収束するわけではない上に、観光客の減少によって影響を受ける観光業ではない業種、たとえば化粧品企業やドラッグストアや電化製品のメーカーやイベント企業や外食産業全般も大きな影響を受ける。

すでに日本経済は、安倍政権が消費税を10%に引き上げたことによって2019年10-12月期のGDPが年率換算でマイナス6.3%に落ち込むという事態になっていた。

そこに新型コロナウイルスのダメージが加わるのである。

アンダークラス(貧困層)は強烈なまでに大打撃を受ける

日本の企業は99%は中小企業だが、新型コロナウイルスは中小企業の経営を直撃する。

東京商工リサーチの調査では、2月20日の段階で66.4%の企業が「今後影響が出る」と答えている。問題が長引けば長引くほど悪影響を受ける企業が増えていく。

新型コロナウイルスの問題を収束させるのは特効薬(ワクチン)の開発が必要不可欠だ。しかし今のところは、まだワクチンの成功と供給のメドは経っていない。

そのため、実質的には日本のほぼすべての企業が新型コロナウイルスによって甚大なダメージを受けることになるということである。

政府は総額5000億円の緊急貸付を行う。しかし、「貸付」というのは借金である。中小企業の多くは、すでに負債を抱えて綱渡りの経営をしている。事業を継続するためにさらなる借金をするのだから、経営状況が悪化するのは目に見えている。

国内のほとんどの企業が景気悪化を想定したのであれば、次に起きるのは非正規雇用者の雇い止めや正社員のリストラである。

そこまでいかなくても、従業員に一時休暇を取らせたり、就業時間を短縮させたりする動きも出てくる。

こうした動きは最終的には人々の収入減につながっていく。

Next: 景気が悪化すれば必ず「社会の弱い層」から切り捨てられていくが、新型――

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