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【週間展望】バイデン政権誕生→歳出増→株高の流れに日本株は追従できず?=馬渕治好

中長期的に、日本を含めた諸国の株価は、持ち合いから緩やかな上昇基調をたどるだろう。ただ、そうしたなかで今週は、いったん過度の楽観からの反動が生じ、日経平均株価は下押しするものと予想する。(『馬渕治好の週次メモ「時の花」』)

※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週次メモ「時の花」』2020年10月12日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。市場急変時には号外の配信もあります。

目次
・今週の日経平均予想
・今週の米ドル円相場予想
・今週の一枚「日米のEPS(一株当たり利益)予想値の推移」

今週(2020/10/12~10/16)の日経平均予想:2万3,000~2万3,700円

(先週の予想:2万2,900~2万3,600円/実績値:2万3,252.69~2万3,725.58円)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

先週の世界の株価は、米国の追加経済対策を巡る諸報道で上下はしたものの、対策期待で株価が上昇した幅が勝って、フィリピン以外の諸国の株価が週間ではすべて上昇し、全面的な株高と言える展開となった。そうした市況動向自体がやや楽観に過ぎると警戒されるうえ、米国では、これまで「バイデン政権誕生=増税=株安」との主張が主流であったものが、株価上昇を受けて、いきなり「バイデン政権誕生=歳出増=株高」との手のひら返しとなっている。こうした投資家心理の急転も、かえって短期的な危うさを感じる。

中長期的に、世界的な景気の持ち直しに沿って、日本を含めた諸国の株価が、持ち合いから緩やかな上昇基調をたどる、という展望には、まったく変わりはない。ただ、そうしたなかで今週は、いったん過度の楽観からの反動が生じ、日経平均株価は下押しするものと予想する。

また、足元で2月本決算企業の3~8月半期決算の発表が続いている。近いうちに3月本決算企業に発表が移るが、日本の企業収益が最悪期を四半期ベースで脱した、という展開は揺らぐまい。しかし、特に米国と比べて、収益の改善度合いが鈍いように見受けられる(この後の「今週の一枚」参照)。日米の株価が今後上昇展開を示すなかで、日本株が劣後する可能性が懸念される。

Next: 今週の米ドル円相場予想



今週(2020/10/12~10/16)の米ドル円相場予想:105.00~106.00円(先週と同じ)

(先週の予想:105.00~106.00円/実績値:105.40~106.11円)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

先週の外貨市況(対円)では、週を通じて対円で下落した通貨は、トルコリラとチリペソだけだった。これは、前述のように世界的な株高商状であったため、「リスク回避通貨」として認識されている日本円が、売られたためだと推察される。米ドルも同様に売られたため、米ドル円相場は結果として大きくは動かなかった(非米ドル通貨の上昇の方が大きかった)。

今週、前述のように予想した通り、いったん世界株価が反落するとすれば、通貨の強弱は先週の裏返しで、日本円≧米ドル>非米ドル、という形になると見込まれる。

Next: 今週の一枚「日米のEPS(一株当たり利益)予想値の推移」



今週の一枚「日米のEPS(一株当たり利益)予想値の推移」

※日本(TOPIX)と米国(S&P500)の、先行き12か月ベースのEPS(一株当たり利益)予想値(アナリスト予想の平均値)をみると、世界経済の浮沈などに応じて、並行的に動く局面が多い。

※ただし、日本の利益水準の方が、世界経済が下振れた際に打撃が大きい(たとえば2009年のリーマンショック後の不況期)と言える。また、2019年(左側の矢印)は、米国経済は拡大を続けたが、日本は2018年10月を景気の山として後退期入りしていたので、その差が表れている。このような日米格差は、2011~2012年にも生じているが、この局面は東日本大震災の影響を割り引く必要がある。

※なお、直近(右側の矢印)では、アナリストが米国では利益見通しの上方修正を続けているものの、日本企業については予想値が下げ止まっただけで、顕著な上方修正が生じていない。こうした日米の利益見通しの格差がそのまま続けば、日米間の株価にも乖離が生じかねない。

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2020年10月配信分
  • 日米のEPS(一株当たり利益)予想値の推移(10/12)
  • 日銀短観業況判断DIの差の推移(10/5)

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  • S&P500バリュー指数 ÷ グロース指数比率(週平均値)(9/7)

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image by:NicoElNino / Shutterstock.com

馬渕治好の週次メモ「時の花」』(2020年10月12日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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