富裕層になりたければ、先祖代々の超資産家ではなく、「成金」と呼ばれる人々に学ぶべきです。なぜでしょう?その理由は「成金も最初は凡人だった」という点にあります。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)
※本記事は有料メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2020年8月3日号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。
富裕層になりたければ「成金」に学べ
私はこれまでも「富裕層の習慣」についていろいろ書いていますし、これからも書く機会はあると思います。そこで今回は、私が想定している富裕層とはどんな人物か。定義というか前提をご紹介します。
まず、私が想定している「富裕層」とは、先祖代々の富裕層ではありません。本人の努力や能力とは無関係にお金を持っている人の教えは、凡人が成功するために必ずしも役に立つとは限らないからです。
あるいはスーパーリッチのように悠々自適の超資産家の生活を知ったところで、私たちに応用できることは多くないでしょう。
たとえば「プライベートジェットで時間を節約」という話を読んで、では自分もプライベートジェットを買おうということになるか、というようなものです。せいぜい「ふ~ん、すごいねえ」くらいではないでしょうか。
しかし、それでは意味がない。そこで私は、1代で財を成した「成金」に設定しています。
「成金」は元凡人。だからこそ私たちの参考になる
成金というとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、将棋のコマと同じく、「歩」という一兵卒であっても、前進すれば「ト金」に成ると言えばわかりやすいでしょうか。
成金も最初は凡人。そこから収入を増やして成金になり、それが続いた結果として富裕層になっていきます。
そういうすごい人が「すごい人になっていく過程でやっていたこと」や、そういう人の「思考パターン」と「行動パターン」のほうが、平凡な私たちには学びが多いはずである、という発想です。
私自身も起業してから約20年近くになりますが、そうやって成功していった人を数多く見てきましたし、一方で、そうではない人も多数見てきたからです。
また、私が起業した当時はまだスマホが存在していない時代であり、この20年で人々のライフスタイルは大きく変わりました。そのため、最近はインターネットを駆使し、若くして成功する人に出会うことが増えました。
さらに、当時私が学んだ富裕層も、そろそろ引退・隠居のタイミング。すでに第一線を退き、交流が途絶えた人もいます。
なので、かつての富裕層がやっていることよりも、最近の若い富裕層の思考と行動から得た教訓のウエイトを多くしています。
Next: 年収では分からない。本物の富裕層=成金を見分ける方法
富裕層は、貯蓄額や表面的な年収からは見えてこない
年齢的には20代後半~50代前半といったところで、30代後半~40代後半が最もボリュームゾーンです。これは私の年齢的に、そういう人との交流が多いということでもあります。
対象の職業は主に「起業家・経営者・自営業者」で、事業規模から見て明らかに「年収2,000万円は超えているであろう」人です。
ここで「年収2,000万円なんて大したことないな」という人は、実態が見えていません。
というのも、このくらいになると個人の実効税率は55%と大きな負担となるため、売上は法人名義にして、本人は役員報酬として給与をもらう形のほうが、税効果上キャッシュアウトが少なく済むからです。
ちなみに法人の実効税率は30~33%程度です。なお、その役員報酬も上げれば上げるほど社会保険料負担が大きくなるので、それもあまり嬉しいことではありません。
だから、ほとんどの人は自分の収入自体は減らす傾向となり、統計上は「富裕層とは思えない年収」なのですが、それは見かけだけです。
私自身、自分の年収は低くしていますが、家計全体で払っている保険料が毎月約100万円、借入金の返済が毎月200万円以上、カードの支払いが毎月50~100万円、家計全体の支出は毎月500万円程度ですので、おおよその収入規模が想定できると思います。
富裕層ほど、現金を持っていない?
なお世間では富裕層の定義を「金融資産1億円以上」などと言われますが、友人知人に「いくら持ってるの?」などとは失礼で聞けませんし、仮にアンケートを取っても本当のことを言うとは限らない。
なので事業の様子を見て「明らかにこれぐらいはいってるな」という観察ベースであることはご了承ください。
たとえば「このあいだ5億円の1棟ビルを買ったよ」という話を聞けば、ローンを組むとしても少なくとも2,000万円以上の年収(あるいは年商)があり、1億円程度の余裕資金があるとわかる、といった具合です。
むろん富裕層にもいろいろあり、冒頭の先祖代々からの富裕層もいれば、事業を興してバイアウトし、その資金でベンチャーキャピタルファンドなどを運営しているような富裕層もいます。
実際、私の知り合いにも両方いますが(といっても先祖代々の富裕層はあまりガツガツ事業をやっていないこともあり、最近は交流が途絶えています)、最も多いのが「現役でビジネスをしている富裕層」です。
彼らの意外な特徴としては、「現預金が少ない」ことです。
Next: 「資産を守るだけの超資産家」よりも「成金」と付き合おう
資産を守るだけの富裕層はつまらない
その理由は、現金はほぼ事業に再投資しているからです。そのため資産のほとんどは株や不動産で、「貯金を取り崩しながら悠々自適」というイメージとはかけ離れています(だから「金融資産の額」などといった統計からも浮かび上がってきません)。
ソフトバンクの孫正義氏やファーストリテイリングの柳井正氏を見れば明らかなように、彼らにとって事業とは生き甲斐でもあるのでしょう。
やっぱり資産を守るだけの人よりも、知恵を絞ってビジネスを推進している人の教えのほうが、同じく現役世代の私たちには学びが多いと思います。
そういう理由もあるし、私が親交がある富裕層もほぼ現役ビジネスパーソンであるという理由もあり、このように設定しています。
なので、今後、私のそういう書籍やコラムを読む機会がありましたら、「ああ、こういう人を前提にしているのね」と想定していただければと思います。
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『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』(2020年8月3日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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