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子どもの発達障害で不幸になる家族、幸せになる家族。明暗分ける4つの心構え=午堂登紀雄

前回「発達障害はこれからの日本で武器になる」というコラムを書いたところ、ポジティブな意見もネガティブな意見も含めて、いろいろ反響がありました。そこで、絶望する人と、希望を持つ人の違いは何か。家族がどのような心構えを持てば幸福になれるんだろう?と考えてみました。もちろん正解はないのですが、私とわが家の心構えをご紹介します。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)

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プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

身内の発達障害に絶望するか、前向きに捉えるか

発達障害についての前回のコラムは、ポジティブな意見もネガティブな意見も含めて、いろいろ反響がありました。

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その中でも、ご家族に発達障害者がいるという方から「発達障害児の福祉は絶望的。それに参加していない人は適当なことを上から言えていいね」「小中学校に行かないという選択肢のない日本では、特別支援学校という“地獄”に行かざるを得ない」という内容のご意見をツイッターでいただきました(詳細は私のツイッターアカウント@tokiogodoをご確認ください)。

この方は「特別支援学級は地獄」「希望を持たせるのは障害者を絶望させるだけだ」という意見を私宛に送ってきているわけですが、言いたかったのはおそらく「自分はこんなに大変な思いをしたのに、ノー天気なことを言うな!」ということなのかと思います。

これには、「自分の苦労を理解してもらいたい」という感情とともに、「自分が不幸なのに他人が幸福になるのは許せない。自分が不幸だから周囲にも不幸になってほしい」という潜在的な願望があるのでしょう。自分は苦労した。誰かに慰めて欲しいのに誰もしてくれない。現実世界で満たされない承認欲求。それが怒りや恨みの感情となり、その矛先が、私のようにノー天気なことを言っている人へと向かっているのかなと思います。

他にも意見があり、少しツイッターやブログなどを検索してみたのですが、発達障害者を身内に持つ家族のありようには、「ポジティブに捉える」人と、「ネガティブに捉える」人、そしてほかの子と同様に育てる「気にせず淡々としている」人がいるように感じました。

「ネガティブに捉える人」は家族を不幸にする

そして問題は「ネガティブに捉える」人です。

なぜなら発達障害を「社会不適合者」という枠組みにはめてしまうと、発達障害は不幸そのものとなり、不幸を嘆けば、家族全員が不幸になるからです。実際、「つらい」「しんどい」と疲れている人の意見もたくさんありました。

しかし、状況が万人にとって同じなのではなく、その状況を「不幸」と捉えるか「そうでもない」と捉えるかはその人次第です。

なのに、そうやって家族がこじらせてしまっては誰も幸福になれないし、家族が外に向かってまで不幸をまき散らかすようになると、本人も発展的な人生は望めないでしょう。

いわゆるカサンドラ症候群のようなもので、発達障害者がいることで、その家族が心的ストレスによって不安障害や抑うつ状態、PTSD(心的外傷後ストレス障害)といった二次被害に陥ることは少なくないようです。

Next: ポジティブに捉えて幸せに暮らす人もいる



ポジティブに捉えて幸せに暮らす人

一方、私の妻の友人で、重度の知的障害を兄に持つ女性起業家がいますが、彼女から特に不満とか絶望とかいう言葉を聞いたことがありません。

本心はわかりませんが、「私が面倒を見ていく」という覚悟を持っているそうで、彼女の旦那様もそれを共有してご結婚されています。彼女はとても明るい性格で、ご自身の会社の経営をがんばっておられます。

もう一人、やはり知的障害がある自閉症の息子さんを持つシングルマザーの知人がいますが、その経験を活かして子育て・教育に関する講演や、障害者の保護者向けのコラム執筆などの仕事をしています。かつてはかなり悩み、そして大変な苦労もあったようですが、今では良い意味で達観しており、悲観するでも絶望するでもなく、あっけらかんと普通に子育てされています。講演に引っ張りだこで著作も多数あるなど経済的にも余裕があるようで、それも余裕のある子育てにつながっているのでしょう。

多種多様な「発達障害」を同列に扱うことはできない

もちろん、前回のコラムにも書いた通り、ひとことで発達障害といっても、ASD(自閉症スペクトラム)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、LD(学習障害・ディスレクシア)と大まかに3つの種類があり、それぞれ独立ではなく入り組んでいます。その入り組み方もひとそれぞれで、さらに知的障害がない人もいれば、知的障害がある人もいる。それも軽度から重度と、グラデーションのようにひとり一人が異なります。

一方で、高度に知的レベルが高い人もいて、ギフテッドと呼ばれるいわゆる天才児の中にも、発達障害者は少なくありません。実際、ギフテッドの行動パターンは発達障害そのものとも言えます。

このように障害の中身・程度・発現の仕方は本当に人それぞれ違うので、同列に扱うことはできません。

たとえば重い知的障害を抱えていれば、家族は「親亡きあと」の支援体制を考えなければならないし、軽度であれば支援校や就労支援などで「自立して生活していける」ための方策を考えることになります。

あるいは前回のコラムでも書いた通り、何らかの分野で突出した才能を持つ場合は、その方面を伸ばせるよう、家族や周囲は環境を整備してあげる必要があるでしょう。

特に米国では発達障害者を「障害」ではなく「個性」とみなす思想があり、発達障害者向け教育プログラムは世界最先端ですから、家族で留学移住をする人もいます。ニューロ・ダイバーシティという考え方も米国が先んじている印象です。

日本でも、昨今話題となっている「N中」「N高」(運営は民間企業のドワンゴ)は、もしかしたら大きな可能性を秘めているかもしれないな、と私は注目しています。

さらに医師の方針にもいろいろあるようで、診断を出してくれやすい医者もいれば、なかなか出してくれない医者もいるそうです(ママ友の間でも、「あそこの先生は出してくれる」「あそこは出さない」という話題が出ます)。すると、本当は障害なのにグレーゾーン扱いになることもありますし、本当にグレーな人もいるでしょう。

割り切って発達障害児の子育てを楽しむ我が家のケース

というふうに一律に語れない側面はあるものの、家族が不安を抱えて悩んでいても、誰も幸福にはなれない。

実は私の妻も、当初は息子が発達障害だという診断をなかなか受け入れられなかったようで、かなり悩んだそうです。しかし、私からもいろいろ情報提供したからなのか、療育の成果が出てきているからなのか、児童精神科の先生に数的能力や空間認識能力は平均より高いと言われたからなのか、いまはもう割り切って子育てを楽しんでいます。

そこで、「家族がどのような心構えを持てば幸福になれるんだろう?」を考えてみました。むろん正解はないのですが、私とわが家の心構えをご紹介します。

Next: 息子の発達障害に気づいた時の心境は?家族を幸せにする4つの心構え



発達障害児の家族を幸せにする「4つの心構え」

<心構えその1:現実を直視する>

これが結構難しいようで、人は見たいものしか見えないし、聞きたいことしか聞こえません。障害が重度であれば周囲は認めざるを得ませんが、軽度の場合が難しいようです。

そこでまずは「発達障害は悪である」という思い込みを捨てることです。あってはいけないことだと思うから悩みになるわけです。

むろん「善である」とか無理に思い込む必要はありませんし、前回のコラムのように「武器」とまでは思えない人もいるでしょう。実際、現時点の日本では発達障害者の活躍のハードルは高く、だからこそ「将来の可能性」として希望を捨てないという意味で書いたわけです。

そして発達障害は悪でも善でもなく、「この人の特性である」とニュートラルに受け止める。もっと言えば「そういう人」とそのままを受け入れるのです。

私が息子の発達障害に気づいたのは2歳になったころです。周りの子はもう言葉を発し始めているのに、この子ほとんどしゃべらないうえ、極端な癇癪(かんしゃく)持ちでした。それで「ちょっと変だな」とは思っていましたが、「男の子は発語が遅いというし、個人差だろう」で済ませていました。

しかしある日、突然白目を向いて口から泡を吹きながらけいれんを起こして倒れた、と妻から連絡がありました(いわゆる熱性けいれん)。そして救急車で病院に運ばれ、医師から発語と癇癪の状況を聞かれたとき「知能の発育に問題が見られる。一度専門医に診てもらった方がいい。ただし、いまはどこを受診しても経過観察で終わってしまうため、3歳くらいになってからのほうがよい」と言われました。

さすがにショックでしたし、「そんなはずはない」と否定したい気持ちにもなりました。しかし、現実から目をそらしても何の問題解決にもならないとすぐに頭を切り替え、発達心理学や幼児教育に関する書籍・文献をたくさん読み込みました。

すると、「それ、うちの子にもあるある」「なるほど、だからか」「なるほど、そういうことか」と多くのことが腑に落ち、「そういう特性のある子なんだ」とすっきり受け止められるようになりました。

そして、できないことを嘆いたり、ほかの子と違うことを嘆くのをやめる。でなければイライラが募るだけですから。できることを見てあげて、褒めて、ほかの子より遅れていても違っていても、そういう個性なんだと認めることです。

できることは人それぞれ違うというだけです。

Next: 勉強・友達・恋愛・仕事…次々と訪れる関門にどう対処する?



<心構えその2:知識を豊富に持つ>

本人の障害の程度・内容・特性をよく理解し、将来の進学・就職・ひとり暮らし・結婚というイベントを想像し、そこでぶつかるであろう壁や問題に関して、先回りして何が起こるか、あるいは支援制度はどうなっているか、自分には何ができて何ができないかなどの知識と情報を得ておくことです。しかもたっぷりと。

なぜなら、知識があれば事前に備えることができるからです。

実際に問題が起こっても心の準備ができているので慌てたり落胆したりすることがないし、体制の準備ができていれば速やかに移行できます。自分が持っているリソースは何か、持っていないリソースは何か、ではその不足をどうやって補うか。

たとえば私の息子の場合、学校で勉強についていけないとか、クラスメイトとうまくやっていけないリスクがあります。それで二次障害に陥ったりしないよう、最初は私立小学校の受験も考えたことがあります。その小学校は少人数制でモンテッソーリ教育に似た手法を採用しており、自閉症のこの子には合っているかもしれないと考えたからです。

しかし、地元の教育委員会の就学担当者に相談したところ、学区の公立小の支援級も少人数制で、ついて行ける教科は普通級の児童と同じ教室で学ぶインクルーシブ形態、さらにはタブレット教育も導入されているとのこと。それで最初は公立小の支援級からスタートし、本人の希望や適応によって普通級に行くかどうかなど、都度柔軟に対応しようと思っています。

また、勉強の遅れの可能性もあるので、習熟度合いを観察しながら必要に応じて家庭教育でフォローし、いじめに遭いやすい傾向があることもわかっているので、よく観察しておくつもりです。

思春期になる中学高校では勉強以外に部活動や友人関係、恋愛などで悩むこともあると思いますが、なるべく悩みを打ち明けられる関係にしたいと思います(難しいことですが)。

仮に反抗期になっても、私自身も同じく父親に反抗し、無視し合う中高時代を過ごしましたから、どういう対応がマズいのかはある程度理解しているつもりです。

大学以降は本人の自由ですが、そもそも就職は難しい可能性が高いだろうし、職を転々とするリスクもある。だから私は進学にも就職にも重きを置いておらず、起業を教えようと思っています。

息子はいまのところ知的障害はなく、見た目は普通で表面的には障害があるようには見えません。
しかし、だからこそ周囲は普通の人として扱うわけで、なのにその言動が普通ではないことから、日本の社会では生きづらさを感じる場面が多いと予想しています。

仕事に限らず恋愛や結婚でも同様で、恋人ができにくく結婚もしにくいことがわかっています。
そこで息子が自分の特性を受容できるくらいに心が育ったら、本人の特性でも快適に生きられる環境や結婚等に関して、いろいろ話せるといいなあと思います(まあ、これは希望的観測に過ぎませんが)。

私はこれまで重度の障害者も軽度の人もいろんな人を見てきていて、関連の文献を何十冊も読み込み、支援施設や専門医の話を聞くなどして、かなりの部分を想定の範囲内にできましたから、不安はありません。

不安だ心配だという人は、その不安や心配の要因を具体的かつ明確に特定し、対処方法を考えておくことです。そして、悪いシナリオにしろ良いシナリオにしろ、何が起こりうるかを知り、予測し想像し、コンティンジェンシープラン(代替案)を複数持っていれば、その都度、軌道修正して冷静に対処できると思います。

Next: 外出がつらいときはどう対処する?割り切った我が家のケース



<心構えその3:迷惑をかけていると割り切り、周囲を過剰に気にしない>

たとえば、小さなお子さんの場合。ADHDだと落ち着きがなく、騒いで周囲に迷惑をかけることが多いですから、それで外出がつらいという人は少なくないと思います。

あるいはASDだと癇癪癖が強い傾向があり、ちょっと自分の思い通りにならないことがあると、この世の終わりかの如く大泣きし、家族はオロオロすることになります。それで外出を躊躇するようになる気持ちはよくわかります。

私も息子が2歳ぐらいのときは、とにかく癇癪が激しく電車の中でも絶叫して泣き叫び、いくら抱っこしても大きくのけぞってわめくなど、それが15分とか20分とか延々と続くわけです。

周囲から白い目で見られるし、不憫に思ったであろう他の乗客が寄ってきてジュースをくれたりしても振り払い、暴れる息子を抱えて汗びっしょりとなり、電車を降りたあとはぐったりと疲れたものです。

それで代わりに車を利用しようものならチャイルドシートを嫌がり車の中でも大絶叫。さらにスーパーに行ったら果物や肉類のパックなどに指プチをするので油断ができません。

5歳になったいまは癇癪こそほとんどなくなったものの、ADHD傾向が強く出てきて、電車内を走り回り、ぶつぶつ独り言を言ったり、保育園でも突然大声を張り上げて先生に注意されたりしています。パーッとどこかへ走り去ってしまうので、遊園地やショッピングモールなどで迷子になること数知れず。

そこで私が取っている方法ですが、これはおそらく多くの人がやっているであろう、「お菓子」と「タブレット」を持ち込むことです。お菓子は複数種類を持って飽きるのを防ぐ。タブレットも複数の知育アプリやゲームアプリを入れて飽きるのを防ぐ。これで夢中になってくれるので公共交通機関での移動は少しラクです。

それと、なるべく通販を利用することで買い物の外出を減らしています。外出は病院とか純粋に遊びに行くときだけにしたいところです。

もうひとつは、迷惑をかけることを前提に、周囲に告知しています。保育園には自閉症であることや彼の特性は伝えていますし、公共の場所で癇癪を起したときは、たとえばいったん電車を降りたり、それができない場合は「すみません、この子自閉症でこういう傾向が強いんです」などと卑屈にならず、堂々と謝っています(むろん無礼なことを言われたら全力で反撃しますが)。

積極的に迷惑をかけろということではなく、むろん迷惑をかけないで済むならその方が望ましい。しかし現実はそう簡単ではありません。だから、子育てはそもそも周囲に迷惑をかけるものだという前提で、他人からどう思われるかを過剰に気にしないことです。

Next: 不幸だと嘆いても状況は改善しない。前向きに生きる方法は?



<心構えその4:問題解決志向で生きる>

特に家族が進学や就職を重視すると、いろいろな悩みを抱えることになりますから、勉強ができるかどうかや就職できるかどうかで一喜一憂しないことです。

むろん障害の程度によって考えるべきことは異なりますが、家族の視野が狭くなっては、できる打ち手も限られてしまいます。

たとえば、冒頭でご意見を紹介した方は、特別支援学校や就労移行支援が不充分で絶望的だということを繰り返し主張していました。しかし、絶望するかどうかは本人次第の心の持ち方です。
本人に意思があれば希望が持て、そういう施設やそこの職員たちとも手を取り合ってどういう協力ができるか、協力したり工夫したりして取り組めるでしょう。絶望は思考放棄、希望は意思です。

私の息子も発達支援施設にお世話になっているし、友人にも就労支援施設を経営している社長がいるので、どういうことが行われているか知っています。もちろん自治体や施設によって違いはあるものの、現場でがんばっている人はいるのです。

そして絶望だという人は、「なんとかしてくれるはず」と施設や制度に依存しているわけで、だから思考停止なのです。依存すれば創意工夫も自発的な努力もやめてしまうからです。すると「行政は何もしてくれない」などとこじらせてしまうわけで、もはや問題解決意識も何もなくなってしまいます。

絶望するなら「もはや誰がどう考えても策なし」と言えるまで解決に取り組んでからです。支援学校や就労支援が頼りなく不満なら、自分が動けばいい。「何を言う!努力してきたぞ!それでもダメだったんだ!」という人は、そもそもその努力の方向性が間違っていないか、努力の量が足りていないかを振り返ってみることです。

支援学級での学習指導が不充分で不満なら、自分が教えればいい。そういう教育コンテンツも売っています。そんな時間がないというなら、発達に課題がある人向けの家庭教師もいます。お金がないというなら稼ぐ努力をすればいい。私もそうしてきたし、今でもそうしています。

絶望する前に、広い視野で「生き方」を探すこと

就労支援が不充分で不満というなら家族も手伝えばいいし、たとえば農業やハンドメイド雑貨を作ってネットなどで自前で販売すれば就職する必要すらなくなります。

そういえば私の知人が運営している障害者向けの作業所では、キノコの栽培と販売を手掛けており、年中収穫できることもあり結構な収入を分配できると言っていました。そうした事業を自分たちでやるという方法だってあるでしょう。

私の息子もやはり、普通の会社に普通に就職というのは難しいかもしれないと予想しています。
なので本人が興味を持つ年齢になったら、前述の通り起業という道があることを教え、自分で商品を作って値段をつけて売るということを一緒にやろうと思っています。

もちろん障害の程度や特性にもよるのですが、進学や就職という世界しか知らなければ、発達障害者の人生の選択肢は狭くなります。

しかし家族がもっと視野を広げ、ほかの生き方を知り、それを本人に伝え、必要なら一緒に取り組めば、健常者とは違う幸せがつかめる確率は上がるでしょう。むろん最後は本人が選択するとしても、その選択のための情報や方法や世界を与えなけれならない。家族こそもっと世の中の広さを学ばなければならない。それをしないから、こじらせて周囲に毒を吐く人生になってしまうのだと思います。

Next: 幸せに暮らすアイデアを全力で考えれば、不平不満は感じないもの



幸せに暮らすアイデアを全力で考えること

という感じですが、こじらせた人はなんやかんやと言い訳をして、そこまで徹底してやらないと思います。「普通の人にはムリ」「それはお前だからできたんだろう」とか。そして、それが思考停止ということにすら気が付かない。そういう努力をせずしてあきらめるから社会を恨むし、自分より幸福な人を恨むことになるのです。

そしてこういう人たちは、発達障害者やそれを支援する人たちに対する思いやりが根本的に欠けているように感じます。支援学校や就労支援施設の対応を「絶望」など一言で切り捨てるのは、現場で支援をがんばっている人たちに失礼というものです。私は一生懸命に支援活動をしている人たちを知っていますが、そうやってがんばっている人がいることへの想像力も欠如している。仮に不満があったとしても、少なからずお世話になっているはずなのに感謝すらない。本当に愛がないなと思います。

たとえば恋人同士でも、もし片方が海外留学したとしても、相手はなんとか貯金して渡航費を貯めてでも会いに行こうとするでしょう。愛があれば、問題解決のアイデアを出そうとするし、そうやって取り組んでいるときは他人なんてどうでもいいし、不平不満なんて感じるヒマもなければ、そんな発想すら出てこないものです。

「アイデアマンは悩まない」というのは私の信条のひとつでもありますが、不平不満や悩みを消し去る方法については、最新刊『前向きに悩む力」(日本実業出版社)に詳述していますので、もしご興味があればぜひ手に取っていただければと思います。

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image by:poomsak suwannasilp / Shutterstock.com

本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2020年10月15日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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