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女性は6年も長生きする。妻を老後貧困から救う手立ては?=牧野寿和

女性は男性よりも平均寿命が6年ほど長くなっています。夫が亡くなった後の、妻の老後資金の用意は大丈夫でしょうか?(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)

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プロフィール:牧野寿和(まきの ひさかず)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。

女性は約6年、男性よりも長生きする

男性81.41歳、女性87.45歳。

これは、厚生労働省が7月31日に発表した2019年の日本の平均寿命です。前年に比べ、男性は0.16歳、女性は0.13歳ほど延びています。

例年通り女性のほうが、男性より約6年間、長生きするということです。

そこで今回は、この6年間の生活にどのような準備をしておけば良いのかを考えてみます。

女性に多い老後の「おひとり様」

同級生の夫婦の場合、単純に妻が6年間長生きをします。

夫のほうが歳上ならば、妻との年齢差プラス6年間のあいだ、妻は独りで生活をすることになるかもしれません。

問題は、その妻が独りで生活をするであろう期間の準備ができているかです。

特に、生活資金の面で、その時なってから、急に慌てて準備はできませんので、あらかじめ準備をしておくことが必要です。

夫婦生涯の家計収支と貯蓄の推移を確認しておく

その準備をするためには、まず、ご夫婦の現在の家計収支を調べること。そして、夫婦の生涯の家計収支をシミュレーションしてみることです。合わせて、貯蓄の推移も見ていくことも必要です。

家計収支について、現役中と老後とでは、収入と支出の両方が大きく変わります。収入は、老後の生活で年金が主な収入となれば、現役中よりは減ります。支出は、老後の生活では食費などは減るかもしれませんが、医療や介護にかかる費用が現役時代より通常は増える傾向です。

従って、支出額としては現役時と同額、または年間で1割程度、増やしても良いかもしれません。

そして、ここで算出した収支と貯蓄額を、夫婦それぞれ男女の平均寿命に5年間加えた年齢まで計算し、どのように推移していくのか確認してみてください。

そして、特に妻が独りで生活をする年齢からの数値に注目する必要があります。

Next: 平均寿命プラス5歳先の収支がマイナスになる場合はすぐに対策を



妻が独りで生活する準備

<収入:年金受給額の確認が必要>

夫が亡くなったあと、妻の年金は妻の老齢基礎(国民)年金と、夫が厚生年金に加入していれば遺族厚生年金がもらえます。

ただし、妻自身の老齢厚生年金がもらえる場合は、同じ「厚生」と名前の付く年金はもらえません。従って、妻自身が年金を受給する年齢になり、妻自身が厚生年金がもらえるのであれば、妻が夫の遺族厚生年金か自身の老齢厚生年金か、どちらかを選び、それに加えて、妻自身の老齢基礎(国民)年金がもらえます。

なお、夫の遺族厚生年金の受給額は、日本年金機構に問い合わせれば、おおよその金額は教えてもらえます。

その他の夫亡き後の収入として、夫を被保険者とした死亡保険金、民間の保険商品である個人年金や金融商品などでの運用益などがある方もいるでしょう。

<支出:夫婦健在時の7〜8割へ>

支出は、食費などは1人分になって減るでしょう。しかし、電気代などの水道光熱費は半分になることはないようで、家計全体の支出は夫婦で生活の7から8割くらいに見ておいて良いでしょう。

それに加えて、自宅の改修など多額の費用が必要なことは、夫婦が健在の年齢で、介護にかかるかもしれない費用は、夫婦別々に準備(計上)しておくほうが良いでしょう。

家計収支の推移をみて判断すること

家計収支を平均寿命プラス5歳先まで計算した結果、生涯、家計収支もプラスで貯蓄も「0円」にならないようであれば、夫婦ともに、また、妻が独りになった後の生活も資金的には問題はないようです。

計算をしている段階で、家計収支がマイナスになる期間や貯蓄が底をつくようでは、その原因を探り、今から改善することが必要です。

Next: 妻の老後「おひとり様」の準備は完璧か?現役時代にやるべきこと



妻の老後の準備は完璧か?

特に、妻が独りで生活を想定する年齢では、妻の老後の準備は完璧かどうかを入念にチェックしましょう。

夫が亡くなった後、夫の年金収入が大幅に減るなど家計収入が減ることが予想される時などは、その時になってからでは十分な対応が取れません。ですので、あらかじめ妻の生活資金用の貯蓄をしておくなど、今から準備をしておくことが必要でしょう。

夫婦の老後生活の準備と一緒に、妻が独りで生活をする時の準備も現役中からしておくことが大切です。

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image by:image by:Photographee.eu / Shutterstock.com

【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2020年9月16日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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