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コロナは毎年流行か。日本の死者「年末までに倍増」米疾病対策センターAIが予測=高島康司

世界的な科学雑誌『Nature(ネイチャー)』掲載の論文によると、2021年6月時点でもコロナは蔓延しており、世界2億5,000万人が感染、175万人が死亡するとしている。インフルエンザのように毎年流行するという予測も出ており、日本の死亡者数は現時点から11月末には倍増するとのAI予測まで出ている。まったく油断できない状況だ。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

※本記事は新型コロナウイルスに関する内容が含まれます。新型コロナウイルス感染症については、厚生労働省などの公的機関が発表する情報をご確認ください。

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※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2020年8月14日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

「緊急事態宣言」発令後から感染者数は10倍に

新型コロナウイルスのパンデミックが止まらない。

世界では2,020万人が感染し、74万人が死亡している。また日本でも、1日の感染者数が1,000名を越える日が多く、累積の感染者数は4万9,000人近くに上り、死亡者数も1,052人になっている。

緊急事態宣言が発令された4月7日の感染者数は3,906人だったので、いまはこの10倍になっている。

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一方、日本では致死率やと重症化率は確実に低くなっている。

緊急事態宣言が出された4月初旬にはゆうに5%を越えていた致死率だが、8月12日現在では2.15%となっている。

この低下の原因はまだはっきりとは分からないが、日本では新型コロナウイルスに対する集団免疫が獲得された可能性も指摘されている。

このような状況なので、新型コロナウイルスに感染しても、たいしたことにはならないのではないかとの漠然とした雰囲気が蔓延し、新型コロナウイルスに対する警戒感が薄らぎつつある。

これが原因で人々の行動が活発になり、感染をさらに拡大させているというのが現状だ。

想像以上に危険?コロナウイルスに関する新発見

しかし、そのような漠然とした安心感が拡大しつつあるなか、新型コロナウイルスの研究によって、新たな発見が相次いで発表されている。

新型コロナウイルスの「SARS-CoV-2」は新種のウイルスで、まだ正体はよく分かっていない。いま中国や韓国、そしてアメリカをはじめ世界各国で急ピッチで研究が進み、日々新しい発見が発表されている。こうした発見の内容を見ると、実は新型コロナウイルスは思った以上に危険であることを示すものが多い。

たしかに新型コロナウイルスは弱毒性で、致死率がとても高いというわけではない。

だが、新型コロナウイルスの感染がもたらす長期的な影響が少しずつ分かってきた。これは予想以上に危険なウィルスだ。

Next: 「脳」に長期的なダメージ?無症状・軽症の若者も油断はできない



長期にわたる「脳」への影響

新型コロナウイルスの感染で注目されている発見のひとつは、脳への長期的な影響だ。

ミシガン大学心理学部の研究チームによると、新型コロナウイルスの感染は筋痛性脳脊髄炎や慢性疲労症候群、そしてギラン・バレー症候群などの脳への長期にわたる影響を引き起こす可能性があるという。

新型コロナウイルスは肺だけではなく、脳にも感染が拡大することは知られている。

脳に新型コロナウイルスが侵入すると、脳内に存在する特殊な免疫細胞が活性化する。しかし、それが起きると、免疫細胞は膨大な量の炎症性信号を出す。これによって、神経細胞間の接続は破壊される。

人間の記憶は神経細胞のネットワークによって維持されている。このネットワークが脳内の免疫細胞の暴走によって壊されるので、神経細胞間のネットワークによって維持されていた記憶が失われることを意味している。

病気としては、記憶障害や慢性疲労症候群、さらに筋痛性脳脊髄炎やギラン・バレー症候群などとなって現れ、その影響は新型コロナウイルスの感染から回復後も長期間続く可能性があるという。

無症状や軽症でも発現する「慢性疾患」

このような脳への影響は、重症化して回復した患者にしばしば長期的に見られる症状だという。

しかし、感染者の80%以上を占める無症状や軽症の人々でも、感染の影響として「慢性疾患」が長期的に現れる可能性が指摘されている。

ミネソタ州の大手総合病院、「メイヨークリニック」の新型コロナウイルスの専門家であるグレゴリー・ポーランド博士によると、感染症の回復者から、長期的な疲労、頭痛、めまい、認知障害、脱毛、心機能障害、心筋障害、心筋症、不整脈、心肺機能の低下などが報告されているという。

そして、こうした症状の発現は、重篤の症状からの回復者のみならず、無症状や軽症だった患者にも見られるとして、最大限の注意を喚起している。

また、回復後1カ月から2カ月にわたって続く「凝固異常」という症状もある。これは、血液を凝固させる機能に異常が生じ、身体のあらゆる箇所に血栓ができる血栓症の原因となる。

ポーランド博士は、特に若い人たちは、軽症の病気だと見くびっているという。自分には症状がないので、もう注意しなくてもいいかなと思ってるようだが、データはそうではないことを示唆している。

一度感染すると、無症状や軽症の人々であっても、後に深刻な慢性疾患になる恐れがあるので、絶対に気を緩めてはならないとしている。

日本の新型コロナウイルスの致死率は、欧米に比べると決して高くはない。2.1%ほどである。これはインフルエンザの致死率の0.1%の21倍ではあるが、感染者がバタバタと死ぬという状況ではない。

圧倒的に多数の人々が無症状や、カゼ程度の軽症で回復してしまう。

しかし、だからといって、決して安心してはならない感染症だ、無症状や軽症であっても、長期的な慢性疾患に苦しむことになる可能性があるのだ。とにかく安心してはならない。

Next: 早期収束は絶望的? 科学誌『ネイチャー』が長期化を予測



ネイチャー誌「蔓延は長期間続く」

では、このような新型コロナウイルスの蔓延はいつまで続くのだろうか?

有効なワクチンが開発されて、比較的に早期に収束するのだろうか?それとも、ワクチンが効かない危険な進化型の変種が現れて、パンデミックはさらに拡大するのだろうか?ものすごく気になるところである。

そうしたとき、8月5日、世界でもっとも権威のある自然科学誌「ネイチャー」に「2021年以降、パンデミックはどうなるのか?」という題名の論文が掲載された。

この論文によると、新型コロナウイルスのパンデミックが早期に収束する兆候はなく、蔓延は長期間続くだろうとしている。

いま新型コロナウイルスに感染した経験のある人々の体内で検出される抗体は、1カ月から3カ月でその量が4分の1まで減少することが知られている。そのため有効なワクチンが開発されたとしても、ワクチンでできた抗体の持続期間はかなり短い可能性がある。

そのような点を考えると、新型コロナウイルスのパンデミックが少なくとも数年続くというこの「ネイチャー」の予測も納得できる。

この論文では、

1)持続性のある免疫ができるかどうか
2)季節的な流行があるかどうか
3)政府や国民が正し選択をできるかどうか

などの条件によって蔓延は左右されるので、一律に予測することは難しいとしている。

しかし、それでも複数のモデルを総合的に要約すると、以下のような結果になった。

「2021年6月、新型コロナウイルスの蔓延の勢いは減速しつつも、拡大は続いている。ときおり実施されるロックダウンが、日常のニューノーマルになる。抗体が6カ月間継続する有効なワクチンが開発されるものの、国家間の争いから交渉は難航し、ワクチンの流通は遅い。その結果、世界で2億5,000万人が感染し、175万人が死亡する」。
※参考:How the pandemic might play out in 2021 and beyond – nature(2020年8月5日配信)

そしてこの論文では、異なった条件による2021年以降の予測を図にしている。

日本語に翻訳して、以下に転載した。ぜひ見てほしい。

これを見ると、条件によっては2025年までパンデミックは断続的に続くことが分かる。

これは世界全体の予測値だ。では、日本はこれからどうなるのだろうか?日本だけを対象にした長期予測モデルは見当たらない。今後、公開されたら当メルマガでも紹介する。

Next: 死亡者数予測で高い精度。米疾病対策センター採用のAIが日本を分析



ヨーヤン・グーのAIモデル

しかし、短期の予測は存在している。それは、以前の記事でも紹介したヨーヤン・グーのAIモデルだ。

【関連】日本のコロナ感染者数、年内に53万人超えの衝撃予測。全米疾病対策センター採用AIの警告=高島康司

ヨーヤン・グーはMIT出身の独立系のAIエンジニアであるにもかかわらず、彼の開発した新型コロナウイルスの予測モデルの精度が高いとして、CDC(米疾病対策センター)にも採用されている。特に、死亡者の予測の精度が高いという。

前回の記事では、11月1日時点での累積感染者数は、中間値で53万3,232人になると予測していた。ヨーヤン・グーのAIモデルは実際の感染者数は公式発表よりも5倍から10倍は高いと見積もっており、この数値はその見込みを反映したものだ。

このようなヨーヤン・グーのAIモデルだが、定期的に予測数値がアップグレードされている。最新バージョンは8月11日のものだ。

以下がそのサイトのアドレスだ。
https://covid19-projections.com/

日本の死者数はここから倍増する?

日本では新型コロナウイルスの蔓延が拡大しているので、それを反映して予測値も上方修正されている。前回は詳しく説明する余裕がなかったが、ヨーヤン・グーのモデルでは、各国で2つの数値を公開している。

ひとつは、11月1日時点での回復者を除外した感染者数だ。そして次は、回復者も含んだ累積の総感染者数だ。それらは次のようになっている。

回復者を除外した11月1日の感染者数
・中間値:16万5,428人
・最大値:95万4,602人

回復者を含めた累積の総感染者数
・中間値:81万3,140人
・最大値:351万9,759人

死亡者数
・中間値:1,718人
・最大値:4,272人

ちなみに、8月12日までの日本の感染者数と死亡者数は次のようになっている。

累積総感染者数:5万80人
死亡者数:1,058人

現在の数値と比べると、ヨーヤン・グーのモデルの予測値はあまりにも高いと思われるかもしれない。しかし、ヨーヤン・グーのモデルは実際の感染者数は、公式発表よりも少なくとも5倍から十数倍は多いと見ている。これは、先の「ネイチャー」が紹介している多くのAIモデルも同じ見方だ。

日本の致死率は、欧米諸国と比べると相対的に低い。しかし、感染はこれからも急速に拡大する模様だ。

このような状況を見ると、「ネイチャー」に掲載された予測は日本にも当てはまるようにも思う。ということでは、新型コロナウイルスはまさにインフルエンザのように季節的な流行性感冒となり、2025年くらいまでは毎年蔓延を繰り返すのかもしれない。

やはり気を緩めてはならない。注意すべきである。

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ」(2020年8月14日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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